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異世界から戻ったおれが、双子の姉の姿になっていた件。  作者: ねこた まこと
三章 おれと愉快な仲間達の日常。

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猫ってそんなもの。



とある休みの日の朝。いつもの時間に目が覚めたそらは、夕陽(かいぬし)にご飯をおねだりをする為、自分の猫用ベッドから夕陽(かいぬし)のベッドに飛び乗る。



「 夕陽 朝だよ。起きて~ お・き・て~」


そらは、眠る夕陽の上に乗って起こす。

ん~と、夕陽は唸り声を出すが起きない。


「 起きて~ そらお腹すいた~ んにー」

「 うるさい。寝かせてぇや。……まだ、5時半じゃん」


夕陽は、枕元の携帯で時刻をチェックして抗議する。


休みの朝まで、ご丁寧に時間きっちり起きるそらには、感心する。けれど、せめて、一時間は、惰眠をむさぼりたい。


そんな夕陽の思いとは裏腹に、お腹がすいたそらは、夕陽が起きるまで攻撃の手を緩めない。


「 起きろ~。夕陽のばか~」


パシンパシンと、そらは夕陽を前足で、

叩き始めた。

痛くはないが、やられる側の人間には、はた迷惑な攻撃である。

最初は、耐えていた夕陽も何発も叩かれる内にうざくなって、起きる羽目になった。


「 あーもう、わかったけぇ。騒ぐなや。アキが起きるじゃろ」


夕陽は、間仕切り代りの本棚の方を見る。クークーという寝息が聞こえてきて夕陽は、ホッとする。


「 早く降りてや。ご飯準備するけぇ」

「 わーい。そらの勝ちー」


そらは、嬉しそうにとっとこと、台所を目指して歩く。


夕陽は、まだ寝てる家族を起こさぬように、ソロソロと廊下を歩く。

そっと、台所のドアを開ける、真っ先にそらが入っていく。

夕陽は、台所の隅の棚から猫缶を取り出す。


「 全く、人間の缶詰めより高いんじゃけ。贅沢なお猫さまじゃね」


ブツブツ文句と夕陽は、文句をたれる。

一つ数百円はする猫用缶詰め。これ一個で多分、人間用缶詰め安い物なら数個買える計算だ。



「 だって、安いの美味しくない。高いやつのが、そら好き。それより、早くパッカンしてパッカン」

「はいはい。あた」

「 あーあ」


手元を見ずに、猫缶を開けた夕陽の右手の親指は、ざっくりと切れていた。


「 痛い。血出とる」

「 早く、ばんそーこはったら?」

「 ばんそーこじゃなくて、絆創膏ね」


そらにツッコミを入れてから、夕陽は、水道で指を洗うと食器棚の引き出しに入っている絆創膏をはった。


「 ばんそーこ貼ったんだから、早くパッカンの中身ちょうだい」

「 うう。そらはおれの心配より、ご飯の心配なんじゃ。 おれ悲しい」


夕陽は、泣き真似しながら、そらのお皿に缶詰めの中身を移すが、そらはご飯に釘付けである。


「 そうよね。猫に心配しろって無理か」


あむあむと、ご飯を食べるそらを見ながら夕陽は、そうぼやいた。




「どうしたんだ? 親指」

「 朝、そらの猫缶開けた時に切ったんよ。 よそ見しとったけん」


拓人と商店街近くのファッションビルに買い物に来ていた夕陽。


ファッションビルのファストフード店でお昼を食べていた時に拓人が親指の怪我に気がついた。


「 僕もやった事あるよ。おにゃんこさんに急かされて、猫缶開けたら、ざっくり切れてさ」

「 おれもだよ。そらに急かされて開けたら切ったんよ。よそ見しとった俺が悪いんじゃけどね。」

「 おにゃんこさんに心配してほしくて、アピールしたけど、肝心のおにゃんこさんは、ご飯に夢中」

「 おれもそらの前で泣き真似したけど、全然意味なかった」

「「 はあ~ 猫ってそんなもんよね」」


二人同時に、同じセリフを言って恥ずかしくなった拓人と夕陽だった。






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