第八話ゾンビ襲来下
-グランザム船内ブリッジ-
「グロウ船長ソウル第八惑星に着きました。」
ソウル第八惑星は化学都市で薬などを開発していた。
「よし、無線で状況を確認しろ。」
「イエッサー。」
オペレーターは周波数を変えた。
「こちらグランザム船団、救援に来た。応答せよ。
繰り返す、応答せよ」
かすかな沈黙のあと声が聞こえてきた。
『こちら、ソウル第八惑星治安部隊。
救援感謝する。』
「こちらは今の状況を知りたい。
状況報告願う。」
『了解。
現在、我々治安部隊は市民のゾンビの軍勢と戦っており
圧倒的な数により少しずつおされております。」
【ゾンビ】という単語でグランザムのブリッジがどよめいた。
「大体把握できた。
なにを支援して欲しい?」
『輸送船と兵士が欲しい。
とある化学者を助けたいのだが、今の戦力では無理だ。
急いで欲しい。』
「了解。できるだけ早く手配する。オーバー。」
そこで通信が切れた。
「どうしますか?艦長。」
皆の視線がグロウ艦長に集中する。
「どうしろも何も助ける以外ない。
輸送船を手配し、艦隊の10分の1の兵士を降下させろ。」
「ラジャー。」
ゾンビという単語が頭にちらつくがそれ以外選択肢がなかった。
-格納庫区画-
「よし、聞け野郎共。
今から惑星に降下する。
しっかりと装備の確認しておけ。
それとこの作戦ODSTも参加する。」
ODSTとは【軌道垂直降下強襲特殊部隊】の略である。
彼らは幼少時から厳しい訓練を受けていてどんな厳しい状況下でも戦う。
彼らはポッドの中に入って射出されて降下する。
ポッドの中は普通のトイレの部屋と同じ位の大きさである。
「ODSTと言えば海兵隊の精鋭じゃないか。」
「そいつらと共同作戦とはな、へま出来ねえな。」
と周りがざわめいていた。
「よし、早く準備しろ。時間が来たら待たず降下しちまうぞ。
時間は待ってはくれない。」
その言葉で急いで支度を皆がし始めた。
俺は、昔からリュックではなくダッフルバックで訓練を受けていた。なので
『貴様、そんな物で戦場で動けるか!』
としばしば言われていた。
ダッフルバックは持ちにくい代わりに所持品が多く持てるという利点があった。
ダッフルバックには今、携帯スコップ、携帯弾倉、携帯食糧、グレネード、臨時ヘルメット、水筒、ステルス迷彩服、医療品、多彩機能付ヘルメット、ライト、電池、拳銃二丁、戦場用携帯電話、などである。
ここで説明、多彩機能付ヘルメットはガスマスクに変化する事ができ,味方がヘルメットを着てる場合リアルタイムでその現場を見る事が出来る。あと、レーダーと音響センサー、暗視ゴーグルも付いている。
戦場用携帯電話は壊れにくく、敵に電波感知されにくい電話機である。
普通の海兵隊よりも一回り大きいトリスはパワードスーツも着ているので興味津々か奇異の目で見られる。
「よし、海兵隊【カラス】に乗れ。」
【カラス】とは兵士大型輸送機である。
これは素早く戦地に輸送するためのスピードを重視した輸送機であって耐久性はあまり安心できない。
「ODSTのポッド射出後、同時に【カラス】を発進させる。
さあ、早く乗れ。もたもたするな。」
俺トリスは最後に乗って扉を閉めた。
この輸送機は第一の先発から三番目の輸送機である。
「こちら、第三【カラス】機長、本日は
海兵隊航空をご利用し有難うございます。
今からの航路はソウル惑星、シートベルト着用お願い致します。御覧下さい。こちらが、そのソウル惑星の状況です。
動画には二人の一般人とその前に兵士一人武器を持っており死体が転がっていて全て頭を撃たれている。
その前に生きる死体【ゾンビ】が口から血を流して大勢いた。
手がない奴や内臓や心臓を垂れ流した奴もいた。
ダララララ
銃から閃光がでて、ゾンビはバタバタ再び死に帰っていく。
だがいくら兵士で銃を持っていても大量に湧き出ているゾンビに勝てる訳がなく、撃っても撃ってもどんどん追い込まれていく。だが、兵士は最後まで自分の職務を捨てなかった。
市民二人を柵の上に登らせた。
登らせた後、持っている手榴弾のピンを全て引いてゾンビ達に突っ込んで行き爆発とともにゾンビ達と一緒に消えて行った。
という動画が流れていた。
全ての【カラス】のマイクから、
『全ての兵士に告ぐ。今の動画を見ただろう。
今回の敵は紛れもなくゾンビだ。ヘッドショットして殺せ。
とにかく噛まれたらあいつらと同じ仲間になるからな。通信終了。』
マイクから静寂が流れた。
「よし、【カラス】出発する。」
ボンボン
ODSTのポッドがどんどん射出する。
最後のポッドが出た後に【カラス】が順番に出て行った。
数秒でグランザムの戦艦が遠くにあるのが分かった。
「大気圏突入開始5秒前、5、4、3、2、1、0
衝撃に備えろ!」
あまりにも揺れるので壊れると思ってしまった。
そして、気付いた時には地上が見えていた。