§ファイナルへようこそ。
男は派手なオレンジ色の囚人服を来て窓の外を眺めている。
下には延々と続く青い海が見えている。
警護人
「海を見れるのも今日までだ。しっかりと見とくんだな。」
ブラッド
「ふん」
──あの銀行強盗でブラッドはお望み通り“ファイナル”行きとなった。
別に警察側は何をしてもブラッドを“ファイナル”にぶち込む予定だったらしい。 こっちにとっては好都合だ。
水平線の先に一つの孤島が見えてきた。建物は凹凸が目立ち異様な雰囲気を醸し出している。
パイロット
《もう少しで“ファイナル”に到着する。指示を願たい》
無線機
《了解した。ヘリポートに人を向かわせるのでこちらで誘導する。》
了解。と言いながら振り向くパイロット。
パイロットは手をブラッドにかざす。中指を突き立てて─
ブラッド
「上等じゃねーかあ!お前には関係ないけどなっ」
暫くしてヘリは着陸。
ドアを開けられると周りには看守、看守、看守──
看守
「ようこそ、“ファイナル”へ。来てくれて嬉しいよ。」
ブラッド
「そりゃどうも、ボス」
ブラッドは理解していた。看守の事は(ボス)と呼ぶ。今までで身体に鍛えこまれた教訓だ。
看守
「ブラッド・バードだな?」
ブラッド
「イエス、ボス」
看守は警護人と少し話しをして書類にサインをし始めた。
確かに。そう言うと警護人はヘリに戻っていった。
看守
「さあ、こっちだ。」
数人の看守に挟まれるサンドイッチ状態で入り口まで歩いた。空を見上げると先ほどのヘリが旋回をしている。
看守
「中へ入れ。」
看守の言葉で前に向き直った。さて………何日で出られるかな??