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前編

 吾輩は魔王。


 泣く子も黙る大魔王だ。

 吾輩が魔王になって百年の時が過ぎた。


 今まで吾輩を倒そうと数多(あまた)の勇者がその肉体を鍛え上げ、死の物狂いで挑戦してきた。


 例えば魔法戦士。奴は小洒落た格好をした、いけ好かない男だったが、風魔法はピカイチだった。

 あるいは、パラディン。あの大男はパーティーを組んで吾輩に挑んできた。仲間たちと連携を取りながらの攻撃は、吾輩をちょっとだけ苦しめた。


 だが、吾輩はそれらを全て討ち滅ぼしてきた。


 吾輩は大魔王。


 吾輩に勝てる者など、この世に存在しないのだ。


 そして今日もまた1人、吾輩に挑む愚かで哀れな勇者がやって来たのだった。


※※※※


「まおー! お前を倒しにきたじょ!」

「……」


 カン高い声が魔王の間にこだました。


 吾輩は側近のピュールーと顔を見合わせた。


「ピュールー……。何だコレは?」

「分かりません……」


 吾輩は改めてソレを見た。


「なんだ! まおー! ジロジロ見るな!」


 ガキは1人だ。親はどこにいるのだろう。

 ……まさか、一人でここに来たのか?


「ピュールー……。汚いハナタレガキがいるぞ……」

「はい……」


 目の前には、8歳くらいの小汚いガキが立っていた。

 髪の色は空色。瞳の色は金。肩まで伸びた髪があっちこっちハネていた。真っ赤なほっぺに鼻水が垂れた小汚い顔。木の鎧に、木の盾。剣は木剣。ガキの癖に一丁前に装備をつけてやがる。まぁ、指ではじいただけで吹き飛びそうなショボい装備だが。


「ピュールー……。なぜこの様な者を魔王城に通したのだ? 城を守る魔物はどうした」

「はぁ。多分、見逃したのでしょう。魔物とて、皆子の親です。幼な子を襲うのは躊躇ったのでしょう」

「……」


 まぁ、我が魔王軍には弱き者を襲うような不届き者は存在しないからな。皆、呆気にとられながらハナタレが魔王城に入って行くのを見ている事しか出来なかったのだろう。仕方が無いか……。


「なにをブツブツ言っている! 勝負だ、まおー!」


 ハナタレガキが何かほざいている。吾輩は頭を抱えたいのを我慢して、大物オーラを醸し出しながらゴホンと咳払いをした。


「これハナタレ。ここはお前の来るところではない。飴玉をやるから帰れ」


 ピュールーに飴玉の袋を持って来させて、ガキに渡した。


「……」


 何が何だか分からない顔をしていたハナタレガキは、何となく袋をピュールーから受け取り、また何となく飴玉の一つを取り出した。

 飴玉はハナタレの髪と同じ、空色のビー玉のようだった。


「……綺麗だな。お空の色の飴玉だ……」

「お前の髪の色に似ているぞ?」

「!?」


 ハナタレは吾輩の言葉を聞き、バッと慌てて頭を隠した。


「オイラの髪の色はこんなキレーじゃねー!」

「そうか? 似ているぞ?」

「!!!」


 ハナタレの顔がみるみる赤くなっていった。

 何だ? 一丁前に恥ずかしいのだろうか? 変なガキだ。


「う、うるせー!!! バカまおー! バーカバーカ!!」

「分かった分かった。吾輩は馬鹿だ。いいから帰れ」

「……!!」


 吾輩が、シッシッと手で追い払うとハナタレは、フンッと鼻を鳴らし、吾輩に背を向けた。


「今日は、引いてやる。飴貰ったからな。――でも、次は命がないと思え!」


 そう言いながら、飴玉の袋を大事そうに抱え帰っていった。


 吾輩とピュールーは、それを呆然と眺めていた。


「……魔王様、何だったんでしょう? あのガキ」

「多分、迷子だ。たまたまここへ来てしまったのだろう。忘れよう」


 ふぅ。変なガキがいたものだ。


 吾輩は居住まいを正して、また威厳あるオーラを発しながら、魔王の玉座に深く腰掛けたのだった。


※※※※


「やいまおー! 今日こそお前を倒してやる!」

「……また来たぁ……」


 吾輩が、今日も魔王城にやって来る屈強な勇者を半殺しにしようと玉座で待っていたら、またあのハナタレガキやって来た。


「ピュールー……。警備をしっかりしろ!」

「はぁ……」


 ハナタレは吾輩達の会話など聞こえていないかのように木剣を構えた。


「覚悟!」


 ハナタレがこちらに突進してきた。

 吾輩は慌てて玉座から立ち上がった。


「待て待て待て待て」

「?」


 昨日は、ハナタレは偶然魔王城に迷い込んだと思っていたのだが、どうやら違うらしい。


 コイツは、目的を持ってここへやって来ているのだ。

 目的とは、つまり吾輩を倒す事だ。


……正直、あっぱれと言ってやりたい。


 この幼さで吾輩を倒そうと闘志に燃えているとは……。『小さき勇者』と言う訳か。

 ここでケチョンケチョンに心を折って、二度と此処へ来たくないと思わせる程半殺しにしてしまう手もある。


――だが、幼き心を打ち壊すほど吾輩は残酷ではない。


 何も半殺しにする事はない。とりあえず勝負をしてやれば良いのだ。それで負けを認めさせ、もうここへ来させなければ良いのだ。


「剣の勝負はナシだ。吾輩は今、突き指をしている。――オセロで勝負はどうだ?」

「え? お前、突き指してるのか? 大丈夫か?」


 突き指という適当な嘘を信じるところは子供らしい。何だか微笑ましい気持ちになるのをこらえて話を続けた。


「大丈夫だ。オセロなら突き指をしていても出来る。どうだ? ハナタレ勇者?」

「うーん……。まぁ、いいぞ」


 いいのかよ。やはりガキだな。

 まぁ、いい。早く終わらせよう。


※※※※


「ホラ。吾輩の勝ちだ」

「クッソー! 四隅取られた!」


 勝負は10分程で終わった。吾輩の圧勝だ。

 オセロ板は、黒で占められていた。

 吾輩達の勝負を見ていたピュールーが呟いた。


「子供相手にこの手加減の無さ……。魔王様って大人気(おとなげ)ない」

「何か言ったか? ピュールー?」

「いえ! お見事です! 魔王様!!」


 吾輩がひと睨みすると、ピュールーは姿勢を正して吾輩を褒め称えた。

 

 ……吾輩だってガキなどに勝ちたく無いわ! だが、このハナタレに諦めさせなければならないのだ。その為には勝たなければならん!


「ハナタレ。お前の負けだ。もう此処へは来るなよ」

「クッソー!!!」


 ハナタレ勇者は頭を掻きむしった。

 悔しいのだろう。ちょっと涙ぐんでいた。


 その表情に、吾輩のほんの少しの良心が痛んだ。


「まぁ、ガキにしてはよくやった方だ。――ピュールー、アイスを持ってこい」


 ピュールーの持ってきたミルクアイスをハナタレ勇者に手渡した。

 ハナタレ勇者は泣きながらアイスを頬張っていた。

 食べ終わると、チキショー! と言って立ち上がった。


「また来るからな!」


 そう言ってゴシゴシと目を擦って走り去っていった。


 ピュールーがポツリと呟いた。


「……また来るって言ってましたけど」

「ぬわぁ〜〜〜!!! 来るなぁ!! クソガキー!!」


 吾輩の困った様な叫び声が魔王の間にこだましたのだった。


※※※※


 次の日から、吾輩とハナタレの勝負という名ばかりの遊びが始まった。


 トランプをした。すごろくもした。カルタ、UNO……などなど。


 吾輩はその全てに勝利した。

 だって、吾輩大魔王なんだもん。

 吾輩に負けは許されないのだ。

 子供だからと言って、勝たせてやる訳にはいかないのだ。

 それに、負けたら普通のガキなら諦める。だが、このハナタレは諦めないのだ。


 粘り強いガキだ。褒めてやりたい。


 負けると悔し泣きをするので、宥める為にいつもオヤツを与えた。そして帰ってゆく。そんな日々を何日も続けた。


 今日はもう勝負という名の遊びが思いつかなかったので、適当にお絵描きをさせていた。

 これじゃあただの子守だ。吾輩魔王なのに……。


「ハナタレ。お前、正直言うとここに遊びにきてるだけだろ」

「ち、違うやい! 今日はオイラの絵で、まおーを感動させるのが目的だ。まおーが感動したら、オイラの勝ちだからな!」


 意味が分からない。なんだその勝利条件は。

 オレンジジュースを与えて、ハナタレが絵に集中している間、暇なのでボーッとしていた。

 ピュールーは、ニコニコと笑っていた。


「魔王様。小さき友が出来て良かったですね」

「消し炭にするぞ? ピュールー?」

「も、申し訳ございません」


 暫くすると、ハナタレは『出来た!』と言って吾輩に絵を見せてきた。


 絵には、吾輩とピュールーとハナタレがニコニコと笑っている姿が描かれていた。

 そして、『いつも遊んでくれてありがとう』と汚ったない文字が辿々しく書かれていた。


「……」


 ピュールーは目を潤ませて『ハナタレ勇者……』と呟いた。


「どうだ? まおー。感動したか?」


 ちょっとウルっとした吾輩だが、ハナタレの得意満面の顔を見て、ハッとした。

 

「はん! するかハナタレ! 狙い過ぎだ!」

「ちぇっ!」


 ハナタレは口を尖らせた。


 帰り際、ハナタレは吾輩に絵を渡した。

 吾輩の部屋には今もその絵が飾ってある事は、吾輩だけの内緒だ。


※※※※


「まおー。遊ぼー」


 ハナタレはもう、遊びに来ている事を隠す気すらないらしい。

 面倒くさいが適当に相手をしている。


 ピュールーがハナタレ用に小さな椅子を持ってきたので、それに座ってお喋りするのが最近の吾輩達の日課となった。


 聞けば、ハナタレは魔王城のすぐ近くの村に住んでいるらしい。家族はなんと10人家族で、8人兄弟らしい。そこから5番目の子供だ。


 上の兄弟は親の手伝いをしていて、下の兄弟はまだ小さいので、親の手が離せないらしい。


 つまり、このハナタレは暇なのだ。

 働く事も、親に甘える事も出来ないお年頃なのだ。そこで、やる事のないハナタレは考えた。


『そうだ! だったらオイラ、魔王を倒す勇者になろう!』 と決意し、親に内緒で魔王城にやって来たらしいのだ。


 まぁ、ちょっと意味が分からないが、子供だからしょうがない。子供とはそんなものだ。

 吾輩を倒し、世の中を平和にする事が親孝行だと思ったらしいのだ。

 その立派な(こころざ)しも、今では消滅したようだが。


「まおー。聞いて。弟のチョイって母ちゃんにベッタリなんだ」

「ふーん」

「妹のミリアは父ちゃんの隣で寝れないと、いつも拗ねるんだ」

「あっそう」

「ユーはまだ赤ちゃんだから、手がかかるのはしょうがないけどさ……」

「へー」


 読書をしながら適当に相槌を打っていた。

 ハナタレがこちらに近付いて来て、吾輩の本をポーンと放り投げた。ユサユサと腕を揺さぶられる。


「オイラの話、ちゃんと聞いてー!」

「聞いてる聞いてる。つまり、お前は両親に甘えられなくて寂しいから、ここへやって来るんだろ?」

「……」

「吾輩とて暇ではない。人恋しいからと言って、吾輩を頼るな。友達と遊べ」

「……。友達なんかいないもん」

「……」


 ハナタレは不貞腐れたように、ソッポを向いた。


「貧乏人とは遊んじゃいけないって、親に言われてるんだって」

「……」


 ハナタレはうつむいた。


「……貧乏が感染(うつ)るから……」

「……」

「……それに、オイラ馬鹿だし、ブサイクだし……」

「……」


 人間とは不思議な生き物だ。


 何故同族同士で差別するのだろう。

 貧乏が感染る? 馬鹿馬鹿しい。

 吾輩は、フゥ……っと溜息をついた。


「お前の貧乏が感染るなら、吾輩は今頃無一文だな」

「……」

「それに、お前は馬鹿じゃない。ゲームだって吾輩が天才過ぎるだけで、子供にしてはなかなか良い線をいっているぞ?」

「……そうかな」

「あぁ、それにブサイクでもない。お前の空色の髪と金色の瞳は、美しい色をしている」

「!!」


 吾輩はニッと笑った。


「成長すれば、女子にモテるかもな」

「!? 女子に!? 男は!? 男にはモテる!?」


 え……。何このハナタレ……。男にモテたいのだろうか……。


「まおーは!? まおーもオイラが成長したら好きになってくれる?」

「吾輩かぁ? ……吾輩は」


 ハナタレはゴクリと唾を飲み込んだ。何故だか真剣な表情で吾輩を見つめている。


「吾輩は別に、今もお前の事、嫌いじゃないぞ?」

「!!!」


 ハナタレの表情が、パァ〜〜っと音がしそうな位明るくなった。


「本当!? 本当まおー!?」


 ガクガクと腕を揺さぶられた。何だコイツは……。

 ハナタレはニコニコと笑った。


「エヘヘ。オイラ早くおっきくなりたいなぁ! おっきくなって、もっとまおーを(とりこ)にするんだ!!」

「何言ってんだお前は。嫌いじゃないって言っただけで、好きだとは一言も言ってないぞ? 虜になどなる筈がない」


 吾輩の言葉を無視して、ハナタレはクルクル回りながら踊り出した。


 頭大丈夫だろうか……。ハナタレ……。


※※※※


 ハナタレは浮かれた様に鼻歌を歌いながら帰っていった。


 ピュールーは微笑ましい目でハナタレを見送っていた。ハナタレが魔王の間を出たのを確認して、吾輩に向かって口を開いた。


「魔王様。ハナタレ勇者を魔王軍に迎え入れては? きっと役に立ちますよ?」

「あんなガキ、役に立つ訳ないだろうが」

「そうでしょうか? 魔王様のお心を和ませる事ができるのは、ハナタレ勇者だけです」

「……。馬鹿馬鹿しい……」


 吾輩は、くだらない事を言うな。と言って、ピュールーの頭をはたいた。


※※※※


 魔王と人間の子供の交流など、そう長く続くはずがない。そんな事は分かっていた。


 ハナタレはもう少し大きくなれば、世界を見る事ができる。


 そこで本当の吾輩を知るだろう。


 吾輩は魔王。勇者を何人も(ほおむ)ってきた男なのだ。


 ハナタレはきっと、本当の吾輩を知れば恐れるだろう。

 そして、もうここへは来なくなる。


 あと数年でこの関係は終わる。


 そう思っていた。


 だが、その時は意外と早く訪れた。


※※※※


「魔王! 覚悟しろ!!」


 久しぶりに正真正銘の勇者が現れた。

 まずい事に、ハナタレと一緒の時にソイツは現れた。


 勇者は吾輩とハナタレを見て、驚愕の表情を浮かべていた。

 そして、怒りに顔を歪めた。


「魔王!! お前、子供を(さら)ったのか!!」


 ハナタレは、瞬時に状況を理解した様だ。やはり、頭が良い。


「ち、違う! オイラが遊びに来ただけだ! まおーはオイラを攫ってなんかいない!」

「何たる卑劣な男!! 子供を洗脳したな!?」

「違うってば!!」

「問答無用!! 覚悟しろ!! 極悪魔王!!」


 勇者が剣を構えた。


「……」


(潮時だな……)


 吾輩はハナタレの方へ顔を向けた。


「ハナタレ。もう二度とここへは来るな」

「何でまおー!? あの人勘違いしてるんだよ!?」

「……吾輩と一緒にいたら、人間の世界に溶け込めなくなる。魔王と親しげに話す人間など、異端だ」

「そんな事ない! だってまおー、優しいから――」


 吾輩は、ハナタレの頬を叩いた。かなり手加減したのだが、ハナタレの真っ赤なほっぺは更に赤くなってしまった。可哀想な事をした。痛いだろうか。

 吾輩はハナタレを睨んだ。


「いい加減、目障りなのだ!! ずっと鬱陶しくてたまらなかった!! もう二度と、吾輩の前にその姿を見せるな!!」


 ハナタレは、大粒の涙をこぼして頬を抑えていた。

 そして、傷付いた様に吾輩をジッと見ていた。

 吾輩はその表情を無視して、ハナタレの首根っこを掴んだ。そして、乱暴に見えるよう勇者に投げつけた。

 勇者はしっかりとハナタレを抱き止めてくれた。

 よくぞ抱き止めた。流石は勇者だな。落としていたらお前を殺していた。よし。今回は半殺しですませてやろう。


 勇者は、勇者と一緒に来ていた回復魔法士にハナタレを渡していた。


「これから死闘が始まる。子供の見るものではない。この子を城の外へ」

「はい。勇者様」


 回復魔法士はハナタレを抱きしめながら、外へ向かって走っていった。

 

 勇者は吾輩と向き合った。


「あの子供は哀れな子だ。お前のような冷血漢に心奪われて……」

「ふん。子供など、すぐに忘れる生き物だ。数日すれば、吾輩の事など忘れる」

「――何という無慈悲なっ!!」


 怒りをあらわに、勇者が剣を構えてこちらに向かってきた。

 吾輩は杖を召喚して、詠唱を唱えた。


※※※※


 勇者は回復魔法士が傷付いた身体を支えながら、城から撤退していった。


「流石は魔王様。何という強さか……」


 ピュールーの羨望のまなざしを、吾輩はつまらなそうな顔で眺めた。


「当然だ。猫とネズミほど力の差があったぞ?」

「お見事です。魔王様」


 今日は疲れた。部屋に戻りたい。

 私は自室に向かって歩き始めた。

 背中越しに、ピュールーが声を掛けた。


「魔王様。ハナタレ勇者の事……、いいのですか?」

「……」

「……もう、ここへは来てくれませんよ?」

「……」

「……私は寂しいです……」

「……これでいいのだ。あの子にはあの子の世界がある。ここへ来てはいけなかったのだ」

「……」


 吾輩は自室に入った。

 天蓋付きのベッドの横の壁には、ハナタレが描いた絵が飾られていた。


 ハナタレもピュールーも吾輩も、楽しそうに笑っていた。


――これでいいのだ。あの子にはこれから人間の世界で、素晴らしい未来が待っている。きっと己の手で逆境を打ち砕く筈だ。


 何せ、吾輩が認めた初めての人間なのだから。


――――ハナタレは、それからここへは来なかった。


 それから10年の月日が流れたのだった。


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