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異世界から戻ったおれが、双子の姉の姿になっていた件。  作者: ねこた まこと
一章 異世界から戻ったおれの新しい日常☆

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家族に会いたい。

本日二回目の更新です。



学校から帰ると、アキが話があると言われて部屋に入った。


「 夕陽。 壊しちゃった。ごめんね」


アキが謝りながら出してきたのは、無残な姿になったポータブルミュージックプレイヤーだった。


「 これ、朝陽兄さんが()うてくれ

た物。 アキ、なんで壊したん。ずっと、大事に使ってたのに」


朝陽とは、夕陽の実の兄で、夕陽とは、十歳近く離れている。

その兄が、夕陽の誕生日プレゼントに買ってくれた物だった。唯一、実の家族との思い出の品だから大事に使っていた。


「 えーと、消しゴム借りようって思って夕陽の机を勝手に、探してたら落として踏んじゃった」

「 はあ?!人の机勝手にいじる時点で、おかしいじゃろ。だいたい、これ机の引き出しに入れとったのに、なんで、落ちるんよ!」


夕陽は、大声でアキを詰問する。前もそうだった。朝陽がお小遣いをコツコツと貯めて買ってくれたミニカーを壊した時も、勝手にいじって壊したのだ。

謝ってきたが、反省などまったくしてなく、ただヘラヘラと『ごめん』と言っただけだった。

 今も同じで『ごめん』と()()言っただけで、反省なんか一ミリたりとも、していやしないのが物凄くわかる。そのせいでくる怒りを込めて、アキを睨むが、肝心のアキはムッとした顔になった。



「 知らんよ。夕陽がちゃんと、仕舞っとらんけぇ落ちたんじゃない。ウチのせいじゃないもん」


アキは、逆ギレとも取れる発言をする。


「 ふざけんな! 勝手に人の机から物持ってこうとした上に、人が大事にしとった物、壊しといて、なんやその態度」

「 ウチ謝っとるじゃん。夕陽は、いっつもそうじゃ、謝っても許してくれん。じゃけ、嫌いなんよ」

「 お前、心の底から反省した上で、謝っとる? ごめんなさいは、免罪符じゃないんでよ。なんで、その人が怒っとんか、きちんと理由を理解して、反省してからのごめんなさいじゃろ」


夕陽はそれだけ言って、自分のスペースに引っ込んだ。

アキは、夕陽の言った意味が分からず、暫くポカンとしていた。


夕陽は、制服から部屋着に着替えるとそのまま、ベッドに潜りこみ頭から布団を被る。


「 あーあ。めげてしもうて ( 壊れてしまって) 使われんじゃないか。アキのバカ」


壊れたポータブルミュージックプレイヤーを見ながら、一人文句をいい続けた。


暫く、文句言いたい放題言うと、落ち着いた夕陽は、ふと実の家族の事を思い出す。

異世界から日本に戻って、随分経つが一度も会ってない。

今の父に、会うのを固く禁じられているせいである。


「 せめて、遠くからでも見れたら、ええんじゃけど」


夕陽は、そう呟く。

今の生活に慣れるのに、背一杯で家族の事を思い出す暇なんてなかった。

家族の顔を思い浮かべると、涙が出てくる。


「 なんで、涙が出てくるんよ。もう、泣き虫は卒業したのにから」


そう言いつつも夕陽は、泣いていた。

そこへ雫が、声をかけてきた。



「夕陽、ご飯よ」

「いらん。欲しくない」

「また調子が悪いん?」


 とそっと布団を捲ってくる。雫は、手元のポータブルミュージックプレーヤーと涙目の夕陽を交互に見て、状況を理解したらしく、『寝てなさい。母さんには言っとくけぇ』と言って去っていった。



―――


「 会いたい。父さん。母さん。兄さん。なんで、この家に養子に出したんじゃろ」


夕陽は、鼻をぐずぐずとすすりながら、自分が、この家の養子になった理由を考えながら、いつの間に寝ていた。


翌朝。今日は休みで皆まだ寝ている。

夕陽は、水色の半袖Tシャツと同じく水色のスカパンに着替えた。

Tシャツの上にパーカーを羽織り、リュックを背負った。


「 ごめんなさい。遠目にでも、家族に会いたいんです。約束破ります」


夕陽は、両親の寝室の前で両手を合わせてそう言うと、こっそりと家を出た。





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