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オリジナルマスター   作者: ルド
オマケ編 その3
262/265

別作品の予告みたいなものです。

 遥か昔、まだ世界に魔法が浸透していた──失われた時代。

 突如現れた一体の魔神が……滅びの世界へと作り変えた。


『ハハハハハハ! オラァァァァァッ!』

『──グッ! ウッ……クソ』

『あ、あああっ! ま、魔導神さま……!』


 それは、ある一人の巫女の記憶であった。

 ボヤけているが、空は赤黒い暗黒の空。ヒビ割れてそこから血のような紅い稲妻が発生。それはまるで終焉の空だ。


 いくつもある木や岩の建物が崩落して燃えている。沢山の人が住んでいた大きな街であった筈が、人の気配はかき消えて、もう断末魔の悲鳴すら聞こえなくなっていた。


『ハァハァ……』


 白銀の最高位の姿が消えて、黒髪青年の姿に戻ってしまった魔導神ジーク・スカルス。


 装備していた武器類も一緒に消滅して、魔法使いのローブ姿で膝を付いている。くらってしまった一撃を押さえるように胸元に触れて、息を切らしながら眼前の敵を睨み付けていた。


『ハァハァ……ど、どうしてもダメなのか……? オレ達は同志だろう?』

『ふん、今さら何を言うかとお前ば……いい加減、(くど)いわッ!』

『ぐっ!』


 苛立ちを込めたように首を掴まれて、そのまま持ち上げられる。


『まだオレ様を友などと思ってるのか? ──馬鹿かお前はっ! 救いようがないっ! いったい何処まで追い詰めればその気になるんだ!?』


 相手の男は溜まっていた不満を言い放つ。ユラユラと相手を揺らしながら、ジークの目と耳に刻み込みように、周囲の絶望を見せ付けて告げる。


『その結果がこれだっ! これが貴様の失敗が真似た結末だ! 最初からオレを殺していれば、こうはならなかった!』

『ち、違うっ! お前は望んでなかった筈だっ! じゃなかったら、何で娘を──』

『黙れェッ! それ以上喋るなら……!』


 ジークが何か言い切る前に、彼を地面に叩き付ける。

 苛立ちが頂点に達してしまったか、憤怒の形相で破壊の力を込めた手のひらを向けようと──。


『師匠っ!』

『──ッ、このッ!』


 男の頭部を特殊魔弾が着弾して……弾かれた。

 しかし、グラッと脳が揺れてフラついた。イラついた様子で駆けつけたジークの弟子に向かって──。


『何ッ?』

『ッ、やらせないわ!』


 向けた手が突然地面から出た氷塊に飲まれて凍り付いた。

 視界の端で金髪の女性が氷結魔法を展開して、傷口を押さえながら強気眼力をこちらに放っていた。


『チッ、こんなもの……』

『──させるかッ!』


 すぐさまもう片方の手で氷塊を破壊しようとしたが、炎のジェット噴射で急加速した弟子が掴み取る。そこから何重もの封印の魔法陣が展開されて、手錠のように片腕も拘束した。


『小賢しい真似を……!』

『今だァァァァ!』

『ッ!』


 この程度でと片腕を捕まえている弟子を睨むが、その必死の叫びにハッと顔で上げる。すると……。


『アウトだ』


 神すら裁く、巨大な死神の鎌が月のように輝いていた。


『【―終鎌(シガマ)冥府王ノ地獄閻罪(ハーデス)】ッ!』

『──死神ッ! ウラァアァアアアアアアッ!!』


 無理矢理、氷漬けされていた腕を解放する。

 拳を空高く上げて、魔神が誇る破壊の力の奔流を奴へ浴びせようとした。


『急げ──喰ワセロッ!』


 上げた途端、肘から上が消滅(・・・・・・・)

 もう片方の腕を拘束する男から危険な気配が漏れ出したが……。


『ガ……ハッ』


 中途半端に放出された破壊のエネルギーは死神の鎌が両断。

 その勢いのまま、振り下ろされた巨大な鎌は男の胸元、心臓を貫通するように直撃した。


『ジークさん、これで終わりです。いいですね?』

『……ああ』


 真っ黒な死神の仮面に夜叉のような格好した青年の問い掛け。いや、言い聞かせるような発言だが、ジークは項垂れながら確かに返事を返す。全員ボロボロでもう既にタイムアップなのは明らか、自分の我儘で限界を超えて戦っている者も混じっている以上、もうこれ以上粘ることは許されなかった。


『じゃあ……本当にアウトだ。魔神』


 血を流して息を切らす青年は、トドメを刺そうと鎌に力を込めようとしたが……。


『ガフッ……ク、クククッ、そう思うか?』

『なに?』


 しかし、魔神側から返ってきたのは、血を吐きながらも呼吸も辛そうにしているのに、何処か余裕を見せてゆっくりと死神──零を見た。


『殺すなら……首を狙うべきだったな』

『ッ! 待っ──!』


 刹那で理解したか、冷徹で無表情だった彼の顔が一瞬で驚愕で染まる。

 勝利が目前で超越者達が囲っている中、誰よりも速く、誰よりも目の前の魔神の危険性を理解した上で、問答無用で鎌で残った生命の源を両断しようとした。



【ワールド・カタストロフィ】



 コンマ数秒もない一瞬で、その世界は崩壊した。

 魔神の最終奥義が全てを飲み込んで、文明どころか星自体、そして世界そのものまで消し去ろうとした。




【ワールド・オリジン】




 それを打ち消すような、もう一つの強大な力が邪魔をしなければ……。

 確実に世界を滅ぼしていた筈だった。




 こうして『神々の戦い』の一つでもある一戦は、魔神と魔導神の究極奥義が衝突し合い。

 一度は世界は滅ぼかけたが、同時に歴史的な魔法文化の崩壊を代償にして、残すことだけは成功した。


 その戦いは後世まで語り継ぐことになる。

 魔法使い達の歴史書にも記されており、何処まで恐ろしい世界を滅ぼした魔神は肖像画に残るほど。


 絶対に忘れるな。と言い聞かせるように魔法使い達の中で、その恐怖と絶望はしっかりと刻み込まれていた。





「い、いったい何が起きて……」


 そして巫女の子孫である、龍宮寺(りゅうぐうじ)雪奈(ゆきな)は絶望の中で、ふとその記憶の映像が脳裏に過った。

 何故、このような状況でそんなあやふやな記憶が呼び起こされたかというと……。


『グゥゥゥゥゥ!』

「……」


 自分を守るように魔物と対峙する青年。

 その顔は……記憶のそれと怖いくらい一致している。

 髪の色や格好は全然違うが、威圧するような鋭い目つきと彼の全身から溢れ出ている破壊のオーラは……



「貴方は……誰なの?」

「……」



 紛れもない。世界を滅ぼした魔神と瓜二つであった。



 物語は【世界を滅ぼした魔神の娘に取り憑かれた】……連載版に続く。

 はい、というわけで連載版を出すことに決めました!

 全然準備が整ってませんが、とりあえず報告も兼ねて予告みたいなのを出してみました。

 オリマスキャラも登場予定なので、こちらもよかったらどうぞ! まだまだ時期は未定ですが、なるべく早く出したいと思います。


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