四丁目の廃墟2
山田のクラスは隣の3組だ。
「すごかったよね~」
「だよね~」
「なんて言うんだろ、本物?って感じだったね」
「最近はあんなおもちゃがあるのかぁ。科学は日々進歩してるってことか~」
通りすがる女子が何か言っている。
本物?おもちゃ?なんのことだ?
そうこう考えているうちに山田のクラスに着いた。
「山田はおるかー」
と正明が呼ぶ。いつの時代だよ。
「ん、夏野か。なんだ?」
「例の写真、夕に見せてやってくれねーか?」
正明がそういうと山田が例の写真とやらを出した。
例の写真と霊の写真・・・。
い~センスだ。
などとくだらないことを思いながらも写真に向き合った。
「!?」
なんだ。なんだこれ。
なんていうか・・・、
普通だな!!
ただの写真にしか見えない。
「なんだよこれ、何もおかしなとこねーよ?」
「まぁみてろって」
山田が言うと俺はもう一度見直した。
「ん?なんか右の柱のとこになんかうかんできたぞ!?」
するとその写真の中にうかんだそれはだんだんとはっきり見えてきた。
「うわっ!」
俺はあまりにも衝撃を受けてその写真を投げた。
なんなんだよあれ。
魔法新聞か何かか?
科学の進歩すげー!
そこには少女?らしきモノが写っていた。
あまりにも非科学的なことに戸惑いながら写真を拾いもう一度見てみる。
「あ・・れ?いない・・・」
「なんか一回見ると消えるらしいんだ」
正明が説明する。
遅いってその説明。
びっくりしてちゃんと見れなかったじゃねーか。
「なんなんだよこのおもちゃ」
「おもちゃじゃねーよ」
「おもちゃじゃなかったらなんなんだよ」
「心霊写真」
「・・・くだらねぇ」
なんだよ心霊写真って。
ただのおもちゃじゃねーか。
けどおもちゃにしてはやけにリアルだったような・・・。
―キーンコーンカーンコーン―
「教室にもどるか」
「あ・・・あぁ」
俺は山田のクラスを後にした。