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ジェイ

「ここが裏NPO法人社会的ダスト更生プロジェクトか。」

彼は会社に入って唖然する。

「新入社員は集まったか?」

ゲーム推進部では初日から任務には入らない。

「新入社員を全員紹介する。」

当時の採用担当イザベラ・キャンベラは入社の様子を撮影していた。

「カミーユ・ベンシャトリ、サミュエル・マルティネス、フエン・ミラー、ジェイ・トンプソン、ティム・ウィルソン、クリスティーナ・ブラウン、リ・ビーリェン、ケイジ・パーカー、クラウス・ノイマン。以上10名です。私の名前は面接の時に話したから割愛するわ。早速10期生の教育担当を発表するわ。」

彼らの上司となる社員がどんどん入って来た。

「まずはカミーユ・ベンシャトリには5期生アミール・アッバースが担当する。」

「よろしく。」

カミーユとアミールは握手をした。

「サミュエル・マルティネスには4期生チョウ・ジエンが担当する。」

「よろしく。」

2人は握手をした。

「フエン・ミラーには6期生ジェニファー・バターフィールドが担当する。」

「あんたがフエンね。よろしく。」

「よろしく。」

2人は握手をした。

「ジェイ・トンプソンはこの私イザベラ・キャンベラが担当するわ。そしてティム・ウィルソンには7期生エヴァ・ストーンが担当する。」

「はじめて持つ直属の部下はあなたね。よろしく、ティム。」

「よろしく。」

「リー・ビーリェンには8期生ダニエル・デルペシュが担当するわ。」

「君の名前は?ビーリャン?俺はフランスから来たダニエルだ。」

「ビーリェンよ。フランス語なら少し分かるわ。」

「クラウス・ノイマンには7期生エミリー・スミスが担当するわ。」

「よろしく。」

「よろしく。」

2人は握手をした。

「最後にケイジ・パーカーとクリスティーナ・ブラウンよ。担当は8期生ベン・ハワードよ。」

「クリスティーナ、こんなに綺麗でスタイルが良いとは知らなかった。今夜俺と2人でバーで飲まないか?」

「誰があんた何かと飲むのよ!」

クリスティーナはベンをボコボコにした。

「クリスティーナ、やめろ!」

周りの社員がクリスティーナを止める。

「クリスティーナ、暴力は駄目よ。あんたの上司と戦いを挑むなら戦闘許可がおりてから戦いなさい。」

「そう言う問題か?」

ケイジはどうでも良さそうな感じだった。

「クリスティーナ、あんた気がすんだ?初日から問題起こされちゃ困るの。」

「困ってるのは私よ。ナンパ男は拳でボコボコよ。」

「ベンも早速新人を口説かないの。2人とも何を考えてるの!今は仕事の時間よ。」

イザベラは誰よりも仕事熱心だ。一言でまとめるならきっちりしてるタイプだ。

「何でベンだけ新人2人担当するんだ?」ダニエルが言った。

「適性を見て考えたのよ。採用担当のやり方が気に食わないならあなたも採用担当になれるように出世することね。」

「そうか。それならなって見せる。俺ならいつでも簡単になれるからな。」

「ダニエル、お前の言うこと見栄はってるにしか見えないぞ。」

この時ダニエルはベンとケイジが先に採用担当として出世することは知らなかった。


ジェイとイザベラは一緒に研修をした。

「他にもまだ雷を出せてない新入社員がいるようだけど、あんたもその1人なんて残念ね。」

「嫌味か?」

「そんなつもりないわ。私はただ教育担当ととしてあんたを成長させることだけ考えてる。私の成果につながるの。」

「まずは手にエネルギーを集中させて。自分自身の心を手に込めるのよ。」

「どう言う理屈なんだ?」

「精神エネルギーを一点に集中させるのよ。」

「そんなオカルトなことをこの会社やってるのか?もっと科学的に説明できないのか?」

「あら、こんなことで驚いてるわけ?どんな状況も動揺しないと思ったんだけどな。」

「驚いたわけじゃない。聞いてるんだけだ。」

「そうなら良いけどこの会社は驚くことの連続よ。科学や倫理や法律にのっとってやっているわけじゃないから大衆社会にはとてもじゃないけど理解できないようなこともあるのよ。例えば人権侵害してるから非人道的だとか、科学的に説明できないことをしてるからオカルト的だってね。」

「全て科学に則ってないわけじゃないだろ?」

「もちろん。だけど時には科学以外の力を借りる時もあるのよ。少なからずね。もしかしてあんたは科学にのっとってないものは100%存在しないと思ってるのかしら?」

「俺は何でも科学で証明できると思ってる。ここの社員が入社時に飲まされる雷を放出だきるようになる雷ドリンクも科学の力を使ったものだろ。」

「例えば幽霊はいないと思うかしら?」

「あんなの錯覚だろ。まず俺達は生きるためにたくさんの動物や植物を殺して生きてる。呪なんて存在したら今ごろ人類は全員死んでるだろ。だから幽霊などあんなのまやかしなんだよ。こんなに科学が発達してるのにいると言う証拠なんて科学者から出てないだろ。」

「あんた、短絡的な考えね。」

「俺は極めて柔軟でよく物事を考えるタイプだ。」

「自己分析がよくできないのよ。とにかくあんたのその考えは短絡的よ。幽霊や怪物がいる証拠がないなら、逆にいないと言いきれる証拠は?古今東西昔からオカルトは語り継がれてるのよ。確かに話の中には科学で証明できたものあるだろうけど、中には解明できてなくてたくさんの証言がある事例もあるのよ。私は必ずしもオカルトに関するものは全てがガセだなんて思ってないわ。とにかくこの会社ではあんたの今までの価値観を驚かせるような疑問にぶつかるようなことがたくさんあるのよ。覚えておきなさい。」

ジェイの肩に手をおいた。

「再開するわよ。」

ジェイは電気を発動しようとしたが中々思うようにいかなかった。

「精神エネルギーを手に込めるのよ。」

ジェイは苦戦していた。

「あんたは今葛藤してるようね。自分の今まで向き合ったことないことに直面してることに。」

「どうやらそのようだな。」

「とにかく手にエネルギーを集中させるのよ。手から電気を放出できたら、今度は足から放出する特訓もするから。」

「こうか。」

「まだまだよ。」

ジェイは数時間しても中々思う様にいかなかった。

「惜しいわね。」

「何故分かるんだ?俺には全然手応えないように見えるが。」

「私を誰だと思ってるの?新人の手応えも分からないのが教育担当なんてやるわけないでしょ。余計な力が入ってるわね。1回身体全体を脱力して深呼吸をして見て。そうすればエネルギーが集中しやすくなるわ。」

ジェイは言われたとおりにストレッチと深呼吸をした。

「行くぞ。お!?これはもしかして!」

ジェイの手から少しばかりの電気が出た。

「そうよ。少ないけど初日はこれくらいの電気が出れば十分ね。次は足から電気を出しなさい。」

「何でこんな電気を放出する訓練なんて社員にさせるのか?これはゲーム運営に関係あることなのか?」

「今は答える時じゃないの。まずはこの試練をクリアしてもらわないと現場に立ち会えないの。現場に立ち会うのは2週間後よ。」

「答えられないのは何かの陰謀か?この会社すぐに現場に出ないんだな。」

「疑い深いのね。それにこの会社は一般的な会社とは違うのよ。上司が少しの期間教育担当、いわば人材育成の担当になるのよ。」

「大学出てない俺でも入れたのはそう言うわけか。」

「勘違いしないで。私達は誰でも入れてるわけじゃないの。面接と試験を通してあんた達を入社させたの。」

「採用担当からの話をたくさん聞けたようだな。」

「とにかく今は実技の時間よ。」

その後も電気術や銃術や剣術などの様々な特訓が行われた。


仕事が終わり、イザベラ達は10期生を寮に案内した。

「数日間は共同部屋で過ごしてたけど、今日からあなた達一人一人に部屋を与えるわ。ここが私達の会社の寮よ。後で案内するけど1人あたりの部屋はかなり広いのよ。」

10期生達と一緒に入った。

「ここがフィトネスジムよ。会社の施設にもあるけど休日とかここを好きなだけ使って良いわ。隣移動してここがドッグランよ。そしてその隣がペットホテルよ。任務中連れて行くかどうかは任せるけど預けたい場合は専属のペットシッターがいるから。次の場所に移動するわ。」

他の場所に移動する。

「ここがラウンジよ。今年オープンしたばかりの所よ。まだ全然店舗が入っていないけど、チーズファクトリーはオススメよ。輸入したチーズをたくさん取り揃えてるわ。」

ラウンジは24時間無人だ。もし窃盗などしたら氷漬けにされてしまう。

「そう言えば買い物はどうしてるんだ?」

「良い質問ね。ちょうどこのフロアに会社用のショッピングモールがあるのよ。この大きな穴から入れるのよ。」

「これもいわゆる亜空間と言うやつか。」

ジェイは言った。

「もちろん無人よ。」

商品を持って穴から出たら自動的に決済される。

「このフロアはアトリエね。好きなように絵を描いたり作品を作ったりして良いのよ。編み物をする社員もいるわ。ある程度道具とかは揃えてるけど材料はもちろん自分で揃えて。」

そして彼らは自分の部屋に着いた。ジェイは早速部屋で小説を読んだ。

「おい、いるか?」

「誰だ?」

「俺だよ。サミュエルだ。」

「サミュエル?誰だ?」

「同じ10期生だ。名前を覚えろ。」

ジェイは部屋を出た。

「用件はなんだ?」

「10期生全員でラウンジでパーティーしないか?」

「俺は小説読むから良い。面倒くさい。」

「もっとオープンになれよ。俺達同期だろ。」

サミュエルは手を引っ張った。

「これで10期生全員揃ったな。ジェイは何飲む?」

「ジントニックで。」

10期生は乾杯した。

「あんたジェイでしょ。」

「そうだけど何だ?」

「私はクリスティーナよ。ケイジと一緒に今日は1日訓練だったわ。上司をあんたの所と変えて欲しいわ。」

「あんたもケイジも全然話さないわね。」

入社当時のケイジとジェイは壁があるような感じだった。ケイジは冷酷なオーラでクールすぎて遠い存在を感じさせるような感じで、ジェイは自ら孤独を選ぶような感じだ。

「ケイジのやつ中々の腕前よ。初日からたくさんの電気を放出させたのよ。私の良いライバルね。」

ケイジは無言だった。

「ジェイ、あんたは今日はどうだったの?」

「お前には関係ない。」

「ケイジ、クリスティーナとケイジとも仲良くしろよ。せっかくの同期なんだから。」

サミュエルが言った。

「カミーユはフランスから来たの?」

「そうよ。」

「フランスのどこ?」

「マルセイユよ。」

「マルセイユなら一度行ったことあるわ。良いところね。」

パーティーで10期生は打ち解けて言った。

「ジェイ、ケイジのこと見てるけど何か引っかかる部分があるのかしら?」

「別にそんなんじゃない。俺は部屋に帰って小説の続きを読む。」

「私の目は誤魔化せないわ。あんた私の話を聞いて危機感感じてるのね。私はそんなの感じないけどケイジと張り合えるくらいの能力はあるわ。」

ジェイはケイジの話を聞いて今日のことを少し考えた。

「あいつあんな強いのか。どうでも良いけどな。」

「とにかく何かあったらいつでも私に連絡してよ。」

「これあんたにあげる!」

フエンが突然ジェイにお菓子をあげた。

「俺はここで帰る。」

「ジェイ、帰るのか?」 

ティムとサミュエルが呼び止めた。

「そうだ。パーティーしてるほど暇じゃない。」

「そうか。だけど俺達のこと忘れるなよ。」

ジェイは何も言わずに帰った。そして部屋で小説を読んでいつの間にか寝た。

「朝か。」

ジェイはシャワーを浴びて、トレーニングをして本を読んだ。そしてゲーム推進部専用の制服と仮面をして集合場所に集まった。

「私を探しなさい。」

イザベラはどこかに隠れていた。

「ここか?」

「違うわ。この声は私の録音した声よ。」

ジェイは探し回った。

「ここか。」

「残念ね。これは私のAIよ。本物と見極められないのね。」

イザベラが後ろからやって来た。

「何でこんなことするんだ?」

「私はあんたのことを試してるのよ。今やったことは現場でも使うことよ。」

「それより今日何をするんだ?」

「今日は電気術から行うわ。電気術はある程度ものにしてもらうわ。」

「分かった。」

10期生達は研修を積んで現場でゲーム運営に携わることになった。数カ月間もかけてゲーム運営に携わった。会場によりゲームの終わる日数に違いが出た。

10期生の任務が終わると成績発表が行われた。

「ゲーム推進部の部長エンゾ・ベルモンドだ。10期生と対面するのははじめてだな。私は採用担当のイザベラと同じ4期生だ。」

いよいよ10期生の結果が発表される。

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