第3話
一回投稿したのに反映されてない様なので再度投稿…。もし二回投稿されてたらゴメンナサイ。
治療が終わり、自分が何者か解ると急にお腹が空いてきた。しかし、ちょっと待てよ…、ここで食事を催促する事も出来るだろうが、満腹になると多分眠くなるだろう。だが他人の城に泊まれるものなの?そもそも僕が住んでる城は、どの辺りでどれ位離れてるのかも解らない…。ここは落馬した時に頭を打って、若干記憶があやふやな設定でいった方が良いかな?うーん、それが楽そうだな、じゃあ厳つい人に聞いてみるか!そう思い周りを伺っていると、何やら騒がしい足音が聞こえてきた。
『喜六郎!喜六郎は何処だ!!傷は大丈夫かっ!!!』
かなり身分が高そうな若侍が、ドタドタと足を踏み鳴らし近づいてきた。喜六郎って呼び捨てるくらいだから、身内の誰かだろうな………。はっ!も、もしや、これが信長なのか?
何と言おうか思案してると、無事な方の肩を叩かれ『思ったより大丈夫そうだな、喜六郎!心配したぞ』と、ほっとした表情で言われたので、こっちも思わず「色々とご心配をお掛けしまして、申し訳ありません、御館様」
……はっ!御館様って言っちゃったよ!あってるのかな?
『ほほぅ、儂を御館様と呼ぶか…、喜六郎。だが、まだ少し早いな』
間違って呼んだのに、妙に嬉しそうだな…、じゃあ誰なんだろう?
「え〜っと、どちらさんでしょう?」
『ハハハッ!儂か?儂は勘十郎信行じゃ!お前の兄じゃ!』
おおっ、こいつが信長に対して謀叛を起こす、あの有名な弟か……、思ったよりも精悍だな。イメージとしては礼儀正しく、優柔不断?なナヨナヨした感じだったけど、さすが戦国の世に生きる武将、想像以上に野心家っぽいな。ちょっと近寄りがたいぞ……。いや…、待てよ…。むしろその方が良いのか?下手に近寄ると、色々と捲き込まれ兼ねないからな、でもさっきの感じだと仲良さそうなんだよなぁ…。それに一番に心配して駆けつけて来てくれたんだよね、しかも兄だし…。ひょっとしたら同じ城に住んでたりして…。こりゃヤバいのか!
「兄上、怪我した時にちょっと頭を打ちまして記憶が混同してるのですが、私の住んでる城って何処になるのですか?」
『儂と同じ城じゃ、末盛城じゃよ』
うわ〜、思った通りだよ…。悪い予感って良く当たるなぁ…。ったく、このまま行くと供に謀叛を起こして、あっさり第二の人生も幕を降ろしそうだけど、とにかくお腹が空いたから何か食べたい!「兄上!色々あるとは思いますが、城に帰りましょうよ!ゆっくりしたいし、とにもかくにも、お腹が空きました!!」
『ぷっ、はははっ!そうかそうか、そういう事なら城でゆっくり語り明かそうぞ!!』そう言って信行は周りを気にせず、僕を引っ張って行った。
何だか余計に仲良くなった気がしないでもないが、とりあえず生き残る道を探さないとな…、と思いつつ、食事を楽しみに兄の後を付いていく僕だった……。
史実では、秀孝は弓矢で落命し信次が逐電して、これに怒った信行が、信次が治めていた守山城下をすぐさま焼き討ちしてしまいます。信長も急いで駆けつけますが勝手に焼き討ちした信行には何も言っていません。この事から信行と同じ城に住んでいた、つまりは信行と同じ母親、ひいては信長とも同腹の兄弟だとしました。だってその方が妄想しやすいですからね。