勇者イサギの魔王譚
~作者~
イサギの人 様
~あらすじ~
「これからも、俺についてきてくれないか」
――共に歩んだ愛する少女へと告白した瞬間、少年は未来へと飛ばされた。彼を喚んだのは魔族の姫。彼が討ち取った魔王の末裔だった。
「お、お願いします、魔王さま方……
わたしたち魔族を、冒険者の魔の手からお救いくださいませ……!」
滅亡の危機に瀕した魔族を救うため、そして愛する少女と再会するために彼は再び立ち上がる――勇者イサギとしてではなく、魔王候補イサギとして。
~感想~
勇者の魔王化ジャンルの王道であり圧倒的な面白さ。魔王堕ちとはいえ、迫害される側の味方として立ち位置が変わるだけで主人公は変わらず勇者に近いことをやっています。
魔族の末裔が4人の魔王を呼び寄せるのですが、この4人が全員主人公として活躍していきます。話が進むにつれて全員が全員目指すべき目標を定めていき、それに近づくために時に協力し、時に敵対し合う実に読み応えのある作品となっています。仲間が協力する時は盛り上がるし、どうしようもない事情で敵対しあう関係になった時は読んでて苦しくなるし今思い出しても本当に面白かったと思います。
正直王道作品は読めば絶対面白さが伝わるので、そこ以外で紹介するとこの作品は全体を通してサブタイトルが特に秀逸でめっちゃかっこいいです。厨二病センテンス全開だし、ネタもいっぱい。
例えば
『お兄ちゃんですらないけど愛さえあれば関係ないよねっ』(39話)
『朽ちよ、身罷れ、地に絶えよ』(11章)
『終末に希う、ただひとつの』(12章)
中でも好きなのが最終盤の詩を分割してそれぞれ話のタイトルにした
『ひとりの魔王は勇気を胸に
ひとりの魔王は月を抱く
ひとりの魔王は砕けず折れず
ひとりの魔王は此処に在り
地に煌めきし幾億の星
天より堕ちし妖星を
咎神の名の下に
共に、我らが魂を燃やして
今こそ至れ、終極へ 』
作品自体が2015年あたりとすこし古いためネタも相応に古いですが当時のネタがわかる人、これらの章タイトルがかっこいいと思ってくれる人には特にお勧めします。
~URL~
https://ncode.syosetu.com/n6473bp/
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