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オリジナルマスター   作者: ルド
オリジナルマスター外伝『神の魔法使いの弟子と時空を超えた空の塔(ダンジョン)』
225/265

第0話 初対面な欠陥魔法使いと神の魔法使い。

外伝の特別版を出すことにしました。

一言で言うならコラボです。気分でやってしまいました。反省はしてません。

いきなりだが、世界が一変したらどう思う?

普通に日常を送っていた筈なのに、ふと目が覚めたらそこが自分の知らない世界だったらどう思う?


「いや、知らないっていうか空が変だよな? 別の世界か?」


つい独り言でブツブツ言ってしまうが、この状況なら仕方ないと思ってほしい。

自分の部屋で寝ていたのに目が覚めたら外だったんだ。……しかも、まったく見覚えがない場所だよ? パニックを起こさないだけマシだと思って欲しいよ。


人の手なんて施されてない自然な無人島みたいだが、空を見上げると太陽らしき物が3つもある。……その時点で現実じゃないな。


……ていうか、これっていわゆる……アレか?


「『異世界』……はぁ、一体何処のファンタジーだよ」


『やれやれ、とうとう異世界転生に走ったかぁ』なんて天の声が聞こてきそうだが、そんなことはどうでもいいだよ。

別に求めてない。夢ならさっさと覚めてほしいんだが。


「アレかな? 何か特殊な呪文でも唱えれば解けるヤツだったり……」

「───いいや、現実さ。ファンタジーなのは否定しないが、この世界は確かに現実だ」

「───っ!?」


冗談半分で呟いただけなのに、まさか返答がくるなんて思わなかった。

後ろから返ってきた返答にビックリしながら俺は振り返った。


「……誰だよ? あんたは」


振り返ると人が居た。

いや、声がしたから人なのは何となく分かったが、それでもこんな無人島みたいなところに人が居たのかと驚きを隠せなかった。


「ふっ、そう怯えないでほしいな」

「いや、怯えてるというか、ビックリしているだけで」

「目の前の世界か? それとも目の前のオレにか」

「あぁ……両方かな? 太陽が多いしアンタの格好もなんというか……」


目にしたのは白いローブを頭から被った男の人だ。

声とローブの影から見える顔から男だというのは分かったが、どうも古くさい格好だ。

魔法使いなのはなんとなく理解できたが、なにか変な感じがする。


「ほぉ、受け入れるのが早いな。それに意外と冷静だ。こういうのは慣れてるのか?」


なんか感心されてしまった。慣れって。


「異世界入りが? まさか、俺の世界にもファンタジーみたいな感があるからってだけだ。俺自身は普通……いや、普通以下で半端な奴さ」


語りたいとは思わないが、ホントつまらない人生だと我ながら思う。

20歳も迎えてないのに何じじ臭いこと考えてんだ、って言われそうだけど。

などと勝手に心の中でブルーになった俺だが、何故か男は頷いてまるで知っているかのように──。



知ってるよ(・・・・・)。第三の魔法世界────【エリアル】。いや、地球か。こちらでは別称だが、魔法がある珍しい世界だ」



……なんだか意味深なことを言われた。

って、ちょって待て? 今なんて言った?

別に耳遠くないし鈍くもないけど、あまりに突拍子のないセリフが飛んできた。


「え、えりある? 何それ。俺の世界ってそんな風に呼ばれるの?」

「並行世界、並行時空とも呼ばれる。オレが知っているだけでも【メトロ】、【スティア】なんてもある。因みにここは【ベーター】というオレの世界で、ここはその中でも特別な空間で造られたいわゆる『ダンジョン』だ」


“オレも管理者になるまで知らなかったけどな”と続けて口にする男を他所に俺は入ってくる情報の多さというか、質に開いた口が閉じなくなった。アゴ外れてないよな?


しかも、意外と会話が成立している。

驚くべきか呆れるべきか。緊張感が薄れて助かったというべきかもしれない。


ただ、やはり変な感覚の所為で落ち着かない。

上手く言えないけど纏っている気配が素人の俺でも分かるほど異質だ。

魔法師として欠陥過ぎて失格の烙印を押された俺でも異常だと思える程の魔力。


普通じゃないと理屈ではなく本能が訴えていた。


…………ドクン


「っ!?」

「ん? どうした?」

「あ、いや、なんか急に──」


ドクンドクン……!


「ッ!! なんだ?」


何か流れてくる? ……いや、拒絶している? 何か体に溢れてきたと思ったら、すぐに抜けていくような感覚になって力も抜けそうになる。


一体何が? 分からない。


「なるほど、そうきたか(・・・・・)


男が何か得心したみたいに言っているけど、全然俺の理解できない。そんな余裕が俺には全くない。

悪意はない。敵意もない。けど慣れない。

悪意とも敵意とも違う何かが渦巻いている気がした。


「はぁ、はぁ、なんだよ……これ? ッ──ウッ!?」


次第に呼吸が乱れると震える手で何かを触れた。途端、その何かがさらに流れ込んでくるのを感じた。

だが、流れてきたソレを身体が受け入れず、今度は身震いと共に外に吐き出された。更に見えない何かが身体中を巡って満たそうとするが、数秒するとまた外に出て行ってしまう。


そしてまた流れてくると吐き出される。

抵抗もなにも出来ない中、それが繰り返されていく。


どうすればいいのか分からず、ただ為すがままに自分でも理解できないソレを感じる。

……すると徐々に震えが消えていって慣れたのか。


「はぁ、はぁ……ン?」


俺の視界に無色透明な何かが映った。


「はぁ、はぁ……そうか、お前が」


見えた途端、言い知れない怒りが噴き出してきた。

驚きのことだ。非干渉で怠惰な人生を送ってきた影響か、怒りの沸点は低くない。


寧ろ感情が全然見えないと言われがちで、他の人から見たら喜んでいる時も落ち込んでいる時の顔も大差ないらしい。偶にただ座っているだけなのに生きているどうか尋ねられたこともあったけ……一体どんな風に見られたんだろう?


そんな俺が非常に珍しいことに怒りを覚える相手。

その何かを──魔力を睨む(・・・・・)

まるで未来永劫の宿敵のように。



「気持ち悪いんだ。───サッサト、キエロ(・・・・・・・)



今までに感じたことがない程の怒りのままに、心の奥底からその言葉を絞り出す。

何故こんなに怒りを覚えるのかも分からない中、俺は鋭い目でそいつを睨み付けた。


今後の簡単なあらすじと説明↓

魔法世界な現代で欠陥品のレッテルを貼られた龍崎(りゅうざき)(じん)

何もする気もなくただ怠惰に過ごしていた彼だったが、思い掛けない縁から異世界に行き、そこで常識外な神の魔法使いと存在自体が反則な魔王と出会ってしまう。(この部分については機会があれば、この物語の本編として出したいと思います)


話は地獄の修業(ダンジョン)を無事に? 乗り越えて現代へ帰還後。

家族や妹、幼馴染や知り合いと一悶着があった後。高校に入学してようやく慣れた頃だった。


複数の世界を巻き込んだソレが……。


彼の世界に亀裂を入れて空に現れた。



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