Mr.省かれ者とは俺の事
『aLternaTiVe』それが今いるガールズ服屋の名前、意味は『新しいもの』、『時代を切り拓く』的なニュアンスを含んでいる。新時代を支えるってそんな意味合いを込めて命名されたのかね。
ん?何故そんな話をするのかって?そりゃ暇だからだよ。
復活したメメナと店員さんは楽しく店内を見て周っている、「これイイねー」とか「可愛い」とか言って、つまりそうゆー事だ。
え?分かんない?
そんな輪に俺が入れる訳がない!以上!
だから俺は店内の外のベンチに座ってボーッとしてる、歩き去って行く人々をただボーッと眺める。
あー、暇だ、ガールズトークに混ざりたい……とは思わないけど、暇だ。
男にとっては待ち時間とは地獄の沙汰である
◯か×か
チッチッチッチッチッチッチッチッチーン
タイムズアーップ、さぁ答えをどうぞジェシー
Oh、イッツ×
ノンノんのん、答えは◯でした!残念ながら間違えてしまったねジェシー。
ウェイクウェイク!アンサーイズ×!
違うんだよジェシー、答えは◯なんだ、ははははははははほ。
ワッツ⁉yourアンサーベリークレイジー!
ははははは何を言っているのかな?ジェシー、アラビア語では分からないよ、ははははははほ。
△△◇■*your◎◆■▼!
はっ!ジェシー、一体でこでそんな言葉を覚えたんだい⁉いますぐやめなさい!
◎◆■▼!◎◆■▼!
やめなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!———
——では問題、なぜジェシーは怒ったのでしょう?答えは家に帰ったら。
はぁ……暇だー、何をすれば気が紛れるのかね?俺はいつも暇な時って何してたっけな?
テレビ見たり、妹と話したり、ノパソしたり、リンゴ食べたり。やべ、今できる事がない。あ、そうだスマホスマホ、スマホがあったな。
俺はポッケを漁る、ないな。あっ、四次元空間にしまったのかも。
そう思った俺は人に見られない様に右手を後ろにまわす、四次元空間から物を出す時に人に見られたら色々ヤバいからな。
四次元空間への入口はどこにでも出せる、それは空気中でも例外ではない。
俺は四次元空間を出現させ、その中に入っている物を漁る、でも無い。スマホの置き場所にスマホが無かった。
俺の四次元空間は便利な事に、物を入れるとその物だけの置き場所ってのを作ってくれる。
俺は、物を出す時には出したい物を念じれば勝手に手に感触が来る。でも今はスマホって念じても感触は無い、それはつまり四次元空間には無いって事。つまり家に忘れたな。
あー暇だ、暇潰しが欲しいよー、そう思った矢先に、俺の右手にある感触が。
この質感、このカクカク感、間違いない、これはメメナの署名本だ。
四次元空間から引っ張り出してみると案の定、それは赤色をしたラノベみたいな署名本。
これが何かご存知ですかな?分からない?訳が分からないよ?分かりました、ではこの赤い署名本についてご説明させていただきます。
この署名本、全て赤でございます。表紙も裏表紙も真っ赤っか、綺麗でございますね。
開いてみるとまず見えるのは………あれ?なんも書いてない………あっ、すいません、上下逆でした。
いやね、表紙も裏表紙も全く同じなんで上下わかん無いんですよ。
それでは、改めて開きます。
中には人の名前と思われる単語がずらーっと書いてあります、果てしなくずらーっと。
その字はみんな違う自筆なんで、それぞれが自分で書いたって事が分かりますね、うーん実に面白い。
実はこの署名本に書かれている名前、なんと人間の物ではありません、魔界の者の名前なんです、実に面白い。
人間の物も勿論あります、しかしそれはずっと後ろです。しかも魔界の者に比べたら圧倒的に少ない。
では何故魔界の者の名前が書いてあるのか、疑問に思ったらそれはとても良い観点です。逆に、何故人間の名前がと思った人、それも実にいい観点。
えー、では説明。この署名本にはある魔法がかけられているのです、それはかなり強力な魔法です。その魔法とは、『書いた者の自由を奪う』魔法です。
いや〜実に面白い、この赤い署名本に自分の名前を書いただけで、もうすでに自由が奪われてしまうのです。科学的根拠が全く見当たらない、ははは。
ちなみに私も、この署名本にサインしました。という事はつまり、私の自由も奪われてしまったという訳です。ははは実に面白い。
ですが、安心して下さい。この署名本、自由を奪うと言ってもそれは“持ち主”によります。
持ち主、つまり私ですね?言うなれば、この署名本に書かれている者達の自由は全て私に委ねられているという訳なのです。
実感がわかない?それもそのはずです。実感と言う物は実験をし、始めて理解される物です。
それでは、早速実験に移ろう。
パラパラパラッとめくって適当な所でストップ、そこに書いてある名前の中から一つを選び実験対象にしよう。
よし、こいつに決めた、アレクス、偶然かは知らんが私はこいつとは知り合いです。魔界の者ですね。
それでは実験です、私がアレクスと名前を呼んだらどうなるのでしょう?
「アレクス」
その瞬間、特になんにもエフェクトはかからず、ただ赤髪の細身なイケメンが目の前に出現した。