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第14話 世界コア

崩れる。


ログ管理室が、音を立てて崩れていく。


赤い光。


砕ける画面。


流れ落ちるログ。


ERROR

LOG COLLAPSE


世界の履歴が、空中でばらばらになる。


俺は走る。


白い光の奥へ。


エリシアが横を飛ぶ。


後ろで管理者の声。


「止まれ!」


止まらない。


床が割れる。


ログが落ちる。


空間が歪む。


だが――


光の奥に出た。


俺は足を止める。


そこは、


空間だった。


部屋じゃない。


天井も壁もない。


無限の白。


その中央に、


浮かんでいるものがある。


球体。


巨大な球。


赤い線が無数に走っている。


光。


脈動。


ドクン。


ドクン。


エリシアが小さく言う。


「……世界コア」


俺は目を細める。


球体の表面。


無数の文字。


世界のログ。


街。


人。


時間。


すべてが記録されている。


俺は呟いた。


「……これが」


エリシアが頷く。


「うん」


「この世界」


球体が脈打つ。


ドクン。


その瞬間。


球体の表面に、


文字が浮かんだ。


WORLD SYSTEM


RUNNING


そして、


新しい表示。


ERROR


LOOP DETECTED


1027


俺は笑った。


「やっぱりか」


エリシアが聞く。


「知ってた?」


俺は言う。


「なんとなくな」


球体のログが流れる。


履歴。


世界崩壊。


リセット。


また崩壊。


またリセット。


1026回。


エリシアが呟く。


「世界再起動ログ」


俺は聞く。


「誰がやってる」


エリシアは少し考えた。


そして、


球体の上を指す。


「もっと上」


俺は空を見る。


白い空間。


何もない。


だが。


そのとき。


球体の表面に、


新しい表示が出た。


ADMIN CONNECT


管理者が来た。


ログ管理室の奥から。


息を切らして。


「そこから離れろ!」


俺は振り返る。


管理者が装置を操作する。


赤いログが走る。


DELETE PROCESS

85%


エリシアが言う。


「まだ続けるんだ」


管理者が怒鳴る。


「異常は消す!」


俺は球体を見る。


世界コア。


脈打つ光。


1027回の履歴。


俺は呟いた。


「……なるほど」


エリシアが聞く。


「何が」


俺は笑った。


「簡単だ」


球体を見上げる。


そして言う。


「壊せばいい」


エリシアが一瞬固まる。


「え?」


管理者が叫ぶ。


「やめろ!」


俺は剣を握る。


世界コアに向かって、


一歩踏み出した。


その瞬間。


球体が、


ゆっくりと光る。


そして。


新しい文字が出る。


SYSTEM ALERT


CORE THREAT


俺の名前。


ARCHA MEMORIA


そして――


NEW LOOP

INITIALIZE


エリシアが息を止める。


「……あ」


俺は笑った。


「なるほど」


球体を見る。


1027回。


そして。


次。


1028。


俺は剣を振り上げた。


「じゃあ」


小さく言う。


「1028回目だ」

読んでいただきありがとうございます。


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