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記憶、出会い

気がつくと俺は、牢屋の中にいた・・・

タオル一枚が横になる裸の俺に掛けられていた


「すいませーん、誰かいませんか?誰かー」


叫ぶ俺に誰も反応してくれなかった、外に人の気配はするのは確かなんだけど


暫くすると、何人かの人の気配が近づいてきた

目を凝らしてみると、1人はあの森の泉で水浴びをしていた美女

残りは、白髪頭のおじいちゃんが1人と若い武器を持った男が2人の計4人


「おぬしが侵入者か?どこぞの密偵だ!」


おじいちゃんが話しかけてきた


「いやいや、道に迷ってしまっただけなんです所でここは何処なんですか?」


俺は知りたい事が山ほどある、分からない事がと言ったほうがいいのかもしれないが・・・


「しらを切るつもりか!!裸で私を襲おうとしたくせに!!」


美女が堪えかねて怒り出す。裸は事実だが、襲おうとはとんだ言いがかりだった


「いやいや、水を飲んでたらたまたま貴方が目の前に・・・知らなかったんです!!」


「知らない事などあるか!!ここはエルフ族のテリトリーだ

エルフを捕まえにだとかいやらしい気持ちで来たのだろう!!」


「エ、エルフ!!!なんてこった気付かなかった

なるほどこれがエルフ美女なのか!!そういや男共も美男子が揃ってるな」


「何を今更!!すぐに殺してやる!!」


顔を真っ赤にして叫ぶ美女エルフ、うむ可愛いなぁ

しかし、男エルフもイケメンだ羨ましい

あの顔で元の世界に戻れたら俺は、一生ヒモ生活できる自信があるね



「む!オルクとオルドを見て興奮しておるのか!!

変態め!!どっちでもいけると言うのか!!直ぐに殺してやる!!!」


誤解を与えてしまった・・・しかも一番ダメな方向に・・・


「ち、ちがうんだ」


「何が違うというんだこの変態め!!お前の下の方も

オルクとオルドを見て膨らんでおるではないか!!」


「それは断じてちがーう。これはお前の水浴びを見たのを思い出しているんだ」


もう死んでもいい、でもゲイだと思われて殺される事は何としても防がねばならない

それが俺と言う男の美学だ!!


「わ、わわ、わわわたしの・・・わわわああああーーー」


美女エルフは顔を真っ赤にして叫び声を上げながらどこかえ行ってしまった

なんとか命だけは繋げたのかもしれない


「お主、なんと勇敢なのだ」


なぜか、2人のエルフに誉められた?


話を聞くと、さっきの美女エルフは村長の娘で名をヤチカ

このエルフの里で一番強くそして乱暴者なのだ


エルフ一の美人なのだが自分よりも弱い者に興味は無い

何人ものエルフの戦士達が求婚をし挑んだが

あえなく散っていった

しかし、今回俺がした?ように

沐浴を覗き、あまつさえも本人にその事で興奮した等の類を言うという事は

俺の者になれ、俺はこの命を掛けてお前を奪いに行くぞと言う宣誓であり

何人たりともそれを断る事ができない儀式なのだ

女の方がイヤならば殺してでもこの儀式を阻止せねばならない

一騎打ちをし、男は丸腰で女は剣を持つ

女の剣を叩き落せれば結婚の承諾となるのだ


今までこの儀式で死人は出ていないと言うが

それは、本人同士は愛し合っているが親が難癖を付けた時の

出来レースみたいな物が多かったためでもある


「「今回は死人が出そうだな」」


声が揃った2人、お前もそう思ってたか。わははと遠のく2人

他人事だと思って言いたい放題言いやがって


「あーどうしよう。俺は明日死んでしまうのか?

美女に殺されるならそれもアリなのかもしれないが・・・」


そういや、俺がここで死んだら魔王はどうなるんだ?

別の俺みたいな奴をまたこの世界に連れてくればいいだけか・・・

なんかそれも悲しいな


一騎打ちたって剣道位しかした事ないし

篭手狙い?武器も無しに?・・・とりあえず寝るか



翌日、2人のエルフが俺を呼びに来た


「舞台は整ったぞ、ほれこれを穿け」


一枚のパンツを手渡せられる。


「え?パンツだけ?」


「お前に合いそうな服が無くてな・・・エルフ用の物しかなくて」


いや、エルフ用のものでもいいですよ?今なら女性用のでも

パンツ一枚よりマシなら何でもいいよ・・・


2人に連れられエルフの村の広場と思われる場所に着いた


目の前には、怒りで我を失った一人の美女エルフが・・・

般若のような怒り顔、恐ろしいあんな美女があんな形相に

ギャップ萌えだな


「それでは始める!」


村長と呼ばれた高齢のエルフが合図を出す


「はじめ!」


美女エルフは物凄い勢いで迫り、体重を乗せた鋭い突きを見舞う

俺はもう、死を予感し腰が抜けた


まさかいきなりしゃがみ込むとは思ってもいなかった美女エルフは

ターゲットを失いそのまま突っ込んできた


丁度俺の顔が、美女の大事な部分えと顔を埋めてしまう

美女エルフは悲鳴をなんとか押さえ剣で上から突き刺そうとするが

俺は、腰が抜けてしまったのが少し恥ずかしくなり

何とか立とうと手を上に伸ばすとそこには

小さいながらも小振りな持ち手があった

その2つの持ち手を両手で掴み、抜けた腰をなんとか持ち上げる


カランカラン、何か金属の音がした

エルフの手からは剣が落ち、顔は真っ赤になり


「う、うううう、ううううあああーーーーー」


泣きながらどこかへ走っていってしまった・・・

こうして俺の命はなんとかつなぎとめる事ができたのであった

運がよかった。ほんとそう思う


「剣を手放したため、今回の儀式は成立とする」


よく分からんがそう声が聞こえたが

腰が抜けたままなので、正直それどころではないのだ


俺はまた2人のエルフに抱えられ牢屋へと戻された


「よく勝てたな!いやーすごかったぞ」


「まさか突きをかわしてタックルを決めるなんてな!」


「その後も両手を封じるなんてなぁ、あれはなんて技なんだ?」


そんなよー分からん質問が続いた、俺は命をつなぐ事ができただけで十分です


「明日には出れるから、今晩は我慢してくれ」


そういい残すと2人は去っていった

あ、ちょっとまって!!毛布頂戴よー


「ヘックシ」


今日もまた寒い夜を迎えるのか・・・






「おい、へんたい」


なにやら俺を呼ぶ声がする、てか変態って・・・悲しいなぁ


「なんだ?誰だ俺は眠たいんだ」


寝ぼけながら声に返す


「お前はここに何しに来たんだ」


何しに来ただと?無理やり連れてこられたんだ望んだ分けじゃない


バカが俺をこの世界に送り込みやがたんだよ、分かったらもう寝させろ」


あのバカ神の事を思い出すと、あーイライラする


「何しに連れてこられたんだ?」


あ?まだ質問が続くのか?チクショー眠たいよー


「魔王を倒すんだとよ、それ以外はしらねぇよ」


あー眠たいよーノンレム睡眠時に無理やり起こされた位眠たい


「そうか、本当に魔王を倒せると思っているのか?」


あーなんだよさっきから!!


「倒せるかだと?倒すんだよ!それ以外に答えはねぇよ」


声は聞こえなくなった、これでやっと眠る事ができるだろう






朝も空けぬ内に起こされた、誰かと思えば村長だ

どうやら、娘との儀式の結果が気に食わないようだ

成立じゃとか言ってた気もするけど、あれは建前だったようだな

俺が逃げ出して、娘との結婚は白紙にするつもりなんだろう

俺は知ったこっちゃない、殺されずに済めば万々歳なのだ


服と食料を持たされ森を追い出された、殺されはしないらしい

一応街がある方向も教えてもらえたのでよしとしよう。


3時間程歩くと外壁が見えた、あれが教えてもらった街なのだろう

名前は教えて貰えなかったが、街に着けば分かる事だ

とうとう付いたが、どうやら身分書かお金が必要との事

あれ?俺詰んだ?


困っていると、後ろから声が聞こえた


「コイツは私の連れだ、入場税2人分だ」


振り向くと、見知った美女エルフが立っていた

無事に門を潜る事が出来た


さてこれからどうしようかな?


「おい、向こうに冒険者ギルドがある

そこに登録して、経験を積むんだ。そして魔王を倒すぞ」


そうだ、俺の道は決まった!!

とりあえず、この美女エルフの尻に敷かれよう

牢屋に魅入られる主人公

へん、臭い飯は食べなれたもんさ

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