ノームの終わりなき洞穴【Web版】
~作者~
山鳥はむ様
~あらすじ~
地の精霊が作ったと噂される世界屈指の巨大洞窟。その最奥を見た者は未だおらず、今なお洞窟は複雑に延び続けている。採掘される宝石を狙って命知らずの冒険者達が挑み続けるダンジョン。その実情は、たった一人の錬金術士と意地汚い精霊によって、やむにやまれぬ理由から作られていた。
~感想~
錬金術師クリストフが夢の実現のために、尽きぬ宝石が眠ると言われる宝石の丘へと目指す物語。
冒険の果てに彼は何を得て、何を思うのだろうか…?
この作品は大きく2部に分かれており、宝石の丘への道を模索して洞窟を掘り進め、ダンジョンを作り上げる章と、仲間を集めて宝石の丘まで踏破する章に分かれている。
前半はゲスでありながら現実的でどこか憎めない主人公クリストフが宝石の精霊ジュエルと共に洞窟を掘り進めていたら、ダンジョンと勘違いしてやってきた盗掘者たちが湧いてきたので罠で撃退する、勘違い系ダンジョンマスター物。ダークヒーロー的な立ち位置でありながら周囲の勘違いに振り回されるダンジョンマスター的な物語が明るくテンポよく進むため、世界観に引き込まれます。
後半は強欲な者たちが集まって、尽きぬ宝石の在り処への踏破を目指す物語。御伽噺で語られる場所への道のりは当然容易くない。様々な困難が降り注ぎ、少しずつ脱落者が出てくる等少し暗い雰囲気に…。予測不可能で危険な道や誰が裏切るのか、といった障害を乗り越え、冒険の果てにお宝を得られるのか、ハラハラしながら読み進めることができます。
主人公が降りかかる困難に対して一貫して現実的で冷徹な手段を講じており、話がテンポよく進むためとても面白い。また、話の随所でしっかりとした世界観が説明され、話の展開もそれに沿ってちゃんとした理由で各陣営が動き出すため、読んでいてとても没入感があります。
冒険の果てにお宝を得る、という古き良き王道をしっかりとした世界観で描いた物語、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
~URL~
https://ncode.syosetu.com/n1901bi/
この作品の続きが完結済みで投稿されているので、面白いと思った方にはそちらもおススメしておきます。