死神の風船
不安でどうしようもない夜、〈僕〉は頸動脈に手を当てて頸動脈を経由し心臓に続く螺旋階段を下る死神を思う。とても落ち着かないから隣で眠る彼女を起こさないように家を出ると、ハハハとそんな不安を夜空に向けて笑い飛ばす。そして家に戻りベッドに眠る彼女に「愛している」と告げる。
このような夜を〈僕〉が過ごすようになったのにはあるきっかけ、ターニングポイントがあった。それは遊園地の道化師、医者の父親、六月のナオコ、大学の夏休み、空手サークルの中田先輩、待ち合わせ場所のファミレス、九月のナオコ、……と様々な事柄の錯綜の末に起こった転換であり、この物語は〈僕〉のターニングポイントについてである。
このような夜を〈僕〉が過ごすようになったのにはあるきっかけ、ターニングポイントがあった。それは遊園地の道化師、医者の父親、六月のナオコ、大学の夏休み、空手サークルの中田先輩、待ち合わせ場所のファミレス、九月のナオコ、……と様々な事柄の錯綜の末に起こった転換であり、この物語は〈僕〉のターニングポイントについてである。