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自己紹介part3

今回で自己紹介は終了です。

最後の方で助けてコール出る予定ですよー。


今回も不思議な魔法が登場します。知恵を絞って考えたので、楽しんでもらえると嬉しいです。

 おはようございますわ。本日、ナレーションを勤めさせていただく、春宮茜と申します。よろしくお願いいたします。

 今現在は教室で自己紹介をするため、待機しているところですわ。葵様が忘れ物をなされたようで、お待ちしているところですの。

 あら、お戻りになられたようですわ。


 ガラッ


「ごめんね、待たせちゃって。今日は自己紹介だよー。授業は全部無し!名前順によろしくねー」


 豪快に扉を開け放って、葵様が教室に戻ってきました。


 名前の順番、というと……わたくしは二、三番目くらいですわね。こら、静かにしていて下さい。今騒がれると、驚かせなくなってしまいます。


 ………いえ、此方の話ですのよ?


珠條聡たまえださとしです。能力は――僕は絵の具魔法って呼んでるんだけど――ものの色を変える魔法を使います。えっと、これからよろしく」


 聡様は赤い髪に紫の眼、ですのね。不思議な色合いですわ。………わたくしも人の事を言えないのはわかっておりますわ。わたくしは全体的に赤っぽいですしね。


 あら、わたくしの番のようです。


「春宮茜と申します。小さな頃から妖精と精霊のいる場所で育ったので、二つの種族が使う魔法と空を呪文無しで飛ぶことが出来ますわね。この服装は、昔からの……その、癖、と言いますか……。来ていないと安心出来ないので、許容してくださると、嬉しいです。よろしくお願いいたしますね、皆様」


 頬に手を当てて、微笑んでみます。人に挨拶するときはまず笑顔から。対話の基本……と言いますけれど、無表情でしかいられない方もいらっしゃいますしね。無理強いは出来ませんわ。


「す、すごい。昔の人みたい」

「昔の女性は一歩下がっていると言うが、その通りだな」

「所作が美しいですね。わたしも真似したいです」

「あら、お褒めの言葉を頂きましたので、わたくしからも……。お願いします」


 わたくしの言葉と共に、待ってくださっていた妖精さん達が飛んでいってくれました。見慣れているものですけれど、違う場所で見るのも良いものですわね。皆様の鮮やかな髪色にとても似合って、綺麗です。美しいですわ。


「茜ちゃん、これって何ー? 蛍みたいで光ってるんだけどー」

「その蛍の様なものは、妖精ですの。疾風様は精霊の方も見えておりますよね?」

「は、疾風様……?」

「駄目でしたか?」

「いえっ、いえいえいえいえ。大丈夫だぞ。ああ、俺には精霊が見えてるぜ。椎弓の辛い練習のお蔭だな」


 はっはっは、と若干引きつった笑った疾風様は、周りで話し掛けている精霊様と仲良く話している。

 仲がよろしいようで、見ていて美しいですわ。人間では無いものの、美男美女のカップルの様ですね。


早川渚はやかわなぎさですー。ぼくは獣人の羊。この角が見印だよー。能力は火属性と水属性。よろしくね」


 ふむ。三葉様が言っていたのは、三つの属性を持つ方がオッドアイになるというものでしたね。つまり、渚様は二つの属性であるのでオッドアイにはならない、ということですか。


 ………そういえば、入学式に眼帯を付けた教師らしき方がいたような。あの方が三つの属性を持つ方なのでしたら、話してみたいですわね。


「柊蘭といいます。種族は竜人族の長の娘。世間で言う、箱入り娘ですね。魔法は全ての破壊魔法を使えるので、もう少し平和な魔法が使いたくて来ました。よろしくお願いします」


 破壊魔法ですか。全ての破壊魔法……というと、物と肉体的なものと精神的なの、でしょうか。竜人族というのは凄いものですね。妖精族と精霊族とは格段に魔法が違いますわ。


緋杜椎弓ひもりしいくです。さっき疾風が言った通り、精霊術師をしています。後は、土属性、ですね。よろしくお願いします」


 精霊術師が三人、ですか。その内二人がこのクラスにいるとは……。これは偶然なのでしょうか、三葉様?


「あれ? 四季君は?」


 あら、わたくし、大変なことを……。級友を忘れるだなんて。それにしても、四季様はどこへいかれたのでしょうね? ………ふぇ?


 ………すみません。聞かなかった事にしていただけないでしょうか。恥ずかしいですわ、あのような声を出してしまうとは。まあ、それほど驚いた、ということですわね。


 確か四季様は、橙色の髪色に黄緑色の眼だったはず、ですわよね。橙色に黄緑色、ですか。どのような属性なのか、皆目検討もつきませんわ。またサボっている、ということはないはずなんですけれど……。部屋から出たのは目撃されているのですし。


 さっぱりわかりません。教えてくださいますか? ありがとうございます。ふむ、空の上で気持ちよくお昼寝ですか。……面倒臭いので、放っておきましょうか。周りの方たちも、「またか……」という風な感じで諦めのオーラを醸し出している事ですしね。


「んじゃあ、四季は飛ばして、次の奴」

水凪疾風みずなぎはやてだ。椎弓と同様に精霊術師をやっている。あ、後ついでにもう一つ。俺は無属性、つまりは……超能力だな。エスパーって方が解りやすいか? よろしくな」

「じゃ次は、わたしの番だねーっ。わたしは向日葵。属性は光属性を使いまっす。生徒会役員だから、何でも頼んでね!よろしくっ」


 先程の疾風様のお次は、マリーゴールドと同じ色の背中まで届く長いポニーテールにセピア色の眼を持つ葵様。髪の毛長いですわね。………いえ、確かにわたくしも髪の毛は長いですけれど。他の人のを見るのと自分のとでは、違うものですわよ?


「わたしは八乙女椿。モデルをやってます。わたしは獣人の狐。ツバキって名前で活動してるよ!狐の獣人が全員持つスキル、変化の術を使えます。この学園の皆にもモデルをやってもらう為に頑張りたいと思います。よろしく!」

「あたしの名前は雪柳紅葉。あたしは皆をサポートする魔法を使います!よろしくねっ」


 紅葉様はセミロングの髪形のモカブラウンの髪色は、愛らしいですわ。ですけれど、皆を助ける役割を果たすとは、素晴らしいです。「助けてーっ!」


 ん? 助けて? 可笑しいですわね。ここは世界、いえ、宇宙一平和で安全なこの場所で……悲鳴?

 不思議なこともあるものですね。


「はっ! 良いこと思いついた! 今の悲鳴の所に行きたい人、手ぇ挙げてっ?」


 悲鳴を聞き、葵様が楽しげなことを提案されました。

 とっても楽しそうですので、わたくしも行くとしましょうか。ナレーションも頼まれていることですしね。


『はい!』

「全員賛成で決定! えー……てなわけで、次の授業はB組の見学にします。れっつごー」


『おー!』


 楽しみですわね、精霊様。


【ええ、その通りですわね。茜】


*  *  *  *  *  *  *  *


「あれ? B組って確か、三葉のいるクラスの筈なんだけどな……。何で三葉のクラスなのに、悲鳴? 三葉がいなくても、悠とか……いや、悠は絶対寝てるよね。あの中で悲鳴をあげられる魔法を使う人は……梓と、寝てるかもしれないけど、悠も、それに紡とそなたか。悠は多分無いでしょ。梓も滅多にメデューサには戻らないし、紡の性格が変わるような武器も無い筈だし……。となると残りは……そなたの人形魔法か。でも、そなたって、悲鳴上げるようなことするタイプの人だったっけ? 三葉がいないのも、気になるし。まあ多分、そなたと三葉は離れた所から眺めてるだろうけど」


 葵様の独り言には聞こえない独り言が終了したようですわね。葵様の考えをまとめると、犯人――特に悪いことでも無いのですけれど――はそなた様。ただし、そなた様と三葉様は離れた場所で見物中。あまり急いでいないことから察するに、害は無い、のでしょうね。多分。


 緊急事態でしたら、何かしらの指示がとんでくる筈ですものね。


 おや、考え事をしている間に、いつの間にかB組の近くですわ。………今更ですけど、教室、大きすぎやしませんかしらね? 一クラスの人数も少ないというのに、教室が大きい気がします。魔法の事もあるとは思うんですけれど。


 ガラッ


「しつれーしまーす。……うわあお……」


 少しの間があって、葵様の口から出た第一声は驚きの言葉、一つでした。というかわたくし、人形魔法って、見たことありませんわね。資料でならあるのですけど。


 確か、自分で作った人形に魔力を流し込むことによって、人格を作ることが出来るとか……。つまり、命を作ることが出来る魔法、ということになりますわよね。………ふふふ。そういうことですの。成程。状況が分かりましたわね。

 確かに仕掛けが解らないと、悲鳴をあげてしまうのも無理は無いのかもしれません。


 では、わたくしも―――。


「あら、まあ」

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