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第8話 ログの外側

巨大な目が、俺を見ている。


まっすぐ。


逃げ場がない。


ドクン。


赤い光が脈打つ。


その瞬間。


世界が、止まった。


ログイーターの動きが止まる。


落ちていた石が空中で止まる。


ダンジョンの空気が固まる。


音が消える。


俺はゆっくり息を吐いた。


「……時間停止か」


エリシアが横で言う。


「違う」


「ログ停止」


俺は彼女を見る。


エリシアは赤い光を見上げている。


巨大な目。


その中心から、


赤い文字が流れている。


俺にも見える。


ERROR


LOG OVERFLOW


REBUILD PROCESS


「……再構築」


俺は呟く。


エリシアが頷く。


「うん」


「世界の修正」


俺は周囲を見る。


止まったログイーター。


歪んだ空間。


そして赤い光。


「街も消えるのか」


エリシアは少し首を傾けた。


「たぶん」


「今回はもっと消える」


俺は赤い光を見る。


巨大な目。


その奥。


何かが動いている。


「……あれは何だ」


エリシアは少しだけ黙った。


そして言う。


「管理層」


俺は眉をひそめる。


「ダンジョンのか?」


エリシアは首を振る。


「違う」


少し笑う。


「世界の」


その瞬間。


赤い光が揺れた。


巨大な目がゆっくり瞬く。


そして、


俺の視界に新しい文字が出る。


TARGET VERIFIED


ANOMALY DETECTED


ARCHA MEMORIA


俺の名前。


そして。


もう一行。


LOOP HOLDER


1027


俺は息を止めた。


「……ループ保持者」


エリシアが小さく言う。


「うん」


「それ、あなた」


俺は目を細める。


「つまり」


赤い光を見る。


巨大な目。


そして世界。


「俺がバグか」


エリシアは少し考えた。


それから言う。


「うーん」


「バグというより」


少し笑う。


「消えなかったログ」


その瞬間。


赤い光が強くなる。


ドクン。


世界が揺れる。


ログイーターが動き出す。


止まっていた時間が戻る。


石が落ちる。


魔力が流れる。


エリシアが言う。


「修正始まるよ」


俺は剣を握る。


「何をする」


エリシアはダンジョンの奥を見る。


巨大な目。


そのさらに奥。


赤い光の中心。


「ログの外」


俺は聞く。


「何だそれ」


エリシアは言う。


「この世界の外側」


ログイーターが一斉に動く。


十体。


十一体。


増えていく。


エリシアが俺を見る。


「行く?」


俺は赤い光を見る。


巨大な目。


その奥。


世界の外。


俺は小さく息を吐いた。


「……面白い」


剣を構える。


「行く」


その瞬間。


巨大な目が、ゆっくりと笑った。

読んでいただきありがとうございます。


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