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異世界から戻ったおれが、双子の姉の姿になっていた件。  作者: ねこた まこと
一章 異世界から戻ったおれの新しい日常☆

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アキと仲直りのち……



アキとケンカしてから、約1週間過ぎた日の夕方、部屋で夕陽が勉強していた時の事。



「 夕陽。この前は、ごめんなさい」


アキに頭を下げられて、夕陽は一瞬なんのこっちゃ?と首をかしげたが、アキがポータブルミュージックプレイヤーを壊した事かと思い出す。


「 別に、もう怒っとらんし。俺も言い過ぎたし。ゴメン」

「 ううん。夕陽が怒るのは当然だよ。朝陽兄ちゃんに買ってもらった大事な物を壊しちゃったんだもん。姉ちゃんと母さんにも、たっぷり叱られたしね。もっと人の気持ち考えんさいって。あと、嫌いって言ってごめんなさい。本当は、好きだよ」

「 それは、姉妹として好きと捉えてええの?」


夕陽は、アキをジーっと見つめながら、言う。アキは、夕陽の視線を躱すように、顔を背けながら怒鳴る。


「 あっ 当たり前じゃん。 まさか、夕陽はウチの事」


――姉妹の一線を越えるの?いや駄目だよ。


とアキはあらぬ事を考えるが、夕陽は即座に否定した。


「 そんな訳なかろう。 俺もアキの事は、好きじゃけど、家族としてじゃもん。 ただ、からかったら面白いけぇ、アキの反応は。へっへ」

「 もう」


アキは、怒ったふうに、言うがその顔は、笑っていた。

二人の間から、長年のわだかまりが無くっなった瞬間だった。


―――


その日の夜。ドライヤーで髪を乾かしながら、夕陽はぽけ〜っと考え事をしていた。


――お風呂にも入ったし、予習復習もやった。

でも寝るまで時間あるしな。このまま寝るのもったいないし。あっそだ。



「 そういや、アキはえーと長谷川さんとは、最近どうなん?」


夕陽は、せっかくだから姉妹らしい会話をと思い、女子らしく恋バナを振ってみた。とはいえ、恋バナは、ハルカとしかした事ないせいかぎこちない。



「 夏樹先輩とは、上手くいってるよ。夕陽こそ、林原さんだっけ?上手くいっとん?」

「 向こうが部活で忙しいけどね。 どうにか、会う時間を作ってくれとるみたい」

「 ふーん。ねっ二人でどっか行ったりせんのん?」


 最初ぎこちなく始まった恋バナだったが、なんだかんだ盛り上がり、その日は遅くまで話し込んだ二人だった。





「 38・9℃ 今日は、学校休まなきゃ」

「 はーい」


翌朝、夕陽は、昨夜の夜更かしが原因か不明だが熱を出していた。


「 ちょっと、夜更かししただけじゃに、なんで熱が出るん? この体が律のじゃけ? でも、律は、風邪ひとつひいた事ないんよ。中学生になったけぇって、しょっちゅう夜更かししとったのに」

「 うーん。こればかりは、医者だけど私もなんとも言えないわ」


瞳子は、夕陽の疑問に答えてやれず、やきもきするが、検査をしない限り答えは、出ない。


「 とにかく、今日は大人しく寝ててね。お昼には、戻ってこれるから。水分しっかりとってね。ここに、スポーツドリンク置いとくから」

「 うん。わかった」


夕陽は頷くと眠りについた。

瞳子は、夕陽が眠ったのを確認すると出勤した。


瞳子は、病院に着くやいなや旦那の行方を病院スタッフ訊いてまわる。

やがて仕事中だと言うのに、患者相手に将棋をさしていた優を見つけた。


「 院長先生」

「 なんだ、瞳子か」


―――なんだじゃないわよ!このちゃらんぽらん亭主!こっちは夕陽の事が心配でたまらないのに!

と怒鳴り散らしたいのをがまんし、かろうじて、瞳子はこう言った。


「 病院では、音無先生と呼んで下さい」

「 ハイハイ、音無先生なんですか?」

「 ここじゃ、なんですから、院長室でお話をしましょう」


瞳子は、優が将棋をしていた患者に一言詫びを言うと、優と院長室に向かった。


瞳子は、院長室に入ると、院長秘書に席を外してほしい胸を伝え、鍵を締めた。





「 改めて言うわ。夕陽の事よ」


瞳子は、そう切り出すと夕陽の今朝の発熱について話した。


「 そうか、やっぱり」


朝、医者でありながら夕陽の疑問に答える事が出来なかった事と、自身が腹を痛めて生んだ訳じゃないが、それでも夕陽には、実子と同じかそれ以上に母親として愛情を注いでる。親として何も出来ない悔しさから、夫に対して怒りをぶちまける。



「 あなた、分かってたの?なら、なんで教えないの」

「 イヤ、ちょっとしたことで体調崩しやすいって予想してただけで、本当にそうなるって思ってなかっんたんだよ。この前のは、夕陽の無茶したせいじゃって思もうたけど」

「 じゃ、あの子には、制限が必要なの?」

「 いや必要ないじゃろ。その代わり、あまりにもひどいようなら、入院せんにゃならん」

「 わかったわ。 今日は、私お昼までだから」

「 おう。なんかあったら、連絡せいや」

「 ええ」


瞳子は、院長室をあとにすると、自分の仕事に戻った。


瞳子は、仕事を12時半までに終えると、急いで自宅へ帰った。


「 ただいま。夕陽?寝てるのかしら」

 

 どんなに寝ていても、勘がいいのか夕陽は、起き出して瞳子を出迎えてくれる。

先日入院していた時でさえ、病室に行くたび、辛くなければ起き出してきたくらいなのに。

瞳子嫌な予感がし、家の中を探すとトイレの前で倒れてる夕陽を発見した。


「 夕陽! 夕陽! 」


瞳子が頬を叩き声をかけるが反応がなかった。


瞳子は、すぐに救急車を呼んだ。

夕陽は、救急車により桃宮中央病院に、緊急搬送された。




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