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ピッキング2

プレイヤー達は無言になった。

「おい、そんなことしたらどうなるか分かってるのか?」

ジャクソンが返した。

「こんな絶好なチャンスないだろ!」

ザックが言った。

「バレずに盗むのは良いアイデアだ。だけどお前は甘すぎる。倉庫内にあれだけのアイテムがあるならゲームマスターはもっとアイテムを使って来る。脱走するのは俺は却下だな。」

「俺は賛成。だけど脱走なんてしない。」

リックが言った。

「このゲームはっきり言って俺達が勝つすきが全くない。バレない不正でこのゲームをクリアするしかない。」

「監視はどれくらいあるんだ?」

ティーンが聞いた。

「監視ロボットが巡回してる。そして所々監視カメラが多い。四方八方監視されてるわけだ。」

「それなら監視カメラと監視ロボットを壊せば。」

「ザック、それは駄目だ。監視カメラを壊すって言うのは自らやましいことをしてるって言ってるようなもんだろ。相変わらず馬鹿だな。」

ウィルが言った。

「さっき自信満々に黄金のリンゴ食べようとしてたけどな。」

「無駄な争いはやめろ。嫌でもゲームの時だけは一緒にクリアすることを考えないと。」

サーマンが言った。

「一つ思ったことがある。」

「ジョージ、何だ?言ってみろ。」

「さっきピッキングしてる間は窃盗熊に狙われてると言ったよな。だから役割分担をした。ピッキングしてるやつはアイテムに直接触れる。ピッキングしてるふりして道具を使うのはどうだ?」

「すごい良い案だがそれだとまだ弱い。」

プレイヤー達はしばらく作戦会議を続けた。

「よしこの作戦で行くぞ。」

「そうと決まればあとはゲームの時間を待つのみだな。」

そしてジェイがモニターから現れた。

「プレイヤー諸君、待たせたな。それではピッキングを再開する。」

プレイヤー達はカードを引き、それぞれの持ち場についた。

「ロバート、頼んだぞ。」

「分かってる。」

彼は猛スピードでカートをひいていく。

「何で走ってるんだ?」

ジェイは興味深そうにロバートのことを見ていた。そして手作りのマカロンを口に入れる。

「待ってくれ!」

ザックが彼のあとを追う。

「目の前にあの熊がいるぞ!」

「しまった。」

ロバートは熊と目が合った。

「ザック、何とかしろ!」

「距離が遠すぎる。」

「こうなったら!」

彼はリンゴを投げた。すると熊はリンゴを追っていく。

「ロウソクはこっちだ!」

ジャクソンが誘導した。

「ロウソク?そんなものないけどな。」

倉庫に何があるのかジェイは把握していた。ロウソクは確かに倉庫にない。

「これは面白いゲームが見れそうだな。」

ジェイはロバートのことをずっと見ていた。

「こっちだ!」

ロバートはある棚の所まで来た。

「これか。」

煙玉を手に取りながら小声で言った。

「しまった!」

彼は煙玉を落とした。もちろん不注意をよそおった。するとあっと言う間に煙が倉庫中に広がった。さっきジャクソンがロウソクと言ったのはアイテムを盗むことを悟られないためだ。

「よし!今だ!」

監視カメラは煙で終わられていて警戒センサーが反応出来ない状態になっていた。

「これは使えそうだな。」

一部のプレイヤーはアイテムバッグを持っていたのでそれに入れた。監視カメラは起動出来ないので証拠をなかったことに出来た。確認出来るとしたら私のような社長クラス。だけどゲーム推進部のプレイヤーのことまで私は干渉しない。

「これも使えそうだ。」

「こっちもだ。」

プレイヤーはアイテムを盗んで行くが、取る数も違和感のないように必要最低限に決めてあった。

「熊がいないか確認してくれ。」

煙はまだただよっていた。

「よく見えない。」

ウィルは煙の中数を数えていた。

「熊が近づいてるぞ。」

「こっちに来ないようにしてくれ!」

「分かった。」

ディーンは熊の足音を頼りに近づいた。

「ウィルを探してるんだよな?」

彼は熊に話をかけた。

「ウィルならあっちにいる!」

熊に嘘の情報を教えた。

「信じないのか。」

熊は反対方向に行ったが、ウィルのいる方向ではなかった。

「熊だ!」

一方ザックのいるところに熊が向かった。

「アイテムは取らせない。これでも喰らうんだ!」

彼は熊に向かって何かを投げた。

「よし、麻痺したぞ。」

彼が投げたのは金縛りクリスタルだった。このクリスタルにぶつかると全身が金縛りにあったかのように全身が麻痺してしまう。

「今だ。どんどんピッキングしろ。」

ロバートはピッキングしていくが5分があっと言う間に過ぎてしまい十分に出来なかった。

「あとすこしだった。」

ロバートにかぎった話ではなかった。ピッキングの時間が十分になかったのは他のプレイヤーも同じだった。

「少しはましになると思ったがピッキングの時間が無さすぎる。」

どんなアイテムがあっても5分ごとに棚が移動する仕組みはなかったことには出来ない。

「あれは熊か?」

「監視ロボットだ。」

監視ロボットは煙で何も見えない状態だったので停止したままだった。

「煙がある間はずっとこのままだろうな。」

「俺達からすればすごい好都合な話だけどな。」

「クソ、間に合わない。」

「どうやら時間が足りないようだな。」

「それだけじゃない。煙が倉庫中に広がってるから数を正確に数えるのが難しい状態にある。」

「煙玉もよく使わないとな。」

煙玉の効果は約30分間だ。

「盗まれた。」

しばらくするとプレイヤー達はアイテムを盗まれた。

「アイテムが盗まれた為最初からやり直しとする。これより1時間の休憩だ。」

プレイヤー達は休んだ。

「煙玉を使ったのは良かったがこっちの視界まで不明瞭になる。」

ウィルが言った。

「俺もだ。」

「煙玉を今時点で持ってるのは誰だ?」

「俺だ。」

ロバートがたくさんの煙玉を保有していた。

「それなら虫眼鏡を使えば良い。特殊な虫眼鏡だ。4つ取るぶんには何も問題ないだろ。」

「どんな道具だ?」

「暗闇や煙の中でも物を見やすく道具だろ。煙の中で適当に取った道具だ。」

「それなら舞台は整うな。」

「そうだ。あとはこっちのものになるからな。」

そしてゲーム再開の時間になった。

「これよりゲームを再開する。」

ロバートはまた走った。

「まずは足の速いロバートに探索させる。」

その間に他のプレイヤー達は待機していた。

「そして2番目に足の速いサーマンとリックだ。ロバートの誘導に従って該当アイテムの所にまで来てもらう。」 

2人はロバートを追いながら走って指定のポジションにつく。

「どんだけ走らせるんだよ。」

ロバートは走り回った。

「これじゃない。」

「これでもないな。」

サーマンとリックは行動が悟られないようにアイテムを探してるふりをした。

「何でロバートに探し回らせてるんだ?」

ジャクソンはウィルに聞いた。

「あいつはただ足が速いだけではない。今までのゲームであいつのことを観察してたが動体視力がかなり良い。」

「動体視力ならサーマンが良いだろ。ロバートじゃ駄目だと思わないが、サーマンの方がもっと向いてると思うが。」

「これは俺の予想だが、ロバートはサーマンより持久力はあるはずだ。」

「それがお前の考えなのか。確かに棚の数が多いからな。不味い。棚が入れ替わるまであと30秒だ。」

ロバートはザックを呼んで定位置に移動させた。

「よし作戦開始。」

ロバートは煙玉を投げた。するとまた倉庫は煙で前が見えにくい状況だった。近くに行かないとよく見えない状態だ。その間にサーマン、ザック、リックがアイテムを入手した。ロバートはさらにカートを弾いて走り回る。

「ロバートのやつどこに行った?」

「知らない。この煙で探すのは無理があるだろ。」

ロバートは窃盗熊の所に自ら近づいた。カートの中には指定されたアイテムが入っていた。

「これでも受け取れ!」

カートの中のものを彼は投げた。そして熊は受け取った。

「商品を盗まれた為最初からやり直しとする。」

ゲームはやり直しになった。

「さっき俺がわざと熊に投げた。」

「ロバート、せっかく軌道にのったのに何でわざとそんなことをしたんだよ!この理不尽な状況から抜け出したくないのか?」

ジョージはロバートに言った。

「良いか?これが俺が考える近道だ。下手に長引いて時間だけが過ぎていくならはやいうちやり直しになった方が良い。それに今の状況下でレンズを使えるのは持ち場に着いたやつらだけだ。それなら1回わざと中断させてやり直した方が良い。あの状況下だと勝ち目はほぼ無いと言って良いだろうな。」

「そうかそれなら納得だな。ただ何も考えずにそんなことするわけないもんな?馬鹿だと思ったが流石にそこまでの馬鹿では無かったようだな。」

ウィルが言った。

「お前が思ってるほど馬鹿ではない。」

「俺が言いたいのはゲームマスターがお前に言ったように、お前はアジア人との足の引っ張り合いをして社会的立場の差別には永遠と気がつかない馬鹿に少しは脳があるんだなってことだよ。」

「何だと?せっかく俺がこんなに動いてるのにそれはないだろ。」

2人は殴り合いになった。

「ウィル、やめろ!低レベル同士で争ってどうする!俺達はゲームマスターからすれば大して変わらない底辺なんだよ。ここで争えばゲームマスターがゲームから抜け出せない様子を喜ぶだけだろうな。」

サーマンが言った。

「2人は鉢合わせないようにピッキングの役割にした方が良いな。」

そしてゲーム再開の時間になった。

「ゲーム再開だ。」

ロバートがまた煙玉を投げて倉庫全体に煙が蔓延した。プレイヤー全員は見通し虫眼鏡を手に持って移動した。

「リンゴのピアスが200個!?」

ウィルは5分で終わらないと思い他の棚に移動した。

「さっきより量が増えた気がするぞ。」

プレイヤー達が引いたカードは指定された商品の数が明らかに多くなっていて5分じゃピッキングを終了させるのに時間がかかる量になっていた。

「商品を盗まれた為最初からやり直しとする。」

あれから何度もゲームがやり直しとなり日をまたぐにまで発展した。

「何で?またわざと盗ませたんだよ!」

「こんなのがむしゃらにやっても意味ないだろ!それに煙玉はまだたくさんある。」

「ロバートが言うのも一理ある。ピッキングの量が多いのに5分ごとに棚が自動的にどこか分からない場所に移動されちゃきりがない。このままただやっても体力も無駄だ。」

「鍵を握ってるのは床にあるあの青いボタンだな。」

「休憩時間俺が書いた地図だ。」

ジャクソンが大雑把な倉庫内の地図を書いた。

「所々壁にスイッチがある。このゲームをクリアする為のヒントのような気がするんだ。」

プレイヤー達は地図を参考にして作戦を立てた。それからも壁ボタンのトラップに一通り引っかかり失敗した。

「ゲームを再開とする。」

再開とともに倉庫内の電気をザックが消した。見通し虫眼鏡でどんどん進んで行く。

「このボタンだ!」

ジョージはあるボタンを押した。すると重い段ボールがたくさん出て来た。

「はじめるぞ。」

プレイヤー達はピッキングはせず段ボールを青いボタンの上にのせた。そうすることにより段ボールをどけない限り永遠に棚が移動することのない状況を作り出すことに成功した。

「よしピッキング開始だ。」

プレイヤー達はピッキングを開始した。棚によっては移動する心配とないのでスムーズに進められた。

「1件終わったぞ。」

今まで1件もピッキングが出来ない状況だった。

「ここか。」

スティーブンはある隠しボタンを一人で探しついに見つけた。そして棚の前全体に青いボタンが登場した。

「青いボタン?ラッキーだ。」

彼が見つけた隠しボタンは見通し虫眼鏡でしか見つけられないボタンだった。

「よし、段ボールを運ぶぞ。」

プレイヤー達はどんどん段ボールを運び。青いボタンの上にのせた。ついに全ての棚は移動が制御されることになった。

「これで終わりだ。」

「順調だ。」

プレイヤー達は順調にピッキングをこなしていく。

「これがここか。」

ピッキングしないプレイヤーは常にピッキングしてるプレイヤーの護衛と援助に入っていた。モンスターが現れれば戦ったりもしていた。

「あと50件だ。」

「来るな!あっち行け!」

そして順調にピッキングを終わらせて行く。そして残り6件になった。すると突然明かりが着いた。暗闇だとあまり活発では無い窃盗熊が暴れ出す。

「明かりが着いたぞ…」

「良いからカートの物を盗まれないように俺の護衛をしろ。」

「うわ!」

ジョージは熊に殴られて腹をおさえていた。

「ジョージ!不味い。」

「全員、アイテムを使うんだ。」

「このボタンを押せ!」

床にはランダムで登場する緑ボタンがありサーマンはすぐに回収地点にワープした。他のプレイヤーは必死に逃げた。

「残り2件だ。」

だんだん熊の数も増え続けた。

「くらえ!」

使い捨てアイテム冷却缶詰めだ。投げると一定範囲氷ってしまう。

「ヤバい、こっちに来る!」

「しびれクリスタル!」

熊は麻痺して動けなくなった。

「あと1件だ。」

最後の一つのピッキングが終了し、サーマンは回収地点に急いだ。

「囲まれた!」

熊数匹に囲まれた。

「これでもくらえ!」

カメラのアイテムで熊は縫いぐるみになった。そして全てのピッキングが終わった。

「正確に全てピッキング出来た為、第5ゲームピッキングを終了とする。次のゲームは3日後だ。」

長いゲームがまた一つ終わった。

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