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2話「屋敷探索だってね」

今回は説明回になってます。

知られたくない秘密。知ってほしくない過去。それを知ってるのがどんなに辛い事か、俺は知っている。


◆◆◆◆


まず、俺達は近いって理由で二階から見に行った。

俺の部屋から近い階段を下りて直ぐの部屋は会議室らしく、コの字机と椅子、中央に何かの装置があった。おそらく、ホログラムの起動装置だろう。真ん中にレンズのようなものがあったし。


会議室の隣は書斎兼仕事部屋になっていた。壁は本でびっしりと埋まり。中央にソファーとテーブル、奥に机と椅子があった。

ここからでしか行けない部屋には、禁書やら危ない本やら沢山あった。『ホムンクルスの錬成』から調べるのを止めたがな。


Π型になっている通路の上部分に出て右側に庭が一望出来るバルコニー。左側に図書室があった。

ファンタジーらしく、図書室は異空間に繋がっており。屋敷と同じくらいの広さがあった。空気の流れがあるから本は増えたり減ったりしているのだろう。

庭は、中央のやや奥に戦闘ができるぐらい広いスペース。右上に畑、左側に花壇。物置を挟んで、左下右下にそれぞれ小屋がある。


会議室と書斎のある反対側には、ランドリースペースと風呂。トイレ、占い部屋があった。

風呂は窓から庭が見えて、しかも大浴場になっていた。だが、男女で別れていないので混浴かな?

部屋に風呂が付いてたからどうでもいいが。

トイレは、まぁ、キレイだった。


占い部屋は何も書いていない本が並び、奥に机とペンとインクがあった。・・・スゲェ空気が重いなここ。

中央には魔方陣があるが、これは?


「魔方陣に魔素(マナ)が集められて、この部屋の魔素濃度が一定に保たれているのね。」


「そうなのか?やけに空気が重苦しいとは思っていたが。」


「えぇ、魔素濃度が高いと魔法の研究がしやすいらしいわ。私は魔法を使わないから知らないけど。」


「そうか。後で、ここの部屋をあいつに知らせるか。」


あいつの正体は後々ってことで、俺達は一階に向かった。


階段を降りるとホールに出た。柱が四本と玄関だけで他は何もないが。

H型の廊下の右側に出るとハユリとマリンに会った。ハユリはドア近くの壁を調べており、マリンは退屈していた。


「何かあるのか?」


「ええ、ここが怪しいって思ってね。」


よしきた。


「そうか。他は?」


「何もなかったわ。ここから応接室が二つとキッチンと簡易食糧庫。手前の応接室は高級そうだったわ。庭側の壁がガラス張りになっている食堂を挟んで、音楽室と楽器置き場、ダンス部屋、娯楽室と続くわ。突き当たりには地下への入り口があったから、そっちを見てきてくれないかしら?」


「おーけい。ハユリはそのまま探しててくれ。マリンと沙羅は俺と地下に行くぞ。」


退屈していたマリンを連れ、地下に向かった。

地下はそんなに広くなく、食糧庫と武器庫しかなかった。食糧庫は野菜や肉や魚の他にワイン等の酒もあった。天井に魔方陣が施されており、永久保存が出来る仕組みになっていた。

武器庫はまだ何もなく。鎧たてと壁掛けできる金具しかなかった。


「そう言えば、何で私は蓮と一緒だったの?」


武器庫を調べている時に沙羅がそう聞いてきた。


「何でって。そりゃあ、ハユリと組ませたら大変になりそうだったからだよ。」


「ハユリちゃんに何かの能力があるの?」


「ハユリは人一倍、勘が強いんだ。女性バージョンだと特にな。この屋敷に何か隠されているか調べてもらってたんだが、好奇心が旺盛すぎる沙羅と組んだら調べたくても引きずられるからな。それと後になると思うが沙羅に頼みたい事があったし。」


「頼みたい事?」


「俺の能力の≪高速再生≫で実験したいことがあるんだ。まぁ、切った腕がちゃんと生えてくるか調べたいだけなんだが。もし、生えたら腕は沙羅に処理してもらおうと思ってたんだよ。」


その他にも、切った腕をくっ付けられるかも調べたかった。切れた腕から俺の情報を読み取られたくなかったし。まぁ、どっちにしろ灰もなくなるまで燃やすか沙羅に食べてもらえばいいがな。


「やっぱり、知ってるのね。私が食人鬼だってこと。」


「そうだな。沙羅達を生み出したのは俺だし。まぁ、設定を作り出したって言った方が正しいか。」


「そう。なら、凪くんの事も知ってるの?」


「あぁ、裏世界に起きた事も全部。」


沙羅の居た世界は、裏世界と表世界の二つの世界がある。裏世界には人外が、表世界には人間が住んでいて交流も盛んだった。凪は表世界に住む人間、つまり食糧となる生き物に沙羅は恋をした。二人は相思相愛で結婚もしてた。だが、表の連中が裏を乗っ取ろうとした戦争で沙羅は凪を食べることになってしまったんだ。

それが、沙羅の忘れたい過去。誰にも知られたくない過去。

俺はそれを≪我が子≫にいる主人公全員のを知っている。誰にも知られたくない秘密さえも。


「その事については謝ろうと思ってたんだ。一人一人全員にな。どの子も家族がいて恋人がいて変える場所がある。俺はそれを奪ったも当然だからな。それと、マリンにも双子の弟がいるだろう。会えなくしてしまってすまんな。」


「いいのよ。面白そうだし、退屈していたとこだったの。」


「そっか。よし!こんなにシリアスにするつもりはなかったんだ。ハユリのとこに行ってこようぜ。」


「あったわよ。」


「お。丁度、そっちに行こうとしてたんだ。よし、行こうぜ二人とも。」


俺達は一階のハユリのところに向かったが、マリンが出て行った時に沙羅が立ち止まった。


「蓮。私は気にしてないわ。秘密を知られた事も、凪くんの事も。だから、心配しなくていいのよ。マリンも本当に楽しそうにしてるわ。他の子と遊んでばかりだけど。」


そう言って、沙羅は先に行ってしまった。

・・・秘密か。この先も何かありそうだな。色々と。


ーーーー


ハユリのところに行くと先程までなかった階段が出現していた。どうやら、壁のランプを下に引くと仕掛けが作動する仕組みらしい。

中に入って真っ先に目についたのは、7つもある牢屋だった。


「凄いわこの牢屋。≪詠唱阻害≫と≪魔素侵入不可≫に≪筋力低下≫と≪祝福(アビリティ)使用不可≫とか、入れられたら出られないようになる魔方陣が全部の牢屋に書かれてる。しかも、≪書き換え不可≫まであるわ。」


おおう。聞いただけで入りたくなくなるもんばっかだな。何でこんなのがここに。その答えは次の部屋にあった。

牢屋の他にもう一つある部屋には理科の実験で使えそうな怪しい装置ばかり置いてあった。だが、電気ではなく魔力で動く辺り流石異世界だな。

そうか、ここでホムンクルスの研究とかが出来るのか。さっきの牢屋はそのせいかな。まぁ、罪人を入れる為でもあるんだろうけど。


最後の部屋の前に、忘れてた三階の話を少し。三階は俺の部屋と、子供部屋が4つ、空き部屋が1つ、客室が4つ、使用人室が1つだ。


さて、最後の部屋は何やら厳重に守られていた。入り口にはスキャナーみたいなゲートがあって俺と≪我が子≫しか入れないようだ。

突き当たりには台座があり、虹色の光る宝石みたいなのが浮いていた。


「これは、私でもわからないわ。魔法に詳しい人に頼むしかないわね。」


「そうだな。じゃあ、マリン一旦戻ってもらってもいいか?」


「いいわよ。」


「よし、じゃ。」


≪`マリン`戻れ≫


≪`沙夜伽`召喚≫


俺が呼び出したのは魔法のスペシャリストである魔女の沙夜伽(さやか)だ。普段はワンピースやドレスを着た可愛らしい女の子だが、中身は千年を過ごした大魔女。いわゆるロリばばぁである。

武器は、魔法の杖の代わりに傘、近接では包丁を使う。


「沙夜伽の呼び出しも大丈夫みたいだな。」


沙夜伽は目を開け、宝石の方を見た。どうやら、話は聞こえてたらしい。


「それで、この魔核(コア)を調べればいいの?」


「そうだ。俺も鑑定魔法を使ってはみたいが、魔法の使い方すら知らんからな。頼む。」


「いいわ。そうだ、後で魔法を教えてあげるわ。一度、弟子をとってみたかったの。」


「おっと、それは有り難いな。」


「じゃ、ちょっと待っててね。」


沙夜伽の鑑定魔法が終わるまで、俺達は他愛もない話をしていた。沙羅によると、好きなものや趣味何かに裏設定みたいなものがあるそうで。特に、決めていなかったところにそれは働いてるらしい。例えば、ハユリの趣味は読書で一番好きな本はおとぎ話だが、一番好きな本は決めていないんだ。これは、皆と話すのが楽しみになってくるな。

そうこうしているうちに、終わったようだ。


「中身は複雑な結界魔法の術式が組まれた魔核だったわ。おそらく、この屋敷を守るためのものね。この大きさなら建国した時、街まで守ってくれそうよ。」


魔核とは魔物(モンスター)から取れる宝石で、魔物の心臓のような働きをするらしい。ここにあるってことは魔物はこの世界にもいるのだろう。そうだな。


「沙夜伽、有難うな。さて、これからどうする?俺はしばらく図書室にこもるつもりなんだが。水鬼ともう一人呼びたいやつを呼んだら、二人しか出られないし。」


「私はいいわ。たっぷり堪能したし。戻って暴れたいしね。」


「私はレンと図書室に行こうかしら。飽きたら交代すればいいし。」


「私は魔法を教える準備をするから一旦戻るわ。とことん張り切りたいの。」


「決まりだな。それじゃ、お疲れ様。」


≪`沙羅``沙夜伽`戻れ≫


≪`雷華``音無`召喚≫


雷華は擬人化の出来る雷獣、音無は音を操る改造人間だ。雷華は着物、音無は全体的に黒で統一していて下袖の長い服を着ている。武器はそれぞれ、雷獣化と音だ。


「雷華はとりあえず、水鬼が帰ってき次第この森の王になってくれ。音無は自由にしてていい。」


「王ってざっくりとし過ぎじゃない?まぁ、出来るけどさ。」


出来るんかい。


「わかった。」


「じゃ、再び解散だな。」


解散して直ぐ、俺は図書室に向かった。さてと、頑張りますかな。

世界観設定までいれると長くなりそうなんで一旦切りました。次回に回そうと思います。

アレレー?シリアスニスルツモリナンテナカッタノニナー。

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