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自己紹介part2

今回はA組ですね。

名前順にいくと、〝あ行からか行〟の「く」までと「ふ」です

 えーと……こほん。僕の名前は伍峰奏いつみねかなでです。神様と名乗る人物にナレーション?みたいなものを頼まれました。よろしくお願いします。


「あ、おっはよー。あのね、B組って今、自己紹介やってんだってー」

「じゃあ、うちも自己紹介にしちゃおうか」


 はぁ……。自己紹介かぁ。特に嫌って事も無いけど、面倒だな。幸い僕は、名前順にいくと最初の方に言うことが決まってるけど、今はまだ、コントロールが出来てないから頭痛いんだよね……。

 早くコントロール出来るようにならなきゃ。


「じゃあ、名前順によろしくー」

「青桐にねです。回復魔法が得意なので、保健委員にでもなろうかなって、思ってます。よろしくー」


 青緑の髪に黄色の瞳か。成程。高い身長に合ってるね。んー、そういえば回復魔法って、一番多いんだっけ? 三葉がそんなことを言ってたような……。ショートカットで後ろの方だけ長くなってる髪形って、面白いなぁ。


「浅黄林檎ですっ。わたしはネズミの獣人でっ、鼻が利く事と足が速い事が自慢です! よろしくお願いしますっ」


 林檎は黄色い髪に赤い瞳。あの髪形、サイドテールって言うんだっけ? 動くたびに揺れてて可愛いなぁ。

 あ、僕の番だ。うー……頭痛い。


「伍峰奏です。能力は人の心を覗く力を持つ、妖怪の(サトリ)です。覗くって言うか、読むって言った方が正しいかな。あ、勝手に読まれるのは嫌だと思うから、早くコントロール出来るように頑張ってます。よろしくね」


『お、』


 お? おってなんだろう?


『王子様だー!』


 ……王子様?


「王子様って、僕の事? 何処が?」

「顔が!」「声が!」「物腰が!」「表情が!」

「そ、そう……。ありがとう」


 王子様か……。言われたのは初めてだなぁ。笑顔とかそんな、褒められたこと無かったからなぁ。ていうか、顔と声と物腰と表情って……他の人にも当てはまるんじゃ……?

 戸惑いながら椅子に座ると、次の番の守が立ち上がる。


「い、伊奈森守いなもりまもるですっ。能力はっ……拡大魔法と縮小魔法が得意ですっ。物や人を大きくしたりっ、小さくしたりすること、出来ますっ。お、お願いしますっ」


 守は拡大と縮小か……。いろんな魔法があるんだなぁ。ん、でも確か……人を大きくしたり小さくすると、翌日は筋肉痛に悩まされるって、千秋が愚痴ってたような……。またなんか、開発するつもりかな? 拡大は声にも使えそう。何に使えるのかは分かんないけど。


 続いては犬コンビ。二人纏まって同じクラスにすることできっと入れ替わることを防いでるんだろうとは思うけど、まあ騒がしくはなるよね。

 二人同時にぴょこんっ、と立ち……と言うか飛び上がった。


犬栢陸人いぬかやりくとでーすっ」「犬栢海人いぬかやかいとでーすっ」

「僕、陸人は水泳が趣味ですっ」

「僕、海人は陸上運動が趣味ですっ」

「「さて、これは本当か嘘かどちらでしょうかーっ」」


 陸人と海人がくるくるとどっちがどっちなのか判らなくなる程に回りながら、ピタッと止まった後にこの問題を出した。


『えええええっ!?』


 当然、こんな驚きの声が出るわけだ。


「「何で驚いてるのー?」」

「陸人っ。これ、問題なのかっ?」

「そうだよー。面白いでしょ?」


 やっぱり。三葉とかと同じ種類の人だ……。類は友を呼ぶとは言うけど、これは呼んで欲しく無かったなぁ……。


「「僕らは犬の獣人なんだーっ。耳も生えてるし、尻尾もあるんだー。可愛いでしょーっ」」


 ぴょこぴょこ耳と尻尾と動かし、輝かんばかりの素敵笑顔を振り撒く。男として可愛いって言われるのは複雑だけど、これは可愛い。


「か、可愛いけどっ……」

「「あはは。よろしくねーっ」」


 また変わったのが来たなぁ。それにしても、犬かぁ……。耳とか尻尾とか、触ってみたい。めっちゃふわふわもふもふしてそう。


「卯の花飛鳥です。本が好きなので、図書委員になりたいかな。能力は先読みの魔女。つまり、未来が分かるってこと。何か知りたい事があったら言ってね。一時間以内なら、教えてあげるよ」


 飛鳥は白い髪に黄色の瞳。綺麗だなぁ。一本結びとはいえ、背中まであるとは……。魔法使える人って、皆、髪長いのかなぁ?……あれか、魔女って言って想像する蜥蜴とか骨とか入れてグツグツ煮込む、緑とか紫の液体のやつに自分の髪の毛とか入れたりするのかな。僕達の髪の毛なら凄い価値ありそう。


上原怜うえはられいです。全てを記憶して、転写・複写する事が出来る……です。勉強が得意だから、分からなかったら来て。教えるから。よろしく」


 髪と瞳の色って、自分の属性を表すんだよね。怜の場合は……闇属性って事なのかな? 闇属性と記憶の魔法って、かなり使えそうだなぁ。

 しかも、長い三つ編みだし。あ、もちろん一本のね。闇属性はトラウマ持ちってことらしいけど、でもそんな風に見えないやつとかいるし、どうなんだろう。

 過去になんかあったとして今は克服してるってことは……。三葉とかが元凶達をぶっ飛ばしてる画が浮かんでぶんぶんと首を振る。ああ駄目だ。なんか変なの頭に浮かんじゃったじゃん。


「小倉藍です。怜と同じ、闇属性で下級から上級まで使いこなせます。あ、あと、真っ暗な所でも、目が見える事が出来るんだ。よろしくね」


 ツインテールか……やっぱり髪、長いね。紺碧――解りやすく言うと、深い青色。つまり、群青色に近いかな――の色の髪の毛か。瞳はワイン色だね。可愛いなぁ。あれでトランポリンとか跳んだらツインテールがぴょんぴょん跳ね……んんっ、何でもない。


「桐谷千秋です。趣味は魔道具と新しい魔法の開発。得意魔法は特に無し。よろしく」

「うん。開発が楽しいのは解るけど……」


 ん? どうかしたのかな? 途中までで言葉切ってるけど……げっ! 胡桃が怒ってるような……。


「自己紹介ぐらい、ちゃんとしなさいっ!!」


 ああ、怒った理由はそれか。まあ確かに、たった一分とかそんぐらいの時間くらいはちゃんと〝おっきく〟なって、やってほしいよなぁ。


 千秋の席の机には道具箱が置いてあって、そこからちっちゃな人影が見える。千秋も反省しないよなぁ、頭良いくせに没頭すると馬鹿になるんだから。


「うーん……頭に響くから、大声出さないで……」

「ずっと研究室に籠ってるのが悪いんでしょ!」

「ねぇ胡桃ちゃん。誰と話してるの?」


 怒鳴る胡桃に驚きつつ、林檎が不思議そうに尋ねる。


「え? ああ、そっか。これだよこれ」


 胡桃が指さす先には、道具箱。


「道具箱? それがどうかしたの?」

「ほら、覗いてみなよ」

「ん? どれどれ……」


 皆で道具箱を覗き込むと……中には小さくなった、千秋の姿が。デフォルメさんじゃなくて、本当に小さくなった千秋。


「何やってんの千秋」

「研究だよ、研究。小さくなれば、道具箱でもかなり広いからね」

「ーーーーー! 守君っ!」


 我慢出来なくなった胡桃が守に呼び掛ける。叫んでるっぽいのは気のせいではないと思う。


「りょ、了解っ。≪拡大≫(元の姿に)」


 ちゃんとコントロール出来ているのを羨ましいと思いながら見つめる僕の近くで、守は右手を千秋の頭の上に翳して呪文みたいなのを呟く。翳した手のひらに白の魔方陣が出現し、白い光がミニ千秋に降り注ぐ。


 キィィィィン……


「うわっ……っとと」

「あ、戻った」


 守の拡大魔法を受け、千秋が元の大きさに戻る。危うく道具箱から頭から落ちるところだったが、そこは流石の運動神経で床に降り立った。 


「もう!」

「うぅ、ごめんなさい。ちゃんと自己紹介します……」

「よろしい」

「えー……改めまして、桐谷千秋です。さっきも言った通り、得意魔法は特に無し。いつも沙羅と同じ部活練にある研究室にいます。まだ正式な部屋じゃないんだけど。よろしくね♪」


 にこっと爽やかに笑った千秋に〝そういうの〟に耐性のある女子達までも、


『か、』


 あ、なんかデシャヴが……。耳、塞いでおこうっと。


「か?」

『カッコいいー!!』


 キラッキラの黄色の悲鳴を上げる。

 ってか、やっぱり……そりゃ、そうなるよねぇ。


「嬉しいな。ありがとう」


 あの行動がなぁ、胡桃を怒らす原因なんだよねぇ。まあ、千秋が言っても違和感が無いから、問題は無いんだけど。胡桃の場合はツンデレなの? でも誰に対してもそんな感じな気がする。


「はいはーいっ。あたしは楠胡桃ですっ。あたしの魔法は植物を操る能力です。植物の成長を早めたりすることが出来るんだっ。よろしくー」


 流石は生徒会役員。能力が二人とも段違い過ぎる。それに、僕の覚は話してる相手の感情も流れてくるんだけど、二人とも暖かくて、気持ち良いな。


「冬風桜です。天狗の一族で、修行の為に入学しました。髪の色は羽の色と同じ白です。私の羽を持ってると飛べるんですけど、一人一枚皆に渡します。失くしても一人一枚ですからね? えと、よろしくお願いします」


 天狗の一族かぁ。また珍しい人を三葉は……。






『た、助けてーっ!』


 ん? 助けて?


「ねぇ皆、今の声聞こえた?」

「う、うん。助けてーって」

『だ、誰かぁーっ!』

「B組からかなぁ?」

「ねーねー見に行って見ようよー」


 うん。暇だし僕も行こうかな。先生に会わないと良いけど……ま、それはそれ、だ。なんとかなる。


「面白そうっ」

「じゃあ、次の授業は、隣のクラスの見学だー」


『さんせーいっ!』


 えーっと。隣のクラスに行くことになりました……?

 ごめん。僕にはもう無理だ。次にバトンタッチ。

終わりの方の助けてコールは、C組の自己紹介が終わってから、です。

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