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異世界から戻ったおれが、双子の姉の姿になっていた件。  作者: ねこた まこと
一章 異世界から戻ったおれの新しい日常☆

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同じ気持ち



朝。学校に着いた夕陽が、自転車を駐輪場に止めてると、ハルカが待っていた。



「 おはよう。ゆう」

「 おはよう。 ハルカ」



夕陽が編入した翌日から、ハルカは毎朝、駐輪場の側で夕陽の到着を待っている。ハルカは徒歩通学だし、家の方向も逆なので一緒に登校なんて難しい。だけど、他に友達がいないのかと夕陽は心配になり、それとなく訊いてみた。


「 ハルカさ、なんでいつも駐輪場で、おれの事待っとん? 」

「 なんとなく。ゆう以外友達いないせいもあるけど。別にイジメにあってる訳じゃないよ。 ただね、女子特有のゴタゴタとかが面倒なだけなんだ」


 ハルカも入学してすぐの頃は、とあるグループ所属してたらしい。だが、女子特有のドロドロした争いや陰口についてゆけず、自然とグループから離れたらしい。


―――なるほどな。ハルカの性格じゃあ、女子特有のドロドロしたものとか馴染まないよな。


「 おれの幼なじみも言うとったっけ。 友達だって思ってた子に、影で悪口言われてたとか」

「 そう。私の場合さ、テスト前に遊びに行こうって誘われたのを断ったらさ、影で『ハルカって優等生ぶってる』って言われてたんだよね。私としては、当たり前の言ったつもりだったんだけどね」


 教室に向かいながら、そんな会話を交わす二人は、一年C組と書かれたプレートのある教室に入る。

自分の席に着くと、机に教科書をしまうと、夕陽の前の席のハルカが、振り返って、おしゃべりの続きをする。



「 話変わるけど、ゆう。彼氏とはどうなの?」

「 どうもこうも、最近はあんまり会っとらん」

「 なんで?」

「 部活の大会が近いんだと」

「 寂しくない?」


―――むぅ。ハルカはストレートに訊いてくるな〜。でも変に気使われるよりいいかも。



「 寂しいよ。でも、仕方ないじゃん。我が儘言って、困らせたらいけんじゃろ」

「 ゆう。そんな事言ってたら、他の人にとられちゃうよ」

「 うっ 」


夕陽は、ずっと気にしてる事をハルカに言われて、言葉を詰まらせた。

自分は、元男の子で生粋の女の子とは違う。

ましてや、今の自分は中学生で、拓人より四歳も年下、女子高生と比べれば、まだまだ子供である。

学校に行けば、まわりにいくらでも魅力的な娘はいるはず。

拓人が、他の人に気持ちがなびいても不思議ではない。

そう考えると、いくら拓人が忙しくても会えないのを我慢するのだって、限界はある。


「 なんか、不安になってきた。今日の放課後会いに行ってみる」

「 絶対それがいいよ」


夕陽が、そんな決断をした頃、一人の男子高校生が、ため息をついていた。


「 どうしたんですか? 林原先輩。朝から、ため息なんかついて」

「 ああ、高橋か。僕の気持ちなんか、お前にゃ分からねーよ。毎日毎日、彼女とイチャイチャしてるお前にゃ」


と隣を歩く後輩に嫌味を言う。部活は違うが、委員会が同じで仲もいいので、よくつるんでいる。

高橋と呼ばれた少年は、ガタイのいい体をズイッと拓人に近付けて文句を言う。

端からみたら、カツアゲか脅迫してるようにしか見えない光景だ。


「 毎日、イチャイチャしてる訳じゃありません。彼女に会えないからって、後輩に嫌味言うのやめて下さい」

「 嫌味の一つや二つぐらい言いたくなるさ。好きでやってるバスケだけど、そのせいで、彼女に会えないなんて意味ないんだよ」

「 なら、会いに行けばいいじゃないですか」

「 用もないのに、会いに行けるか」

「 そんな事言ってたら、他の奴にとられますよ」

「 高橋。お前先輩によくズバッと言えるな、一応、気にしてるんだぜ」

「 当たり前の事言っただけです。まじで、夕陽ちゃん。とられますよ。あんな可愛くていい娘。とられてもいいんすか。旭ヶ丘って、中高一貫ですよね。同級生だけじゃなくて、上級生も沢山いるんでしょ?狙われたい放題じゃないですか」



―――狙われたい放題ってやな言い方するなぁ。

と思いつつも、頭の中では、オオカミ化した野郎達(だんしせいと)の中で、メソメソと泣く子羊(ゆうひ)を思い描いていた。ついでに聴こえるはずのない、『助けて!拓人さん』という声が聴こえる始末だ。どうでもいいが拓人よ。彼女バカもここまでくれば、重症な気がするぞ。



「 うし、今日の放課後会いに行ってみる」

「 その調子です」



そして、放課後。夕陽は、帰りのホームルームが済むやいなや、ダッシュで駐輪場に向かった。

拓人に会いに行くために、急いで学校を出るためである。


校門を出てすぐ、自転車に乗ろうとしたら、遠くから見覚えのある人物をみつけ大声で、呼んだ。


「 拓人さん」


夕陽のまわりに、いた数人の生徒が何事かと、じろじろ見ていたが、夕陽は気にせず拓人の元に向かった。


「 なんで、おるん? 部活は?」

「 サボった。夕陽に会いたくて」

「 うっ嬉しいけど、部活はあんまりサボらんといてや」


夕陽は、拓人から顔を背けながら言う。嬉しさのあまり、顔がにやけてるのをあまり、見られたくないからである。


「 なんてね。サボったのは、嘘だよ。今日は、休みになったんだよ」

「 嘘。じゃあ」

「 サボりは、嘘だけど、夕陽に会いたかったのは、本当。後輩に、他の奴にとられますよ。って脅かされてさ。それで」

「 なんだ。そうだったんじゃ。俺も、友達に同じ事言われて、拓人さんに会いに行くところだったんじゃ」


夕陽は、笑顔で話す。自分と拓人が、同じような事を考えていた事が、嬉しい夕陽だった。





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