おまけ編 過去の記憶とのぞき魔との邂逅。
四回目ですが、……タイトル見ただけ分かる人もいると思いますが……、そうです。まだ本編にも出てない噂の変質者が出てきます!
四年前、大戦に参加することとなったジークは仲間達とと共に王都にやってきていた。……その時起きた、なんとも情けないSSランク冒険者との出会いの話です。
魔導杯を前日に迎えた夜。
ジークは夜街を歩いて暇を潰していた。
「ん?」
時間も適当に潰して宿に戻ろうしたジークの視界に、懐かしい店があった。
煙突が付いた巨大な建物。煙を吐き出しているのを見て、ジークは懐かしそうに笑みを浮かべる。
「大浴場の店舗かぁ。せっかくだから入るか?」
懐かしく思いながら興味を抱きジークは久しぶりに浴場に入ることにした。
……そして中に入る際、もう一つ懐かしい、あの日のことを思い出した。
「そういえば、ここで入った時か。……ギルさんに出会ったの」
当時はまだSSランクではなかったジークこと、シルバー・アイズが初めて王都にきた時であった。
僅か十歳でAランクとして活躍し大戦に参加した彼が、アティシアや協力を結んだギルドマスターのガイ、その他の仲間達と共に王都に到着した夜。皆でこの浴場に入った時に起きた事件である。
あの変態で女性に嫌われた冒険者。ギルドレット・ワーカスに出会ったのは──────────
◇◇◇
四年前の王都での夜。
「ふぅ〜〜さっぱりだ」
皆よりも先に大浴場から出て外で待つ少年のジーク─────────ではなく、Sランク冒険者のシルバー・アイズは白のローブを被って特徴的な銀の髪を隠していた。
大戦前はAランク冒険者であったジークだが、参加の旨をギルドマスターであるガイに伝えてすぐ、彼から拒否権なしのギルドマスター権限でSランクへと昇格されてしまったのだ。
ガイからの理由として前々から検討していたや、戦争に勝つために多少の融通を利かせるためなど、最後には早いか遅いかであり、いずれは昇格していたと告げたのだ。
「はぁ、脱ぎたい」
本来であれば魔法で変装しているので、こんな鬱陶しいローブを頭から被る必要などなない。
だが、自称ジークの真の姉ことアティシアから『目立つの禁止!!』と強く言われてしまい、半強制的にローブを付けさせられている。
それもこれも大戦に参加して、すぐにジークが派手に暴れたからである。……簡単に言うと魔法を加減になく使用した結果、起きた惨状である。といっても冒険者になった頃から既に目立ってはいたが、大戦に参加して聖国全土に広がりつつあったのだ。
彼がやってきたことは、おもに迫っていた敵の軍の殲滅や聖国内にあった敵の拠点の破壊。さらに魔道具で浮かび移動する空船の撃墜などなど。……気が付けば《銀眼の殲滅者》などと恐ろしく物騒な通り名まで付けられたほどに。
それと《銀眼の殲滅者》の通り名が広まった際、真っ先に反応したのがアティシアであり、酷く憤慨していたのが記憶に新しいジーク。……そのせいで必要以上の目立つ行動を制限させられてしまったが。
「ん?」
皆を待っている間、のんびり空を見上げていたジークであったが。……あとこれは追加だが、浴場に入る際、女湯に向かおうとしていた過保護な自称姉のアティシアに連れてかれそうになったが。
とそんなジークの顔にピクリと反応を示した。……すると次に四方に首を動かしては何かを探すように視野を広げる。
「……見られてる。けどオレじゃない」
どうも視線を感じたジークであったが、それが自分ではなくすぐ側の浴場であることに気付くと不思議そうに首を傾げる。
それは視線と一緒に感じ取れる、魔法使用によって漏れている魔力が原因だ。
「何かの魔法であるようだけど、どうして浴場なんかを覗いてるんだろう?」
本当に不思議そうな顔で首を傾げるジークだが、この時ふとある話を思い出した。……この街で有名な覗き魔冒険者の話である。
なんでも女性にフラれすぎて自棄になって、堂々とセクハラ行為をして──────毎回街全体からこってりと絞られ……それでも負けず…………
「冗談だと思ってたが、本当にいるのか?」
だとすれば覗いている場所は女湯であることに間違いはないだろうが。……ジークは少し考えてみて、中には仲間の女性やアティシアがいることを思い出す。
「う〜〜ん、ま、覗きはよくないしな」
特に考えることなくジークはその視線に向かって、自身のオリジナル魔眼魔法『透視眼』を発動。……視線を捕まえて自分の眼を相手に飛ばした。
◇◇◇
「ふふ〜〜ん。今日はどんな子がいるのかなぁ〜〜」
そびえる建つ建物の屋根の上で伏せて、ギルドレット・ワーカスはニヤニヤと自身の魔眼を飛ばす。
彼の魔眼は他の者の魔眼に比べて、多種多様に利用できる。まず死角のない広い視野。壁など透き通す眼。魔力探知や監視利用ができる待機の眼。
そしていくつもの眼を飛ばして同時に各所を見ることが可能なのだ。
戦いになれば恐ろしく厄介な能力である彼の魔眼であるが、彼は現在その有能な自分の眼を非常に残念な使い方で利用していた。
その為、最初の頃は色々と楽しい想いをしていたギルドレットであったが、有名になっていくにつれてこういったことをすると、即バレて折檻されるようになっていた。
……なんでも女性に対して覗こうとすれば、街に設置している特殊な対ギルドレット用の警報魔道具が発動。
すぐに街全体に知らせて全員で彼を捕まえて、第一王女筆頭に彼を折檻するのである。
このチームワークにギルドレットは何度も泣きをみている。……逆に言えば何度も痛い目にあってもチャレンジを続けているのだ。
そして今もすぐにバレてしまうリスクを冒してでも、ギルドレットは街でも有名な浴場を覗こうとしている。……散々なじられているのにまったく懲りてないのだ。
「…………」
無言なまま浴場を透視していくギルドレット。……そして視界に湯煙が立ち込めたあたりで、別の場所で対自分用に警報魔道具が発動したのが分かるが、彼は止まらない何故なら……
「お、なんだこの子!? スッゲェ美人だ!!」
残念なことにまだ湯煙と湯を透視できてない所為で顔しか見えてないが、とろんとした顔で湯船に浸かって青髪の女性がいたのだ。
少々若そうだが彼のストライクゾーンは幼女まで可であった為、なにも問題はなかった。……さらに彼女の周りにも麗しい女性達がいる。湯船に浸かる美女達がまるで宝の山に見える。
ゴクリ唾飲んで眼を離せずにいたギルドレット。……そして魔眼が機能していき、湯煙と湯が徐々に透けていく。
「おおおおおお!?」
……遂にその裸体が眼に入る喜びでイヤラシイ笑みとなる。
『すみません、ちょっといいですか?』
────────だからこそ、突如視界が暗転して、少年顔がダイレクトに映った途端、これでもかと嘆きの叫びを上げてみせた。
「なああああああああああああああああああああ!!!!」
地獄からの雄叫びにも聞こえる悲鳴だ。銀髪と銀眼の少年に覗かられたことよりも、男の顔を間近で見たような気持ちになってしまい、彼はこれでもかと嘆き喚いていた。
……声は聞こえなかったが、口の動きから何を話してるか分かってしまうギルドレット。
だからか───────
「あなたが命知らずな、覗き魔ですか?」
「なあああああああ!? どこから!?」
浴場の外で待機していた筈の少年の登場に、気付けず驚いてしまったのは。
これがジークことシルバー・アイズとギルドレット・ワーカスの最初の出会いであった。
◇◇◇
「……」
「……」
夜の王都内、月が照らされる中、建物の上で無言となる二人。
愕然として両手をついて俯くギルドレットと、変な人を見るように目で見おろすジーク。……気の所為か街中が騒がしくなっているが、ジークは悩みながらも口を開いた。
「……とりあえず、知り合いを覗くのは……不快なんでやめてもらえませんか?」
「グフっ!!」
困ったように口にするジークに対し、吐血を噴き出して前のめりに倒れるギルドレット。……バレてるのはなんとなく理解できていたし、自分がそういう風に見られてるのも分かるが、子供相手にバッサリ言われるとショックなものがあるのだ。
……あと、ジークの方は無事に敬語で話せれて良かったと内心安堵していた。修業の成果で『デスデス』ばかりの言葉だったのが、ある程度敬語で話せれるようになったのだ。
とそんなことよりも相手が先である。ジークは何故か情けなく倒れてしまっているギルドレットに近寄って声をかけてみた。
「大丈夫、ですか?」
「あ、ああ悪かったな」
彼に声をかけられ、なんとか起き上がるギルドレット。子供に注意を受けて心配されて色々と思うことがあるが、ギルドレットは一息つくと苦笑いで謝罪を述べる。
「ホント、ごめんな……?」
「いや、いいですけど。覗かれたのはオレではありませんから……」
なんとも微妙な空気となる場である。ジークもそれを感じているのか、どう返答すべきか悩んでしまう。……そんな中、やっと思考が落ち着いたのかギルドレットが思い出したように尋ね出す。
「そういえば君! さっきの視線どうやって割り込んだんだ!? ──────というかどうやって此処に!? それになんか変だぞその顔?」
今になって思い出すギルドレットがそう尋ねるが、さらに混乱した記憶がクリアになっていき次々と質問が口に出る。
「変装系の魔法か? 魔力のマスクでも付けてるみたいな……」
「あ、えーーと」
変装と言われてギクリとする。
まさか初対面の相手に見破られるとは思ってなかったジーク。……まさかといった様子で後退さる。
「よくよく考えると視線に気づいたのだってビックリだ。オレの眼は警報の魔道具でも、大半の物はすり抜けれるんだぞ? 気付かれたのだって、中立国のおっかねぇ《無双》の嬢ちゃん以来だ」
「……」
徐々に怪しげな目になって見てくるギルドレットから、そーと視線を逸らすジーク。……沈黙が重く、こんなことなら空間移動で来なければよかったと後悔し始める。
とそこへ大音量で声が飛んできた。
『コラああああああああ!! ギルドレットぉぉぉぉぉぉぉ!!!! どこにいるこの覗き魔ああああああ!!!!』
「ひっ!?」
激怒する女性の声がジークとギルドレットの耳に届く。……ジークはキョトンとしているが、ギルドレットの方は怯えた顔で竦んでいた。
『隠れても無駄だぞ!! 貴様が大浴場を覗こうとしたのは既に把握してる!! おとなしく出て来ぉぉぉおぉぉおいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!』
「いっ!!」
「……」
憤怒の叫びが静かな夜の街に木霊する。そんな中、ジークは呼ばれているであろう人物を対して、困ったように視線を送っている。……簡単にいうと、このままにしておいていいのかである。
(といってもオレに実害ある訳じゃないしな。この放送を聞く限りいつものことのようだし。このまま放置して帰るか……)
どのみち手強そうな相手である以上、このまま捕らえるは面倒になると思った。……俯いてビクビクしている男性から背を向けて立ち去ろうとする。……ところが
『シルバー!! 聞こえるか!?』
「ん、ガイ?」
手持ちの通信魔石から突然仲間から連絡が来た。
声の主はギルドマスターのガイであるが、なにやら焦ってる様子に訝しげとなるジーク。
「どうしたんですか? そんな焦って」
『お前は今、もしかして覗き魔と一緒に……』
「え、ええいますけど、覗かれてたんで注意をと思っ『……シルバー君』……て、ニアンさん?」
恐る恐るといった様子のガイに応えるジークであるが、途中で仲間の女性の一人、ニアンから割り込まれてしまう。
……今度はどうしたことか、薄ら寒い殺気のような色が声に含まれている気がする。
『そこに、いるの?』
「は、はい……居ります」
つい敬語になってビシッと敬礼してしまう。……別に兵士でもないのだが。
『シルバー君』
「はい……」
『─────連れて来なさい。今すぐに』
「……」
「そーー」
なんとなく予想はついていたが、ジーク達の会話を少なからず聞いていた、とうの覗き魔のギルドレットは、忍び足でジークから離れようとしている。……魔石から聞こえる小さな怒気に恐れて、逃げようとしているようだ。
しかし、ジークは同情的な苦笑を浮かべて、ただ余裕な口調で一言。
「了解」
通信石を仕舞うと逃走しようとしている、ギルドレットに向かって────────
「ちょっとよろしいですか?」
「な!?」
短距離移動の空間移動で接近した。……先回りされたことに驚いているギルドレットに、ジークは手を伸ばして捕まえようとする。
……がギルドレットは驚きながらも正気は保っているようで、素早く手を振って弾いてみせた。
「一緒について来てもらえませんかね?」
「ハハハハハ! 超断る!!」
開き直って笑顔で断るとギルドレットはダッシュでジークから離れ、屋根から屋根へと飛び移ろうとする。
「いやそれだと、こっちは困るんで」
全力で逃走する男性にジークは魔力を練っておいた手を振ってみせる。……すると手から飛び出すように無色魔力の鎖が。……魔法ではなく技によっての拘束だ。
「よっ」
「お」
しかし、伸びっていた無色の鎖はギルドレットを捕らえることなく、空を巻いて捕らえ損ねる。……鎖を巻かれそうになったところで、空中で体を捻らせてギルドレットが躱してみせたのだ。
そしてそのまま隣の屋根へと飛び移ってみせたのを、ジークは感心した様子で眺めていた。
「凄いな、空中であんなに動けるなんて……」
どうやら本当にただの覗き魔ではないようだ。認識を改めてジークも身体強化を使用して、追いかけるように屋根へと飛び移った。
「く、やっぱ魔法師か!」
「見ての通りで、す───────よ!」
「っ、っ」
返事と共に一瞬で魔力の渦に飲まれて、ギルドレットの背後へと飛び移るするジーク。
取り押さえようと手を伸ばすも背後に回ったジークに気付いて、手で弾くギルドレット。
……その際、互いに相手が只者ではないと瞬時に理解する。
(この少年、やっぱり強えぞ! しかもこれは空間系のオリジナルだ!)
(オレの短距離移動の奇襲を二度も躱すとはな……)
「「────っ!!」」
厄介だと感じ、なんとしてもジークから離れようとするギルドレットに対して、短距離移動の連続使用で捕らえようとするジーク。
回避に回るギルドレットを横から滑り込むように空間移動し、掴みかかるジーク。それを避けたと思えば、再び空間移動で上に飛んで上からジークが襲いかかる。
転がるようにギルドレットは回避するが、着地と共に空間移動して背後から羽交締めしようとするジークに察知して、飛び越えるように空中バク転をして躱してみせるギルドレット。
「シっ!」
「くっ!」
さすがに攻撃に回るわけにもいかないギルドレットを無視し、ジークが一歩的に攻めていっている。
連続でも空間移動は座標誤差を引き起こすリスクがあるので、合間には無力化のつもりで、技による魔弾を放ってみせるジーク。
だがギルドレットも素早く対応しみせ、放ってくる魔弾を魔力を纏った手で弾いみせて、隙を狙い短距離移動の範囲外まで退避しようとする。
……短距離移動は視界に入った場所なら移動可能であるが、可能距離にも限界あり、それを超えられると届かず連続でないと移動できないのだ。……ギルドレットはそれを短い攻防で見切り出しているのだ。
「ならば……─────縛」
このままでは埒があかないと判断し、回避された先にいる男に向けて手を伸ばして一言、詠唱を唱えてみせるジーク。
彼の詠唱と共に周囲を無数の鎖が飛び出した。……今度は無属性の無色だけではない。
「っのわ!! ウソだろう!?」
火の紅、水の藍、風の翡翠、雷の黄、土の琥珀、光の白光、闇の黒。
「基本属性全部とか、無茶苦茶だろう!?」
伸びしてくる八色の鎖に追われる中、必死に逃げようと屋根の上を駆けていくギルドレット。身体強化も使用して素早い動きで、屋根から屋根へと飛び移っていく。
「しかも『省略詠唱』でこれだけ……──────っいや、まさか『詠み唄』を使えんのか!?」
Sランク技法『詠み唄』
『一体化』や『融合』と並ぶ超がつく魔法使いが扱う、特殊技法の一つである。
『一体化』は魔法と肉体のシンクロして、肉体に影響を与える技法。
『融合』は魔法と魔法、属性と属性を合わせる技法。
そして『詠み唄』の技法は、一言で述べなら『詠唱』である。
……だが普通の詠唱とは全く違う。通常の詠唱のみで魔法を使用する際、大抵は『─────火よ』や『────障壁よ』など単純な魔法とも呼べないものを使用する際に使われている。
ジークが行ったのはこれらの例とは違い、一言『─────縛よ』と口にしただけで基本属性、すべての鎖を呼び出したのである。……これは通常の詠唱ではありえない現象である。
これが『詠み唄』。
単純な言霊、『詠唱』で複雑な魔法式や工程を一瞬で完了させて、魔法を発現させる技法。
真に使いこなすことになれば、最上級魔法ですら一言、詠唱を唱えるだけで発現させてしまう。────────三つの技法の中でも最強技法と呼ばれ、魔法使いのなら誰もが目指している技法であるのだ。
ちなみにジークもまだ上級系統の魔法を『詠み唄』のみで発現させることはできず、魔力をふんだんに使って初級程度の魔法を発動させている。
「あんまり加減できないけど、あなたぐらいなら大丈夫でしょう……たぶん」
「すっごい不安になるな、最後の一言は!」
縛られそうになりながらも、先読みして躱していくギルドレット。ギョッと顔で必死に逃げているが、ジークの鎖が徐々に彼の逃げ場を封じていく。
「逃すとニアンさんに怒られるので、一気に行きます!」
そして鎖で先回し完全に躱せれないと、確信を得た瞬間。
ジークは手を向けて魔力を込めていく。……ギルドレットの眼にはなにか異様なオーラが満ち溢れているように見えて、背筋に悪寒が走ってしまった。
「お、おい、なんか分からないんだが、ヤバくないかその魔力!?」
「大丈夫ですよ、たぶん──────────滅びよ」
「なんか物騒なことを言っ───────かあああああーーー!?」
人様の屋根の上で眩い八色の巨大な光の球体が何かを襲ってみせた。……ちなみにこの騒動によって、街の衛兵や騎士達がクーデターなのではと慌て出して、結果的に騎士である第一王女と第一王子と出会い。
そして繋がりで第二王女とも知り合うことなるのだが……それはまた別の話である。
あと追記しておくとこの騒動の中心であったギルドレット・ワーカスは街全体を巻き込むほどの長い逃走の末、ジークに捕まってしまい騎士である第一王女から折檻を食らい、最後には街の広場で十字架の柱に吊るされて胸元に『私は覗き魔です』という看板を持たされてしまう刑を受けることとなる。
……あとジークもやり過ぎてしまったということで、お姉さんのアティシアから正座でお説教と受けることとなってしまうのだった。
「もう、だから一緒に入れば良かったんだよ! ほっとくと何するか、分かんないんだから!」
「それは絶対違うと思うんだが……」
「口答えしない! あと正座を崩さない!」
「……はい」
アティシアからのお説教は寝るまで続いた。……ちなみにこの日は寝るのが一緒であったのが、ジークの苦い記憶であった。
のぞき魔はしっかり裁かれました。……ついでにジークも裁かれました(お陰で悶々となって寝不足に)




