旅の始まり
「138! 139! 140ッ!」
「ふぅぁ……。ぅぅん。ぉはようございますぅ。早いんですね、ご主人様……」
俺が昨日の夜に木の棒を削って作った木刀を素振りしていると、まだ眠いのか、目をゴシゴシ擦りながら欠伸をかみ殺しながら起きてきた。
「149! 150! っと。おはよ。たまたま早く起きただけだよ。いつもはもっと遅く起きてるし」
昔は親父に毎日叩き起こされて、道場で稽古させられたっけ……
今では考えらんないけど
「そうなんですか、では、顔を洗ってくるので、その後に朝食の準備をしますね」
と言って、湖の方まで向かっていった。後50やったら俺も顔洗うかな?
その後、つつがなく朝食も終了して、旅支度。朝食は昨日のイノシシ鍋を温め直して食べた。たまもはずっとここで暮らしていたらしく、少し寂しそうにしていたが、決別できたのかこっちによってきた。
「準備できましたよ、ご主人様♪ それでは出発しましょう!」
たまもは料理道具や調味料など、俺は昨日寝るのに使った布をカバンに突っ込んで持っている。荷物の確認を終えたのちに出発する。
「とりあえず西なんだけど、どっちだ?」
「西はですね、コッチですよご主人様♡」
というと、たまもが急に俺の腕に自分の腕を絡ませながら引っ張っていった。ちょ、ナニコレ!? ハズいんですけど!
顔を真っ赤にしてる俺にたまもは
「もうご主人様ったら、テレテレしてて可愛いです♪」
そんなことを笑って言ってくる。今確信した。今までのアレは全部確信犯でやっているのだと。
……まぁでも役得なのかな?
でも、結局はそんなことを考えてしまうのが男の性だったりするのであった。