相談のハズが……
ひなの言う通りに、ショッピングモールで買い物をした後、4人はバスで駅まで移動する事にした。
バスを待つ間、ひなは仁から少し離れた所で、理緒や涼に、無理矢理来てもらった理由を話す。
「 本当に、今日はとんでもないお願い聞いてくれてありがとうね。仁と二人きりに絶対なりたくてね」
「 別にいいですけど。なんで、2人きりになりたくないんですか?」
涼は、至極真っ当な質問をした。
ひなが、答える前に夕陽がこういい当てた。
「………どうせ、仁と2人きりになったら恥ずかしいとかじゃろ? 」
「 ほうよね。 なんで、あんたは、そうズバリと言い当てるかね」
夕陽に言い当てられて、恥ずかしいのかひなの顔が赤い。
「 いや~、実はあのバカの事好きって認めたら一緒におると、意識しまくりでさ。心にない事を言って最終的にケンカになるんよね。いつもは、学校の友達が止めてくれるけど、今日はおらんしね」
ひなは、ニャハハと笑って誤魔化す。
夕陽は、ジト目でひなを見る。
「 それで、今日もこんなむちゃくちゃなお願いしたんかい。 おれは、ちょっと話するだけじゃったのに。相変わらずじゃね。とんでもない行動するの」
「 うん。でも、それだけじゃないんよ。来てもらったん」
「 何しよん? バスが来たで」
仁に呼ばれ、夕陽達はバスに乗る。
「 さっきの続きじゃけどね。私の兄が、知り合いに猫さん押し付けられてね。キャットタワーと一緒にね。うち貸家じゃけ駄目って言ったけど、その人飽きたからって無理矢理置いてったみたい。仕方ないから大家さんに事情話したら、大家さん許可してくれたんだ。でも、困った事にキャットタワーを兄さんがよう組み立てられんけぇ手伝ってもらいたかったのと、猫さんの物買いに行くのもね」
「 はあー、世の中酷い人もいるんですね。飽きたからって、猫手放すの。なら、最初から飼わなきゃいいのに」
「 そうだよ、物じゃないんだから、簡単に手放すなんて可哀想だよ」
涼と理緒が怒って言う。
「 大家さんも、2人と同じ事言ってたよ。だから、飼う許可くれたんだと思うけどね」
そんな話をしているうちに、バスは駅に到着した。
「 あっ兄さん? わざわざ迎えに来てくれたん?」
バスから降りると、ひなの兄 茂が迎えに来ていた。
「 あっこの前、うちに来たお兄さん。ひなさんのお兄さんだったんだ」
「 拓の妹の理緒ちゃんか。この前は、遅くまですまんかったの」
茂は、頭をかきながら、理緒にそう言った。
「 理緒の知り合い?」
「 お父さんの飲み友達」
「 ふーん」
「 それは、そうとこのやんちゃ猫抱いてくれんか? 」
理緒と涼の会話に割り込むと茂が、ペット用のキャリーバッグを開けると中から、黒い猫が出てくる。
「 にゃー。にゃー」
「 可愛い。おいで」
理緒が抱っこすると、黒い猫は、大人しくなる。
「 車でも暴れてから、大変なんよ」
「 昨日は、隠れて出てきもせんかったんのに」
「 慣れたんじゃろ。茂兄早く、帰って組み立てんといけんのじゃろ」
「 なんじゃい、仁おったんか。ヘタレのお前に組み立てられるんか?」
「 あなたに、言われとうないです」
仁と茂の間に、見えない火花が散っていた。
「 もう、ええけ、いぬるよ。( いいから帰るよ。)」
ひなに諫めれて、仁と茂は口を閉じた。
夕陽達は、駅前の駐車場に向かい、茂の車で、ひなと茂の住む家に向かった。
キャットタワーや買ってきたケージを皆で組み立てたが、事あるごとに、茂と仁が啀み合うので、夕陽やひなが2人を宥めて、その間に理緒や涼が作業を進めるという状況になった。
「 本当に、ありがとう。涼くん。理緒ちゃん。夕陽。別な形でお礼させてもらうね」
ひなは、3人にお礼を言ったあと、理緒がすかさず、こう言った。
「 ひなさん。クロに会いに来てもいいですか? 」
「 ええよ。いっそのこと、クロ連れて遊びに行ってもいい?」
「 えーと、家の親に許可もらわないといけないけど、多分大丈夫」
「 本当。じゃこれ、スマホの番号とメルアドね。また連絡する」
――ひなって凄いよな。年下の子ともすぐ仲良くなれるなんて。イヤその前に、キャットタワーを組み立ててくれてくれとか、片思いの男と二人きりになるのは、嫌だから一緒にいてなんて、初対面の人間に頼んだ挙句、了承させるんじゃもん。おれにゃ、無理かも。
と理緒とひなのやり取りを見ながら、夕陽はそう思った。
「 じゃあ、そろそろ送ってくわ」
「 気をつけてね。夕陽は、風邪ひかんようにしんさいよ。10月になって寒くなってきたけぇ」
「 うん。 わかった」
「 さようなら」
ひなは、3人の乗った車を見送った。
「 疲れたね」
「 うん。」
「 夕陽どうしたの? ぼーっとして」
後部座席の右端に座った夕陽が、ぼーっと外を見てたので、心配になった理緒が声をかける。
「 んー。いや、仁とひなあの2人の間に波乱が起きそうだなって思ったん」
「 まあ、今日も色々あったもんね」
「 あの2人絶対なんかやらかす。得に、ひなって、昔からトラブルメーカーじゃし」
夕陽は、断言すると盛大にため息をついて、これから起きるであろうトラブルを想像したのであった。
なんでこうなったんだろうと、これを書いた時の自分に問いたいです。
ツッコミ等お待ちしてます。(笑)




