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石盤パズル3

プレイヤー達の選択は2つだ。1つは最初考えたように石盤をはめずに石盤の島にひたすら集めて50枚そろった時に全てをはめ込む方法だ。もう一つは石盤を最初から順番にはめ込む方法だ。前者は予め完成図を確認して石盤をはめることができる。しかしルーレットではずれを引くとモンスターから奪われたりトラップによって元の場所に戻される可能性もある。後者は前者と比べるとかなり大変だ。一度石盤をはめ込むと石盤を移動させるのに時間がかかる。もちろん石盤の島にいるプレイヤーの負担は強くなる。さらに石盤をはめるたびに、時の島のトラップが増えて、極寒の島では気温がどんどん下がって行く。その代わりモンスターに石盤を奪われたり、トラップの回避率は上がる。

「それでどうするんだ?最初からやり直しになったようだけど。」

「面倒だが前者のやり方で行くしかない。」

長いゲームが再開する。

「これからどうするんだ?お前が参加しないのは何もとがめないがこのままだとゲームはどんどん進まないのは確定だな。」

リックがザックに言った。

「俺のせいだと言うのか?」

「誰もお前のことを責めてない。それに俺とディーンはパシリにしたわけではない。適材適所ってやつだ。」

「そうだ。責めるならゲームマスターを責めるんだな。だけど奴を倒すのはほぼ不可能だ。ならゲームをどうクリアするか考える方が早い。」

ザックはふてくされていた。

「怒ってるのか?もう一度言うが文句を言ってる間に時間はどんどん流れて行く。お前の人生はずっと人のせいにする人生なんだろ?」

「お前のような犯罪者が偉そうに言うな!」

ザックが振り向くと2人は石盤を探しはじめた。

「相変わらず石盤が重いな。」

台車を使っても石盤は楽々と運べずにいた。

「ザックのやつあのままで良いのか?」

ディーンがリックに言った。

「俺だって納得言ってない。だがあいつはどうすることもできなくて俺達を手伝いに行くだろ。そう心配することはない。」

「そう簡単にいくとは思わないけどな。」

時の島ではプレイヤー達が動けずにいた。

「このままずっと銅像のように立ち止まってるつもりなのか?ゲーム終わらせる気はあるのか?」

ジョージが聞いた。

「無駄に行動して何回もやり直しになって無駄な時間を使うよりちゃんと作戦をねった方がずっと良い。」

ウィルが言った。

「そう言ったって戦略なんて出てこないだろ?このまま一生ここで暮らすのはごめんだ。」

「何か近づいて来てないか?」

ロバートが周囲を確認しながら言った。

「虎だ!逃げるぞ!」

3人は焦って逃げた。

「時の島のプレイヤー諸君!」

「ゲームマスター、こんなピンチな時に何だよ!お前と話してる場合ではない。」

ウィルが言った。

「そう言われると大事な情報を教えてやらないな。」

「分かった。完結説明してくれ!」

彼が必死になって言った。息が荒くなりながらも見たことない虎から逃げて行く。

「よろしい。あの虎は時間を最初から巻き戻す。タイムリープと言う地獄を見せられる。くれぐれも噛みつかれないように気をつけろ。」

「なるほど。奴は動くトラップと言うわけだな。」

ジョージが言った。

「それで奴の弱点は何なんだ?」

彼は続けて言った。

「ジョージ・クレモンズ、君にそれを言ってこのゲームマスターに何のメリットがあるのか?答えが分かりきってるゲームなんて誰もやらないだろ?無駄な質問をした罰として時の島に時の虎を増やす。」

「何だと?」

すると彼らの後にもう一頭の虎が増えた。

「来るな!」

虎のスピードはどんどん上がった。

「痛い!」

ジョージが噛みつかれた。

「ジョージ!」

「嘘だろ?」

時間がタイムリープした。

「もしかして時の島で何かあったのか?」

サーマンは自分達もタイムリープさせられたのを知った。

「プレイヤー諸君、時の島で1人のプレイヤーがトラップに引っかかった為君達全員をタイムリープさせた。つまり最初からやり直し。君達が積み上げて来たデータは全てないことになる。」

「嘘だろ?」

「それならこのフィルードにあるトラップの配置は?隠しボタンとかの配置はどうなるんだ?」

サーマンが聞いた。

「良い質問だな。それはこっちの方でシャッフルしておく。」

フィールド全体が揺れ始めた。

「それではゲームを再開とする。」

プレイヤー達は絶望の現実を突きつけられた。

「おい、これ一生続くんじゃないのか?」

ロバートが言った。

「は?急に弱気になってどうしたんだよ。」

「だってこのゲーム勝ち目がないだろ。」

「何言ってんだよ!お前の強さって言うのは虚栄なのか?全て強く見せる見栄か?」

「どうせ俺は力しかない弱虫だ。お前らのように前向きになれない。」

「ふざけんな!俺だってこんなことやりたくない。何も罪がないのにこんなことやらされてる。だけどこの地獄にいるよりはやく抜け出したほうがずっとマシだ。お前はこの現状に満足なのかよ?」

「本質が弱い俺に何が出来るんだよ!それにお前達にも作戦なんてないだろ。」

「ロバート・バイロン。ついに弱さを出したようだな。」

「ゲームマスター。」

ジェイの声が響き渡る。

「今さらすぎるけどな。君が弱音を吐いた所で君に追い詰められた人達の傷やトラウマは解消されるわけではない。人を散々苦しめるのに自分が不利になると弱音を吐きまくる。君はすごいダサいな。所詮のお前の強さって言うのはその程度だし、弱いから誰かにいきがることでしか強さを発揮ができないんだな。」

「本当にそうだな。ロバート、お前良い加減くよくよせずゲーム再開するぞ。」 

彼は無言のままだった。

「君に1つヒントを教えるなら強さと言うのは誰かを傷つけていきりちらして調子に乗ることじゃない。強さは困った時に手を差し伸ばすことだ。」

「誰かを助けること…」

「それじゃあゲームを再開だ。」

モニターからジェイは消えた。

「これで分かった。」

ジョージが言った。

「何が分かったんだ?」

ウィルが聞いた。

「ずっと作戦を練ることも危険だって言うことがな。さっき時の虎が俺達をタイムリープさせた。立ち止まれば奴らに標的になる可能性も上がるわけだ。トラップは設置されてるものだけじゃないってことだな。」

「そうなると作戦は歩きながら練るしかなさそうだな。」  

「この木の枝とか使えそうじゃないか?」

「それは良いな。」

渋々とロバートも2人について行く。

「振り出しに戻ったな。ザックのやつはどこにいったんだ?」

極寒の島ではディーンがリックに聞いた。

「あいつはどうすることもできない。好きにさせろ。」

石盤の島では運ばれたパズルをどんどんはめていく。

「ここであってるか?」

「分からない。パズルが揃わないとどうすることもできない。」

3日くらい経つとどんどん石盤が揃っていった。

「ものすごい寒い。何か防寒具はないのか?」

「そんなものはない。それより台車が中々進まないぞ。」

極寒の島では雪がどんどん積もって行った。

「台車はほぼ不可能だ。」

気温が下がってからもザックが一緒にゲームに参加することはなかった。ディーンもついにはザックの話題すら出さなくなった。

「雪かきをしながら移動するぞ。」

「馬鹿言うな。雪は降り続けてる。台車は捨てて素手で運ぶぞ。」

「ザックもいないのに2人だけでやるのか?」

「もうそれしか打つ手はないんだよ。」

しばらく2人で自力で運んでいた。

「手が死ぬぞ。手の皮厚い俺でも限界だ。何か戦略はないのか?」

「ない。死なないのがマシな所か。」

「それを生き地獄と言うんだよ。」

極寒の島のプレイヤー達も極限状態になっていた。

「ルーレットの時間だ。」

石盤の島ではジェイの声が響き渡る。

「さっきはモンスターの大群を引いて痛い目にあったからな。」

「俺が引く。」

サーマンがルーレットの前に立った。

「サーマン・ゴンザレス、ルーレットを回せ。」

彼はルーレットは回した。ルーレットは最初はとても速いスピードで回っていく。そして回る速度もいつものようにどんどん遅くなっていく。遅くなる度にプレイヤー達の緊張感が走る。

「どうだ。」

「またハズレなのか?」

「まだ分からないぞ。」

そして針は止まった。ジェイが読み上げる。

「時の島のトラップとモンスター8割減少だ。」

「サーマン、よくやったぞ。」

「これくらい計算通りだ。」

久々に彼らは当たりを当てた。大体トラップか何もないことが多かった。

「ルーレット当たりだ。」

「よくやったぞ。」

一番感激したのは時の島にいるプレイヤー達だ。

「これで余裕で石盤集めが出来るぞ。」

「油断はするな。」

ウィルは慎重に動く姿勢を変えなかった。

「分かってる。お前はビビリだからな。」

ロバートが彼をからかった。

「さっきまで弱音吐いてたお前がよく言うな。」

ウィルも密かに笑って返した。

「早速石盤を探すぞ。」

「分かったよ。自称リーダーさん。」

時の島のプレイヤーは絶望的な状況が少し緩和して探索効率も上がり、さっきより早く石盤を石盤の島に持って行くことが出来た。状況は時には運が左右する場合が少なからずある。

「この状況でどう石盤を運ぶんだよ。」

「文句を言ってる場合じゃないだろ。」

リックが言った。

「寒いしザックはいないしどうすれば良いんだよ。」

ディーンはあきらめかけていた。

「お前も所詮ザックと同じ、この現状のままで良いと思ってるんだろ。それに文句は一人前だな。」

「元はと言えばお前がザックを使いっぱしりにしたり、ザックを説得しなかったからこうなったんだろ。」

「お前だって一緒になって小言をぶつけていたじゃないかよ。お前もザックのような他責の人間なんだな。どうせ息子を殺したのも息子が思い通りにならなかったから殺したんだろ?それを事故だって都合よく言って。お前は所詮他責で人を傷つけたんだよ。」

ディーンがリックをボコボコに殴った。

「お前のような頭がおかしいレイプ魔と一緒にするな。ゲームではまともな振る舞いしてるけどそんなことをしてもお前が頭がおかしいのを払拭することはできない。」

「だから何だ。」

「お前の方がずっと救えないってことだ。それに女が一人もいないから貧弱な体のジャクソンのことを狙っていただろ。寝てる所を狙ってたり。毎晩見てたぞ。猿でもそんなことしないけどな。気持ちが悪い。お前にような奴が偉そうなこと言うな。」

「やめろ‼︎良い加減にしろ。」

「ザック何でここに。」

「お前ゲームに参加しないんじゃなかったのか?」

「見苦しい喧嘩を止めただけだ。俺からしたらどっちも救えないクズだ。二人とも俺のこと言えないクズだ。」

ザックは二人何かを渡す。

「これは何だ?」

「防寒具と軍手と長靴だ。」

「何でこれを俺達に?」

「お前達に同情して渡したわけじゃない。たまたま倉庫を見つけて美味しそうな物がないか確認しただけだ。そしたらたまたま見つけたんだ。俺だって現状に不満を言って誰かのせいにした所で何も変わらないは途中で気がついた。それにお前ら一人でも死ぬなら俺もゲームマスターの呪いかなんか知らないもので死ぬことになる。俺は早くゲームを終わらせてここを出たいから協力する。」

「少し変わったな。」

「お前達が何も変わってないだけだ。俺も手伝ってやるから運ぶぞ。」

リックとディーンは防寒具を着て作業を再開した。決して作業が楽になったわけではないが少し状況はましになった。極寒の中重い石盤を何枚も3人で運び続けた。

「この石盤やっぱりこっちにしてくれ。」

しばらくすると石盤の島ではパズルの仕上げにかかっていた。

「あと一つだぞ。」

時の島と極寒の島のプレイヤー達も残りの一つがどこにあるか慎重に探していた。

「スティーブン、やっぱりこれはここにしてくれ。」

「どっちなんだよ。はっきりしてくれ。」

「重いのは分かるがパズルコロコロ配置が変わるもんだ。」

「サーマン、見つけたぞ。」

時の島からウィル達が石盤を持って来た。

「最後の一つは時の島にあったのか。今スティーブンとジャクソンは疲労でピリピリしてる。変わってくれ。」

「分かった。俺とウィルで石盤を埋める。ロバートは極寒の島の連中を呼んでくれ。」

ジョージが言った。数時間後ロバートは極寒の島のプレイヤーを連れ来た。プレイヤー達は防寒具を脱いだ。

「そのパズルとそっちのパズルを入れ替えてくれ。」

日をまたぐとパズルは完成した。パズルには猫と飼い主が写っていた。

「ゲームマスター、完成したぞ。」

ジェイは確認した。

「確かに正確だ。よろしい。これで第6ゲーム石盤パズルを終了とする。次の第7ゲームは明日はじめる。」

プレイヤー達は疲れて全員寝た。

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