マイナンバープラス1
(荒廃した場所)
??(…)
78356291「…?」
??(…ち!)
78356291「…?」
??(…いち!)
45836251「こらー! 早くおきないと遅刻するわよ!」
(自宅)
78356291「うわ! びっくりした!」
45836251「なによ、ひとの顔をみて失礼ね」
78356291「いや、夢をみていたんだ…」
78356291(マイナンバー制が施行されて一年。マイナンバーは人々の日常に定着した。
おれのマイナンバーは78356291。ごくふつうの高校生だ)
45836251「?」
78356291(こいつは幼なじみの45836251。いかにも物語の本筋には関わらない主人公の幼なじみ、
「日常の象徴」って感じのマイナンバーだ。やや暴力的なのがたまにきずだが…)
45836251「なにか失礼なことを考えているんじゃないでしょうね?」
78356291(このようにいかにも幼なじみらしい反応をしてくれる)
78356290「お兄ちゃん、いってらっしゃーい!」
(登校中)
78356291「……」(テクテク)
00000001「……」
78356291「!?」
45836251「どうしたの、急に?」
78356291「すまん! さきにいっててくれ!」(ダッ)
78356291「はあはあ… このへんで不思議な雰囲気の少女をみたと思ったんだが…」
00000001「……」
78356291「!」(クルッ)
00000001「あなた、死ぬわよ…」
78356291「どういう意味だ!」
78356291「…また消えた」
(学校)
33856954「へへっ、78356291。きょうもいい出物をもってきたぜ」
78356291(こいつは33856954。この高度情報化社会にあって、
いまだにエロ本をアイデンティティにするいかにもな悪友だ)
84829168「ふっ… 幼女の魅力に気づかない愚かものどもめ」
78356291(こいつは84829168。見てのとおりのイケメンだが、ロリコンなのが唯一の欠点だ)
(窓際の席)
63620935「…であるからして、XにYを代入すると」
78356291「……」(ボーッ)
78356291「!」
78356291(いま一瞬、校庭に朝の少女がみえた気がしたが、気のせいか…)
(夜、自宅)
78356291「コンビニいってくる!」
78356290「遅くならないでね」
(路上)
??「…!」(激しい物音)
78356291「…なんだ?」
(神社)
00000001「はーっ、はーっ…」
12345678「ふふふ。粘るではないか、レディ」
78356291「な、なんだこれは!?」
12345678「おや、思わぬ邪魔がはいったようだ」
00000001「逃げなさい!」
78356291「…」(バッ)
00000001「なにを!」
78356291「だって、きみは女の子じゃないか! 女の子に戦わせられない!」
12345678「ふふ。勇ましい少年だ。…だが」
78356291「ぐわーっ!」
78356291(おれ、こんなところで死ぬのか…)
(ドクン)
78356291(…?)
(ドクン!)
78356291(…!)
(ドクン!)
F(78356291)=1「な、なんだ…?」
12345678「ま、まさか貴様は伝説の…」
00000001「バカ男、『カウンティング』よ!」
F(78356291)=1「よ、よくわからないが。…うおおお!」
12345678「うわー!」
78356291「終わった、のか…」
(翌朝、自宅)
78356291「ひどい夢をみた気がする…」
00000001「おはよう、バカ男」
78356291「うわああ!」
00000001「いい忘れてたけど、あんた一回死んでるから。生きかえるためにあたしと戦うのよ」
78356291「ええ!?」
00000001「それから、きょうからあたしもあんたといっしょに住むから」
78356291「なんだってー!? …ま、まずい」
45836251「…」
78356291「…」
00000001「…」
45836251「この、スケベー!」
78356291「やっぱりこうなるのー!?」
(次話)
99999999「ひゃはは、ガキがいきがりやがって。どうして見ず知らずの女のために戦うんだよ!」
99999999「大人しく死んどけや」(ブンッ!)
78356291(…たしかに、おれはなにも彼女のことを知らない。過去になにがあったかも)
78356291(…だけど)
F(78356291)=1「それでも、彼女を守ると誓ったんだ!」
F(78356291)=1「うおおお!」
9999999「ぐわー!」
00000001「ありがとう…」
78356291(いまはこの笑顔をみられれば、それで…)
00000001「いまのやつは『エイツ』。あいつは99999999。番号が若くなるほど強くなるわ」
78356291「なっ… こいつで最弱だと!?」
(どこかの部屋)
66666666「あ、あの。9999999がやられたようです」
44444444「あーら、あのバカやられちゃったの」
88888888「あいつったら口ほどにもないんだから」
33333333「きゃはは! ださーい!」
55555555「ふん! ふん! 仇はおれがとってやる!」
22222222「おお、こわいこわい。ぼくは遠慮させてもらいますわ」
44444444「11111111、あんたはなにかいうことはないの?」
11111111「……」
44444444「あいかわらず無口なんだから…」
77777777「遅れてすみませーん! なんのはなしですか?」
一同「……」
77777777「え? え?」
(橋上)
88888888「ほらほら、鬼さんこっちこっち」
F(78356291)=1「くっ、ちょこまかと…」
0000001「『カウンティング』!」
88888888「きゃっ」
F(78356291)=1「これで、どうだー!」(ドカーン!)
88888888「こ、このあたしがこんなアホそーな男にやられるなんて…」
78356291「さあ、連中のことをはなしてもらおうか!」
88888888「あんた、ルックスはそこそこね。でも服のセンスはいまいち。
服をコーディネートしてあげるから、あんた、あたしの彼氏になりなさい!」(ぎゅっ)
78356291「え?」(ドキドキ)
00000001「なっ… そんなのだめに決まってるでしょ!」
88888888「べーっ」
00000001「こらー! あんたもなにニヤニヤしてるのよー!」(ボカッ)
78356291「どうしてこうなるのー!?」
(次話)
77777777「おれの能力は『すべての偶然がおれに都合よく働く』! ラッキー7だ!」
78356291「…」
00000001「…」
77777777「しまったー! 自分でしゃべっちまったー!」
F(78356291)=1「せいっ!」
77777777「うわー!」
78356291「帰るか…」
00000001「そうね」
77777777「…」
77777777「…は!」
77777777「ラッキーのおかげで生きのこったぜ! もうこんな災難はこりごりだ!
逃げろー!」
(次話)
66666666「あ、あの。痛くしたらごめんなさい!」
78356291(おどおどした目隠れキャラ。当然のように巨乳だ…)
F(78356291)=1「こいつ、意外と強い!」
66666666「きゃっ」
F(78356291)=1「戦いへの慣れが勝敗を分けたな…」
78356291「へえ、素顔はけっこうかわいいじゃないか」(パサッ)
66666666「…」(ドキドキ)
00000001「なにナンパしてんのよー!」(ボカッ)
78356291「戦闘よりこっちの傷のほうがおおきいー!?」
66666666「55555555から上はこれまでとは別格です。どうかお気をつけて…」
(クリスマス)
78356291「ほら、クリスマスプレゼント。このマスコットをチラチラみてただろ?」
00000001「ありがとう…」(照れる)
00000001「ねえ、あんたはどうしてわたしを特別あつかいしないの?」
78356291「なにいってるんだ? 00000001は0000001だろ?」
00000001「好き…」
78356291「え? なんだって?」
00000001「このバカ男ー!」(ボカッ)
(更地)
55555555「ふん! ふん! おれはこれまでのやつらとはちがうぞ!
なぜなら鍛え方がちがうからな!」
55555555「男なら拳と拳で勝負だ!」
F(78356291)=1「うおおおお!」
55555555「はああああ!」(ドカーン!)
55555555「そんな… おれがまちがっていたというのか?」
55555555「修行のやりなおしだな…」
(どこかの部屋)
44444444「あーら、あの筋肉バカやられちゃったのねえ。あのボウズ、なかなかやるじゃない」
33333333「ねえ、あたし、新しいオモチャがほしい! 古いの壊れちゃったの!」
22222222「ほんなら、33333333はんにおまかせしましょか。ぼくは頭脳労働が専門やさかい」
33333333「じゃあ、いってきまーす! きゃはは!」
44444444「ねえ、なんだか興奮してきちゃった。いいことしない?」
11111111「…」
44444444「ふん… つまらない男」
(戦闘)
F(78356291)=1「うおおおお!」
33333333「きゃっ」
(回想)
33333333「お父さーん! お母さーん! えーん!」
(回想終了)
78356291「頼む、こいつを助けてやってくれ!」
00000001「なにいってるの!? こいつは殺人鬼なのよ!」
78356291「こいつはただ、おびえていただけなんだ!」
33333333「お兄ちゃん…」
(どこかの部屋)
22222222「なあ、11111111はん」
11111111「…?」
(グサッ!)
11111111「…」(バタリ)
22222222「ぼくは策士やさかい。策を講じさせてもらいますわ」
(次話)
44444444「助けて… あいつが…!」
78356291「みんな急げ!」
78356291「な、なんだこれは…」
00000000「…ふふ。ようこそ。ぼくの夜会に」(月を背景にしている)
22222222「…」(※死体)
11111111「…」(※死体)
00000001「あ、あいつはまさか00000000…! そんな、存在しないはずじゃ…!」
00000001「みんな逃げてー!」
田中和美「みなさん大変です!」
78356291「いまそれどころじゃ… 田中和美? だれだ?」
田中和美「66666666です! マイナンバーの個人情報が流出して、
それにともないマイナンバー制が廃止されました!」
ローレン・コマネチ「いやああ!」
山口康一「44444444… おまえ、そんな恥ずかしい名前だったのか」
(※外国籍の方も住民票をもっていればマイナンバーは発行されます)
高橋苺苺苺(※まりなる)「…」
山口康一「幼女だけあって今風の名前だな」
中村ジュリエッ太「…」(※死体)
佐藤敏夫「…」(※死体)
田中宏「ぼくの夜会にようこそ」
山口康一「田中が二人目…」
山口康一(そういえばいつかの夢)
山口昌美「…ち!」
山口昌美「こういち!」
山口康一(母さんがおれを呼ぶ夢だったな)
山口康一「帰るか…」
菅珠代「そうね」