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幻想再帰のアリュージョニスト

この作品刺さる人はめちゃくちゃ刺さるけど、つまらないと感じる人も絶対いる、好き嫌いの分かれる作品だと思う。

それでも2章の終わり(27話)までは絶対に見てほしい。

~作者~

最近 様


~あらすじ~

誰もあなたの言葉を理解できない。

隣の友愛、目の前の憎悪、そして自分でさえも。

文脈と権威に縋ろうと、飾り立てた借り物が心に届くことはない。

それでも理解を求めるとき、対話は互いの既知を利用する。

自明の参照と引用、暗黙の了解と引喩。

未知の言葉はそこになく、あなたは安らぎの中で相互理解の夢を見る。

幻想再帰のアリュージョニスト。

合わせ鏡に理想の像、反射するのは無限の試行。

永劫の果て、理論上の世界平和は達成される。

いつか、必ず。


~感想~

めちゃくちゃおもしろいけど、どう面白いの?って聞かれると非常に困る作品。

レビュー欄を覗いてみても、とにかく面白い!の羅列かキャラの特性をまとめただけみたいなものが多く、言語化に困るレビュアーの敵。

身近にこの作品を紹介してくる人がいたらその人は間違いなく据わった目で詐欺もかくやといわんばかりにとにかく面白いから読めの一点張りで勧めてくること請け合い(実体験)。



冗談はさておき、ざっくり世界観を説明すると、相似のモノはお互いに影響しあうという呪術や魔術の基本原理を基礎としつつ、色々な情報を引用、暗喩に用いることで奥行きを出している作品になります。



何より素晴らしくこの作品の大きな特徴となっているのが、ファンタジーやSF、または文学、哲学、言語学など雑多な要素を圧倒的な文章力と設定でぐちゃぐちゃに混ぜ合わせて創り出した混沌さです。

ネタやスラングを流用して読者を笑わせに来ながら、一方で女性の権利や少数民族迫害について触れ、さらには読者の視点を前提としたメタ的な要素が作品世界観の内側に当たり前に入ってくる等の圧倒的な情報量があります。それらをここまでしっかりとまとめ上げた作品は他にはないでしょう。


混沌を混沌として書き上げられる作品のなんと面白い事か!



複雑怪奇な混沌という唯一無二の特徴を持ち、読むことで読者の世界観が広がっていくことになりますが、それとは別に物語としてピンチからの盛り上がるところをしっかり押さえているため、素直な読み物としても十分面白いためぜひ読んでみてください。


~URL~

https://ncode.syosetu.com/n9073ca/

正直冗長かなとも思いましたが、作品の切り取り方によって見える世界がまるで異なる一例としてまとめてみました。読まなくても問題ありませんが、読んで興味を持ってくれると嬉しいです。


※注意:この先は2章のネタバレを含みます。


主人公視点:なろうを踏襲しながらどこかずれたお約束のアンチテーゼ

・SF世界の住人シナモリアキラは、転生保険を横着したために下位世界の中でも野蛮と呪術の世界、ゼオーディアに誤転移してしまう。言葉も通じない中、サイバネ義肢や感情制御ナノマシンを用いた暴力で惰性に生きていく。そんな中で、シナモリアキラの力を欲する2人の魔女と出会い・・・?



魔女(コルセスカ、トリシューラ)視点:お互いを傷つけあい、助け合いながらも誰が最初に出し抜くかのチキンレース

・地母神キュトスは槍神に引き裂かれ、神格は71に分断された。されど未だ表れぬ71番目の末妹。

ならば自らの手でまだ見ぬ末妹を創り出してしまえ。

そうして世界各地から呼び出された末妹候補の中から、4つの呪術基盤最高峰の子供たちが選ばれ、彼女らをさらに争わせることで、勝者1人を末妹とすることにした。

一人は世界観の拡張、邪視の座のコルセスカ

一人は身体性の拡張、杖の座のトリシューラ

一人は言語の拡張、呪文の座のハルベルト

一人は関係性の拡張、使い魔の座のトライデント


それぞれがそれぞれの大命題をクリアしていこうとする中で、地上や地獄の思惑も絡みあい、複雑怪奇なバトルロワイヤルへと変貌していく。

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― 新着の感想 ―
[良い点] アリュージョニストは個人的No.1小説の一つです! 自分はまさにとにかくめちゃくちゃ面白いとしかいえなかった人間なのできちんと文面化されたレビューでさらに 魅力が深まったように感じます […
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