近代都市
現代の食生活はとても合理的になった。
どの身分、職業の人間にも給食が支給される様になっていた。
それのどこが合理的か?
自分の食べたい物が自由に食べられないのは不自由ではないか?
まず配給する手間や運搬ラインの構築にどれだけの金が金がかかるのか。
この給食システムが導入されたのは人工AIによる都市開発が進んでしばらくしてからだった。
発案者は何とAI自身だった。
AIに自我はないと考えるなら人工AI開発者である不知火博士が発案者と言えるだろう。
不満の一番の内容は、その日の気分で食べたい物が変えられない事だった。
だが、その理由は既にクリアされていた。
給食と言っても中身は個人が内容を選択でき、その内容に沿って配給される。
しかも出来立てで栄養バランスも考慮、更には1日のカロリー計算もしてくれる。
まさに少し前のスポーツ選手が受けていたかの様な充実した内容である。
給食の合理性は徐々に認められるようになる。
まずは栄養バランスの管理により疾病率が下がり医療機関への負担や国の医療費の負担が軽減された。
そして食品のロスが減った事により環境問題にも改善がみられただけでなく、食料生産の安定化もみられるようになった。
まだまだメリットはある唯一問題だったのが、
それが出来たのは人工AIが都市開発した地域のみだと言うことだ。
その噂を聞きつけた各国、各地域はシステムをコピーしようと試みたが不知火博士が作った人工AI
(New)のコピーは誰も作る事が出来なかった。
Newの凄い所は合理的なだけでなく人間の感情を理解しているかの様な行き届いたサービス内容、都市の開発だった。
バリアフリー、子育て、教育、通勤、娯楽、飲食、自然全てを調和させつつ便利でスムーズで住みやすい。
まさに完璧な都市開発システムだった。
初めはコピーしようとしていた各国も徐々に本物には及ばないと理解したのかNewのシステムを受け入れる様になっていった。
最初は他国の人工AIに都市開発させるのかと反対運動も盛んに行われていたが、Newの便利さ開発された都市の美しさ、治安の良さ、サービスの充実さを間近で見ていれば徐々に反対運動もみられなくなった。
そして全ての国がNewの都市開発システムを導入して10年が経った。




