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石盤パズル2

石盤の島ではルーレットの時間になった。

「それではルーレットだ。回すプレイヤーを決めろ。」

「俺が行く。」

スティーブンが前に出た。

「それではルーレットを開始する。」

ルーレットに何があるか彼はよく見た。

「これでどうだ!」

ルーレットが勢いよく回る。だんだんとゆっくりになる。ついに針が止まりそうになる。

「いけ!」

そして針が止まった。

「よし、やったぞ!」

「スティーブン、ナイスだ!」

「良いぞ!」

スティーブンが当てたのは時の島のトラップを80%削減だ。

「全プレイヤーにルーレットの結果を説明する。スティーブン・ハンソンが引いたのは時の島のトラップ80%削減だ。」

「よし、たまにはあいつも役に立つもんだな。」

時の島にいたプレイヤー達は感激していた。

「ルーレットの中にはとんでもないものもある。くれぐれも気をつけて回せ。」

スティーブンがジャクソンとサーマンに言った。

「どんなものがあるんだ?」

「かなり選択は多かったが中には石盤の島で雷が1時間落ちるトラップ何ていうのもある。」

しばらくすると時の島のプレイヤーが来た。

「これが石盤だ。」

ロバートは石盤を置いた。

「何でこんな軽いものの為に3人で行動なんだ?」

「3人バラバラになれば罠にかかる確率もかなり上がってしまう。それと1人には監視役になって貰ってる。」

「ゲームマスター!」

ジョージがジェイを呼んだ。

「時の島では石盤をはめるたびに時空トラップが増えると言ってたよな!」

「そうだ。何を今さら言ってるんだ?」

ジェイはジョージに言った。

「さっきのトラップ削減は石盤の島で石盤をはめるたびに適用されるものなのか?」

「残念ながらあれは1回限りだ。」

「やっぱりな。」

ジェイはモニターから消えた。

「それならこんなのはどうだ?お前達が集めた石盤を50個集めるまで石盤をはめない。」

サーマンが言った。

「それは良いアイデアだな。」

「そうしよう。」

プレイヤー達はこのゲームの弱点を発見した。石盤を集めてしまえばただのパズルゲームになってしまうこと。もちろんこのゲームはジェイが決めたものではなくイザベルが決めたものだ。

「やっと一つ運んだな。」

極寒の島のプレイヤー達は重い石盤を橋の前に置いた。しかし彼らは時の島のプレイヤーが考えていたようなことは思いついていない状態だった。そのまま島全体で石盤がないか探しに行った。

「台車があれば楽だけどな。」

ザックは言った。

「それならそれも含めて探せば良い。俺達で何とかしなきゃならないな。」

リックも言った。


一方情報部ではイザベルと連絡がつかないのに気がかりに思っていた社員がいた。

「あんたイザベルとはつながったの?」

「繋がるどころか1か月以上連絡がないのよ。返信がはやいあの子がこんなことになるはずないのに。」

情報部5期生ジョセリン・カーターが言う。

「後輩の面倒で連絡出来ない状態じゃないのか?」

「そんなことで手こずるような社員じゃないし、彼女は人を見極める採用担当よ。そうだ!サンドリーヌ!あなたの方から何か知らないかしら?」

「私は何も知らないわ。」

彼女の同期の情報部のサンドリーヌは彼女のハッキングの手伝いもしていて、わざと軟禁状態になってるのも知っていた。だけど情報部の他の社員には何も知らないフリをしていた。

「あとは私が送り込んだ部下に様子を見に行って貰ってるわ。絶対何か起こってるに違いないわ。」

ジョセリンの部下2人がゲーム会場に向かっていた。


「そう言えばルーレットってどんなものがあるんだろうな?」

「見に行くか?」

「駄目だ!」

ジェイの声が響き渡った。

「ルーレット中は他の島の者は入ってはいけない。もし入ったらゲームを最初からやり直しとする。」

「だってよ。今は石盤を運ぶしか手はないだろうな。」

極寒の島では重い石盤運びにかなり苦戦していた。

「よし順調だぞ。」

「俺達頭良いな。」

「これならやってられるな。」

時の島のプレイヤーは石盤を着実に運び、トラップから逃れることが出来た。

「あと何個あるんだ?」

「分からない。とにかく探すんだ。」

石盤の島では石盤をはめずに並べていた。

「極寒の島の奴ら、遅いな。」

「あいつらはきっと橋の入り口付近に石盤を集めてるから俺たちじゃどうすることも出来ない。」

「それよりパズルの並びはこんな感じか?」

「いや、分からない。どこか高く見れる場所があると良いが。」

「おい、変なボタンがあるぞ!」

3人は不思議な巨大な緑色のボタンを発見した。

「このボタン、押して大丈夫なのか?例えば津波が起きたりとかしないよな?」

スティーブンが言った。

「やってみないと分からない。これもルーレットと同じだ。一か八かでやって見るしかないだろ。」

サーマンが言った。

「だけどそれが安全って保証はないだろ!証拠はあるのか?」

「逆にこれが危険物だって証拠はあるのか?俺達のゲームが有利になるボタンなら押さないほうがもったいない。スティーブン、それにお前は自分でやらない割に文句だけが多いやつだな。」

サーマンはボタンを踏んだ。

「やめろ!」

ボタンが作動した。すると全体を見渡せるやぐらが出て来た。

「これはちょうど良い。これでどこに何があるか分かりやすい。」

サーマンが当たりを見渡した。

「何か見えるか?」

ジャクソンが聞いた。

「極寒の島と時の島は少ししかのぞけないが、ここにある石盤はここからだとかなり見やすい。スティーブン、今のところにある石盤を上段の真ん中に配置しろ。ジャクソン、お前の石盤はそっちだ。」

3人で石盤の配置を確認した。

「あの辺に石盤あるんじゃないか?」

時の島では石盤を探す作業が続いた。

「あそこだ!」

ロバートが走った。

「待て!」

「何だよ!」

「あそこは何だか嫌な予感がする。」

ウィルが言った。

「そこ危ないからどけ!」

ロバートは端に行き、ウィルが石盤の方に石を投げた。すると少しばかり紫色の光が放った。

「これはいったい何なんだ?」

「罠が発動する時に発生する光だろうな。どうやらあそこは罠だ。」

「それならどうやって石盤を取るんだよ。」

ジョージが言った。

「どんな物でも光は反応するが罠が発動するのはおそらく俺達がそこについた時だ。ちょうど面白い物がある。」

「何だそれは?」

「これは吹き飛ばし爆弾だ。」

「見た目フルーツだな。どこで手に入れたんだ?」 

いちごに似たような爆弾だ。

「ゲームで使った果樹園だ。普通のフルーツと違う感じがしたんだ。」

彼はそれを投げた。すると少し爆発して石盤は100m遠くに飛ばされた。

「追うぞ。」

3人は迂回して走った。

「あそこだ。」

ジェイは3人の様子を見た。

「トラップ投下だ!」 

不思議なボールが3人にぶつかった。

「何だこれ。まぶしかった。おい、ジョージ、ウィル!」

ロバートは2人を探したが見つからなかった。

「ウィル、ロバート!どこに行ったんだ?」

全員離れ離れになってしまった。

「俺達あのボールのせいでワープさせられたのか?」

「そうだ。」

ジェイの声が時の島全体に響いた。

「そんなトラップあるのは聞いてないぞ!」

ロバートが言った。

「それはそうだな。だって俺がさっき作ったばかりの新しいトラップを君達にめがけてたからな。」

「そんなのルール違反だろ!」

「ルール違反は俺が定めたルールをプレイヤーが破った場合に発動される。よって俺は全くもってルールを破ってなんかない。何度も言うようだがそんなにルールにこだわるのなら君達もゲームマスターくらいにならないといけないな。」

「クソ、バラバラかよ!」

「何でこんなことするんだ!」

「ゲームより楽しくするためだ。ゲームを盛り上げるのがゲームマスターの仕事だ。」

「このゲーム、他に誰か見てるのか?」

「それは君達に言う必要はない。今は目の前のゲームに集中しろ。」

3人はバラバラになった為トラップにかかるリスクも上がる。

「とにかく動くしかないだろ。」

ジョージはとにかく前に進んだ。

「ジョージのやつが何しでかすか分からない。ここはどうするか。」

ウィルは他のプレイヤー達の行方が分からなかった。そのため思うように動けずにいた。

「クソ、こんなことになるなんて。」

ロバートもいきなりの事態に困惑していた。

「台車を見つけたぞ!」

極寒の島ではプレイヤー達が石盤用の台車を発見した。

「石盤はどれくらい積めるか?」

「おそらく一つしか乗せれないだろな。それ以上乗せると石盤が重さに耐えられなくなって壊れてしまう可能性がある。」

「それなら乗せるぞ。」

3人は石盤を台車に積んだ。

「中々動かないぞ。」

ディーンは台車を押しても反応がなかった。

「しょうがない。俺も押す。」

リックも一緒に押すと台車は動いた。

「この方がさっきよりずっと楽だ。」

ザックはその様子を見ていた。

「ザック、障害物がないか見てくれ!」

ザックが先頭になった。

「ザック、そこの岩をどかせ!」

「岩?どこだよ!」

「そこだよ!」

「どこだ?」

「そこだ!どこに目があるんだよ!」

ザックは2人に指示されるかたちになった。

「あー、もううるさい!言われなくても分かってる!」

ザックは振り向いて叫んだ。

「お前がそうなら俺達は今頃小言なんて言ってないんだよ。」

「そうだ。障害物を見逃しすぎなんだよ!」

「あー、役立たずと言いたいのか?」

「そうだよ!探知能力ゼロの役立たずだ。クソ野郎!」

リックが言い返した。

「もう知らん!あとはお前達だけで何とかしろ!」

「ちょっと、どこ行くんだよ!」

ディーンが引き留めようとした。

「ザック!」

「そんなやつにかまうな。役立たずがいてもゲームにそんなに支障はない。」

「雑用やってもらうように説得しないと後々面倒くさくならないか?」

「俺達で何とか出来る。」

ザックの姿は二人の前から見えなくなった。

「またルーレットだ。」

石盤の島では15回目のルーレットになった。今まで運が良く当たりか何もなしだった。

「俺が行く。」

サーマンがルーレットの前に立った。

「ルーレット開始だ。」

そして彼が回した。ルーレットの針はどんどん遅くなって行く。そして針が止まった。

「残念だったな!石盤を投げ飛ばす半魚人が100体上陸して来る!」

「これって冗談だよな?」

ジャクソンの顔が青ざめた。

「そう思いたければそう考えるんだな。いでよ、半魚人!」

海から半魚人がたくさん出て来た。

「来るぞ!石盤を守れ!俺が戦う。」

サーマンが言った。

「お前一人じゃ無理だろ!」

スティーブンが言った。

「守りも大事だけどまずはこいつを倒さないと駄目だろ!」

「そうだ!煙玉は?」

「それはロバートだけが持ってる!」

ジャクソンが言った。

「とにかく持ってるアイテムでなんとかするしかないだろ。」

「どうやらそのようだな。」

「滑りマットだ!」

マットがすごいスピードで広がる。

「これで逆転だ!」

半魚人は止まった。

「しかしまた動き出した。」

「何だと!?」

「滑るどころかもっと動きが速くなってる。」

半魚人は足が退化していて滑る床に触れると足が速くなる。

「トラップが逆効果と言うことか。」

「水鉄砲も効かない。」

「水鉄砲なんて効かないに決まってるんだろ!相手は半魚人なんだぞ。」

「それならどうすれば良いんだ?」

「俺にも分からない。」

「誰かアイテム持ってないのか?」

「俺は脱走しようとしたからアイテムを没収された。」

「来るな!」

半魚人は一つの石盤を時の島に送り込んだ。

「石盤から離れろ!」

どんどん石盤が飛ばされて行く。

「やめろ!やめろ!」

力づくで半魚人に体当たりしても数に勝つことは難しい状況だった。

「ジャクソン!」

彼は仕掛けたトラップに引っかかり滑ってしまった。

「こうなったら2人で戦うぞ。」

サーマンはあきらめなかった。

「お前ついに頭が狂ったのか?それとも何か必勝法でもあるのか?」

「必勝法なんてない。とにかく戦うしかないだろ。口じゃなくて手を動かせ。」

「そんな無茶言うな!」

「そう言ってる間にもたくさんの石盤が他の島の方に投げ飛ばされてるだろ。」

「それは俺のせいじゃないだろ!それなら、お前一人で戦え!」

スティーブンはただ傍観することになった。

「無責任なやつってことは分かった。」

サーマンはそう言って一人で半魚人達と戦った。持ってる武器で何体か投げ飛ばした。

「数がきりがない。」

どんどん投げ飛ばされて行く。半魚人を飛ばしてもすぐ立ち上がって動き続ける。

「全部飛ばされた…」

「プレイヤー諸君全員に話す。」

時の島のプレイヤーも極寒の島のプレイヤーも耳を傾けた。

「石盤の島に現れた半魚人が石盤を全て投げ飛ばした。」

「それって、最初からやり直し同然だろ!」

「そうだ。」

「しかしながら対策がある。ルーレットが外れて石盤を奪うモンスターがでても石盤をはめ込めば石盤がとられるリスクがかなり下る。はめ込んだ石盤を取るのは時間がかかるようにできてるからな。」

プレイヤーは究極な選択をさせられることになった。

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