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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

三十と一夜の短篇

アア、食べてみたい(三十と一夜の短篇第4回)

作者: 実茂 譲

 ずっと見ていた。

 アア、食べてみたい。

 隣のテーブルの彼女はナプキンを軽くたたんでテーブルにおき、ウェイターに美味しかったわと一言。「ソースが絶品だったわ」

 アア、食べてみたい。食べるゾ。食べるゾ。


 アア、殺したぞ。

 レストランの帰り道。襲いかかって、彼女の腹を切り裂いた。中身を引きずり出す。

 それで、ようやく準備にかかれる。料理は素材が命だ。ちゃんと洗っておくことだ。

 アア、食べてみたい。


 ボクは彼女の腸から引きずりだした三〇〇カラットのダイヤモンドを銀の皿にのせた。

 ウェイターに注文する。「そのダイヤモンドをにんにくで炒めてくれたまえ。にんにくは炒めているうちに溶けてしまうくらいに薄く切るんだ」

 アア、はやく食べてみたい。



 ずっと見ていた。

 アア、食べてみたいワ。

 隣のテーブルの彼はナプキンを軽くたたんでテーブルにおき、ウェイターに美味しかったと一言。「にんにくのきかせかたが絶品だった」

 アア、食べてみたい。食べるワ。食べるワ。


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― 新着の感想 ―
[一言] こーわーいー( ;∀;) 300カラットのダイヤモンドは何かの比喩だと思って、「ひゃー、こわいー……」となったんですが、やっぱりダイヤモンドで「やだこわいー!」 隣の芝は青く見える。隣の…
[良い点] うわあああきしょい! [一言] 食べるって気持ち悪い行為ですと、うっかり気づかせてもらってどうしてくれる、なのかありがとうなのかひいては気持ち悪いけどちょっと何というか、魅惑って何なのか、…
[良い点] 隣の席の料理は美味しく見えて、隣の席の会話は弾んでいて楽しそうで、自分のテーブルが寂しく感じる。 それにしても隣をジロジロ見ながら、その時は何を食べていたんでしょう。指をくわえていたのでし…
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