プロローグ 『後悔と始まり』
「ごめんなさい」
どこで間違ったのだろうか。
「今はもう友達としてしか見れないかなー」
何を間違ったのだろうか。全てがうまくいくと思っていた。何がいけなかったのだろう。わからない。
「わたし、冷めやすいんだよねー」
俺は目の前にいる子がわからない。
俺は・・・俺は・・・・俺は・・・・・俺は・・・・・・
ーー何を見ているのだろうか
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(今日は1限からか)
朝、そんなことを思いながら目覚める。俺は高校を卒業後、地元から離れた大学に進学した。
”ピンポーン”とチャイムが鳴る。
「アキトー、学校行くぞー」
「おう」
大学生活に特に不満はない。このままテキトーに過ごしテキトーに会社に就職してこのまま人生を過ごすのだろう。ただ、高校時代のことを思い出すことがある。俺には後悔があった。後悔と言っても高校で青春を味わえなかったと言えば嘘になる。高校では間違いなく陽キャの部類だっただろう。ただ、忘れられない子がいるのだ。俺はその子に振られていた。たった4年前の話なのに鮮明に覚えているのはそれだけだ。
そんなことを考えていたらあっという間に時間が過ぎ全ての授業を受け終わっていた。
「アキトー、飲みにいこーぜ」
華の大学生だ。もちろん飲み会はある。
「「「「かんぱーい」」」」
飲み会がはじまり、騒ぎ始める。ただ、俺はその騒がしい中で会話と全く違うことを考えている。
「君、インスタ交換しよー」
1人の女の子が話しかけてきた。ギャルだ。
QRコードを見せて交換する。
こうやって、女の子と知り合うたび考えてしまう。
ーーあの子もこうやって・・・
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「ただいまー」
誰もいない部屋なのに何をしているのだろう。ものすごく虚しい。
電気代の無駄なので風呂はシャワーで済ます。
(眠くなってきたな)
歯を磨いてベッドに入る。
あの頃、俺は何かを間違ったことに気づいていた。ただ、どこで何を間違ったかはわからないままだ。わからないまま3年が経過した。あの子は何を考えていたのだろう。知りたい。でももう終わったことだ。後悔は残しつつも、諦めていた。否、諦めるしかなかったのだ。
ーーあの頃に戻れたら
『その願い、叶えてあげてもいいわよ』
ーーん?
その瞬間、門原暁人は眠りについた。
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