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俺は妹にアドバイス

投稿は22時にしています。時間差で22時から遅れるかもですが22時近辺になったら絶賛おこしください。


感想等を書いてくれると絶賛喜びます。至らぬところがあったり、単に面白かったよとかどんどん来てください、メッチャ嬉しいんで。よろしくお願いします。

この物語を読むに当たっての注意事項を綴ろうと思います。


『この物語は、ただ単に微温湯ぬるまゆの様に緊張感の無い平和な毎日をただ悪戯に徒然なるままにホトトギスが泣くころ少年少女の他愛ない会話をのほりとお聞きいただく、小説です。』

よって先入観による過度な期待はしないでいただきたい。ただの日常です。



『この物語は、ある署名本を所持してしまった一般家庭の少年が、その署名本の所有者であるバアルの妹と付き合う(?)事になってしまった、苦悩と葛藤と殺到と死闘をその時の思いつきで書き綴って行く、結局ただのノンケ噺をのほりとお聞きいただく、小説です』

よってファンタスティック日常となっています。期待はしないで下さい。



『この物語は、閻魔様と契約を交わし閻魔様の代わりに死人を裁く事になった少年の他愛ないやりとりと他愛ある生活をほんのりとお聞きいただく、小説です』

よって裁き系男子となっています。先入観による無駄な期待をされると木っ端微塵にする自信があるので止めて下さい。



『この物語は、最強の魔法少女を最弱の女の子にする為に一人の少年が喜劇と悲劇を繰り返す、小説です』

過度な期待はしないでただ見て下さい。

期待をするとなると全てをあまねく必要がありますので。これは意味深です。



最後に、これは四つの物語の混同作です。



———————————————————————




「なんだ?この話」

俺——才谷 幸太郎はノパソから顔を離しながらそう一言。


時刻は午後2時、丁度暇だったから最近妹が趣味混じりに書いている小説を感想を交えながら特に了解も得ずに勝手に読んでみたものの、第一に思った感想がこれだ。

しかも初っ端から、前置きから、話に入りもしないで。

いやね、話的にはいいのかもしれないよ、話の掴みとかもそそられるし、「ちょっと続き読んでみてーな」ってなるしね。


「でもちょっと詰め過ぎな気がするよな〜」


一つ一つが独立した話になるんなら、一つの作品としてまとめなくてもいいと思う。短編集みたいなやつなのかもしれないけど、俺としてはこの話を四つに分離した方がいいとは思う。

でもそれをしないのは妹の狙いな訳で、わざと四つを一つにまとめた訳で…


「まぁ、兄の俺がとやかく言う事でもないか」

事実、読んでみたいなとは思った。全然オッケーだ、話としてまとめられれば面白くなる。ちょっと妹に“聞きたい事”はあるけどな。


俺は一つ大きく息を吸い、椅子から立ち上がる。


俺って酸素を大量に取り込まないと立ち上がった時にクラクラするんだよね、だから毎回俺は立つ前に深呼吸しなきゃならん。


俺の体質なのかな?困った事に俺はこの体質のせいでよく妹に「ヤジロウ」と呼ばれる。

理由は至って簡単、クラクラしてる時にフラフラするから。「フラフラするのに倒れない、やじろべえだな」ってニヒル笑顔で言われた。


結構悪口な気がするけど、妹はストレートにやじろべえって言わないでヤジロウと言う辺りから俺的に憎めないでいる。


「……よし、大丈夫だ、問題ない」

しばらくの平静の後に来るクラクラが来ないって事は、うまく酸素を取り込めたって訳だ。

俺はノパソを左脇に抱え、傍らに置いてあるラノベくらいの大きさの“赤い本”を右手に持ち、我が部屋を後にする。

向かうは一階のリビング、妹の本拠地だ。


俺の部屋は二階に位置している、勉強机と硬いベッドが特徴的な、高校生さもありなんって感じな部屋。

ノパソは俺と妹兼用の物で普段は妹に独占されているが、たまたま今日は俺が使えた。

何でかね?テレビの再放送を見たいからかね?



美紅ミクいるかー、いるなら返事をすべし」

リビングに到着するや否や呼ぶ、そしてそれに応える声あり。


「いないから出てけー、ここは私の聖地だぞ」

ヤル気のない声、長年聞いてきたが未だに調子が狂う。

でも居るには居る、ソファにぐでーっと座って薄型テレビに目を向けている姿がある。


「お前のそのヤル気の無さはどうにかならんの?」

後ろから何気なく話かける、テレビの邪魔をしたら蹴られるからな。


「ヤル気が無いのは私のせいじゃない、生者だけど」

「そこは聖者って言っとけよ」

「ヤル気が無いのは私のせいじゃない、聖者だけど」

「やりなおすんかい!」

「うるさいなー、聞こえないでしょ」

「あ、すまん」

そう言うと会話は切れ、美紅はソファに寄りかかるのを止めて体を前屈みにする。これはテレビに没頭する為にやるポーズ。

こうなると話すのは不可能、どんなに話しかけても「へー、へー」と聞き流される。


とりあえず一旦諦める事にして、ソファの後ろ三メートル程に位置する机にノパソを置く。

そして俺は喉が渇いたと冷蔵庫まで歩き、冷蔵庫を開け、ほうじ茶をラッパ飲みし、空になったペットボトルを捨て、冷蔵庫を閉じ、机まで歩き、椅子にすわり、一息つく。


「ふー」


一言一言説明するのもやっぱり面倒だな、点の数が異様に多いし。

そんなどうでもいい事を考えたり、手持ちの赤い本を読んだり、時には遠目からテレビを見たりしながら約一時間を過ごす。


「終わったー、やっぱバラエティ特番は面白いな、再放送だけどねー」

生き生きとしているのかヤル気が無いのかの狭間でリアクションをとる美紅。

兄の見たてでは生き生きの方に入るな、うん。


美紅は用は済んだと、こっちに歩いて来る。

その間に美紅の容姿説明と行きますか。


それはズバリ黒髪メガネ!


これで地味だなとか思っちゃいけないよ、まだまだ容姿説明行きますよ。

黒髪と言ってもかなりのロングヘアーで、先っぽの辺りは少し内側にカールが入っている。


顔立ちはバッチリ可愛い部類に入る、兄からでも言わしめる美少女だな、うんうん。

身長は高め、165くらい。

服はパジャマのまま、フリルがポイントかね。

スタイルはスラっとしている、もちろん胸は無い、ってか肉が無い。

赤縁メガネは知的な印象を与える印象の一つ、他人が見たら知的だと思うはずだ。多分。


そんな容姿から結構大人びた雰囲気を醸し出している美紅。とても中学生とは思えないな、兄たる俺より大人びてるよ。


でも本人にはそんな気は一切ない、この姿だって偶然に生まれた産物だ。


美少女の証でもある長い黒髪、これはただ単に切るのが面倒なだけ、先っぽのカールは癖っ毛だから、よく見たら結構ボサボサだ。

前髪も伸び切っている、ピンで止めてるけどね。


知的なメガネは狙ってんじゃなくて目が悪いだけ。こいつは事あるごとに画面を見てる、これ以上の視力低下は死活問題だ。


服だってずっとパジャマのままでだらしない。


それに付け加え、こいつのヤル気の無さ、顔や態度に出まくってるったらありゃしない。

せっかくの可愛さが台無し。

この美紅の内なる姿を知ったら人は卒倒する事間違いなしだ。


そんな見た目よし内面ダメな美紅はだらしなく歩いてくると俺の向かいの椅子に座り


「そんでー、用事って?」

面倒そうに頬杖。

でもこいつのいい所は、何かに没頭している時以外の言葉はちゃんと憶えている事。そしてヤル気が無いながらもちゃんと用事を聞いてくれる事だ。


「やっぱりお前はいい奴だな美紅」

「はー?そんなのはどーでもいいからさっさと用事を言ってくれ」

可愛げは無いけどな。


「えーっとこれ読んだんだけどさ」

俺はあらかじめ起動していたノパソを美紅に向ける、もちろん画面は美紅の小説ゾーン。


「ヤジロウ読んだんだこれ」

大したリアクションもしねーで、ただ画面にボーッと目を向けるだけの美紅、でも意識はしっかりこっちにあるみたいだ。


「読んだってゆーか、初めの前書きのとこだけ」

「感想は?」

「え?」

「感想は?って聞いてんのー」

あまりの即答にちょっとびっくりした、ヤル気無し子のくせに。ここは兄が的確な指摘をしてやらんと


「そうだな、ちょっと詰め込み過ぎなするかな」

「そうかー、やっぱりね、もっと削った方がいいのかな」

珍しく妹が悩んでる、あの何事にもヤル気を出さないニヒル少女が、小説に対して悩んでる。

まさか小説という分野が妹に進歩をもたらしたって事なのか?これはヤル気無し子から脱するチャンスなのか?そうならサポートするのが道義ってやつだな。


「それぞれ別々の小説として書いた方が話としてはまとまるんじゃないのか?」

「んー、それも考えたんだけどね、こっちの方が読者も引き込まれるかなーって。第一にこれを一つの作品として完成させたいからさー」

「そうか、でもまぁ掴みはオッケーだと思うぞ?」

すると美紅はヤル気無し子の真骨頂であるニヒルな笑みを浮かべて


「上から目線おつー」

俺はこれを見るたびに思う、こいつ俺をバカにしてる。


「お前さ、俺以外にもそれやってんの?」

「何をだよー」

「その笑いだよ」

「やってるヨーヘイヨーヘイヘイホー」

「ラップ風にやるんならもっと生き生きとやれや」

「ヤル気出ないんで勘弁こうむる」

「ヤル気無し乙」

「おー、ヤジロウも分かってきたじゃん、ヤル気の無さは悪じゃなーい」

「この乙は嫌味で言ったんだよ」

「私には褒め言葉なのだヨーヘイヨーヘイヘイホー」

ヤル気無し子の真骨頂その2、はまるとやり続ける。


「そうかヨーヘイヨーヘイヘイホー」

「パクるとかマジで何なん」

こいつは一々ムカつくな、マジで何なん。


「のってやったんだろが、ってか俺の方が完成度高いからな」

「パクるとかーヘイヨー、マジで何なんヨーヘイヘイホー」

ヤル気の無さ+ラップ=違和感


「ラップ調止めて、かなり違和感があるから」

「ん?それはフリで?」

「フってねーよ誰も」

「そうかヨーヘイヘイホーヨーヨー」

「アレンジいれんでもよいわ」

「何だよ、せっかく妹がヤル気出してやってんのにその言い方ーマジでー何なんヨー」

「言葉と行動を合わせろよ、ってか言い方がすでにヤル気の無さを演出してるわ」

「んー、拗ねるぞー、私が拗ねたらやばいからな」

「どうぞご勝手に」

「ぶー、ぶー、あーあー」

「ヤル気出せや!せめてちゃんと拗ねてくれ、こっちとしてもリアクションとりにくいから!」

「ヤル気ースイッチ私のは何処にあるんだろー、見つけーてーあげるよー、私だけのヤル気スイッチー。……へへへへ」

「やかましいわ!皮肉すぎるだろ!」

「私がヤル気スイッチって…へへへへワロス」

微妙に笑う、微妙だから不気味さが増す。

はぁ…可愛いのに色々な物が作用して台無しになってる。

こいつに命が宿ってんのかすら疑わしいよ…


「で?用事があるんでしょ?」

突然の申し出。


「あ、そうだそうだ忘れてた忘れてた思い出した思い出した」

美紅との会話ですっかり俺の目的を忘れてたわ、いやー会話の力って凄いな。


「美紅の小説の事なんだけど—」

「それは聞いたから続きだ続きー」

「言われんでも分かってるわ、えーっと、この話の題材って、もしかして俺?」

「もしかしなくてもお兄ちゃんだよ、それしか考えらんないでしょ?ってか用ってそれ?はー、無駄な時間じゃーじゃーめんー」

妹は嫌気がさした様で机にグダーとする、俺はその事をスルー、こんなんを一々突っ込んでたらやっていけねーからな。

俺は気にせずに続ける。


「やっぱりかー、想像だけでこんなにも俺の“境遇と似てる”とちょっと気持ち悪いからな」

「お兄ちゃんは主人公ポジだからしょうがないヨーヘイヨーヘイヘイホー」

「俺だって好きでなった訳じゃねーよ」

「偶然だって言うんでしょー?」

「そうだ、これは偶然が偶然と折り重なった偶然による偶然だ」

「偶然じゃないじゃーん、もはや必然だやー」

「必然だとしたら酷過ぎるだろ、どんだけ神は俺に重荷を背負わせんだよ。こうゆーのは人一人に任せちゃならんでしょ、俺だけで主人公枠独占状態っすよ?」

「良く言うねー、初めはやったーとか喜んでた癖に」

「それは過去の浅はかな時の俺だ、今はそんな事は微塵にも思っちゃいない」

「結構楽しんでるでしょ」

相変わらず美紅の感は鋭い、この眼光で全て見透かされてる様だ、見透かされてるって言ってもヤル気0の目だけど。


「…まぁな、でもそれにしてもだ。俺のせいで本来主人公になれる人が潰されてるって事になるだろ?」

「主人公は辛いよねー」

「辛いよ辛いよ辛いよ辛いよ…軽率に主人公になりたいとか思ってる奴を見てると代わって欲しいって切に思う」

「お兄ちゃんは恋愛で例えると、言わば二股、三股、四股かけてる状態だからね」

「あぁ…ごもっとも。でもやりたくてやってるんじゃないからね」

「今更でしょー」

「あぁ…今更だ…」

何か気持ちがどんどん下降してきた、この先も主人公として生きてくのかな?

俺は美紅と同じく机に突っ伏す。


「お兄ちゃんー」

目の前に美紅の顔が度アップで映っている、肌きれいだよなー、相変わらずヤル気0の目だけど、こいつの目は死んでんのかよ。俺はそんな事を胸に秘め「なんだい妹よ」と軽く返す


「 “股掛け主人公” のお兄ちゃんに折り入って話しがあるんだやー」

「それが折り入って話す態度なのかー?ってか股掛け主人公って、悪口にしか聞こえないんだけど」

美紅は俺の嘆息気味な返しを無視して平坦に一言。


「私だけの主人公になってよ」




ここまで読んでいただきアリアリアリアリアリアリーがとうございます。

二話も絶賛よろしくお願いします。

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