マキちゃんのシンメは私がいい
前回評価、ブクマ、いいね、コメントありがとうございました。嬉しいです、がんばります。
マキちゃんは誰より輝いてみえた。
「えっ、誰これ。すごいかわいい、美人!!」
いつもみてる動画サイトに出てきた、新人決定!の文字と、とびきりの美少女。
思わず声に出るほどの美少女。
黒髪ロングで肌は白くて…。
「すーっ、はーっ。」
どきどきをおさえるために深呼吸してから再生ボタンを押した。
「今日は入ったばかりのフレッシュな子たちを紹介しまーす!」
「先日のオーディションで合格した子たち、皆さんも気になりますよね〜??」
最近よくテレビで見かけるアイドル2人組が紹介してくれるみたいだ。
サムネに映っていた3人がおそらく合格した人たちなんだろう。
「まずは一人ずつオーディション映像をみせちゃいましょ〜」
歌とダンスの映像が一人ずつ流れる。
一人当たりの時間は短くても、どの子もうまいのがわかる。
「…っ!!!」
ついにでたサムネの美少女。
長い手足でのダンスは目を引く。
透き通るような歌声。
気付いたらアイドル2人組がオーディション映像の感想を言い合っていて動画が終わった。
次回は新人3人のインタビューらしい。
終わった後、何度も戻して再生した。
早川真希ちゃん。
入ったばっかなんだ、研修生なんだ…。
同い年なんだ…。
「ここからまた新しいユニットが生まれるんですね。」
アイドル2人組が最後に言ってた言葉。
アイドルにハマったことなんてなかったから知らなかった。
その事務所は、研修生として下積みを重ねて、実力や人気や運でグループが新しく作られてデビューしていく。
グループの人数は決まってなくて、2人〜10人が基本のようだ。
大人数のグループでもシンメというのがあるらしい。
それからも同じ動画を毎日のようにみた。
数日経過すると続編のインタビューをアップされていたのでみた。
マキちゃんの声は歌声と同じくらい透き通っていて美しい。
声にも美しさがあるのか!と感動した。
「日本を代表するようなアイドルになりたいです。」
マキちゃんならなれるよ!!!
「歌もダンスも今まで以上に頑張って、デビューできるように頑張ります。」
私がデビューさせてあげたい!!
「一生懸命頑張りますので応援よろしくお願いします。」
一生応援する!!推します!!
マキちゃんのコメントに心の中で返す。
私はこの数日でマキちゃんのファンになった。
マキちゃんは私の最推し。唯一の推し。
「最後に動画を見てくださったファンの皆さーん!サプライズのお知らせです!」
「私たちキューティクルの公演前に3人が一曲歌ってくれることになりました〜!!」
「それにより開演時間が15分くらい早くなるよ〜!あとで事務所からお知らせが行くと思うからみてね!」
「当日のライビュでもみれるからね!」
最後にアイドル2人組の告知に思わず一時停止をした。
日程と映画館を調べて自宅近くの映画館でもやることがわかった。
その夜、帰宅した親を拝み倒してなんとか映画館に行けることになった。
当日は直接会えるわけでもないのに、自分の中で最大限にお洒落して映画館に行った。
画面の向こうで歌って踊るマキちゃんはすごかった。
3人でその事務所にいた伝説のアイドルグループの歌を歌っていて、これは私でも聴いたことのある歌だった。
マキちゃんの高音が綺麗で、目も耳もマキちゃんだけを追っていた。
たった一曲だけだけど、私の心にずっと残っていた。
その後に歌っていたキューティクルのことを全く覚えてないくらい、私にはほぼマキちゃんの記憶しかなかった。
いや、全く覚えてないまでは言い過ぎだし、盛ったけど。
キューティクルのメンバー2人で見つめ合って歌ったりしてる時、マキちゃんもそのうち誰かとユニット組んで歌うのかなぁ。とか、
キューティクルが戯れあってイチャイチャしてるのをみて、マキちゃんもそのうち…って考えてた。
そのシンメ羨ましすぎん???
マキちゃんと同じ空気吸えるし、一緒にパフォーマンス出来るだけでなく、見つめあったりも出来るなんて…。
まだ見ぬシンメに勝手に嫉妬してライバル心が出てくる。
マキちゃんが一人でソロデビューするのは、あの事務所的に可能性は低いだろう。
マキちゃんを初めて見てから事務所に対しても学んだ。
マキちゃんがユニット組んでデビューしたら、私は応援出来るんだろうか…。
考えるだけでモヤモヤするし、悲しくなる。
マキちゃんを好きになってから始めたSNSで胸の内を曝け出すと、何人もの人がリプライしてくれた。
「これはミカ氏もデビューするしかないのでは?」
「ミカちゃんもオーディション受ければいいよ!」
「あの事務所またオーディションするらしいよ、応募してみたら?」
オーディションかぁ。考えたことなかった。
一人一人に手短に感謝と検討すると伝えていると、また一つメッセージがきた。
「今オーディション受ければマキちゃんとシンメになれるかもよ?」
「マキちゃんのシンメが私…。」
声に出して想像すると、顔がにやける。
数日悩んだ結果、親に相談すると、親は真剣に話を聞いてくれた。
芸能界は甘くない。
ダンスの経験も歌の経験もないし、周りは小さい頃からやっている人たちばかりで劣等感を感じたりするだろう。
などなど。私のことを心配して言ってくれているのがわかる。
私だって無駄に悩んでいたわけではない。
「キューティクルのアヤちゃんだって全くの未経験で始めたみたいだし、振り付けの動画とか見ながら勉強してるし、ボイトレの動画もみて、歌唱力向上しようと頑張ってる!!もちろん努力は続けるし、オーディションにまず合格するかもわからないけど、挑戦してみたいの!お願い!」
「来年から中学生だから勉強だって難しくなるのよ?」
「勉強もちゃんとやります!成績落とさないようにするし、今は中学の先取りとして動画で勉強始めたの。お願いお母さん、お父さん。」
今の時代は動画サイトに全部あるから本当に助かる。
我が家のような一般家庭に塾代、ボイスレッスン、ダンス教室全部通わせてもらうのはだいぶキツい。
私の熱意が伝わったのか、どうせ受からないと思ったのかはわからないが、一応オーディションに受けることは了承してもらえた。
親には感謝し、できる限りの準備をした。
自分の中で一番可愛く撮れた写真を送った書類審査はなんと合格。
二次審査のお知らせが来た時はホッとした。
次はオーディション会場で歌とダンスの披露。
課題曲と課題ダンスの練習に勤しんだ。
マキちゃんの隣で踊る!!マキちゃんのシンメになる!!
その気持ちだけで歌詞の暗記、課題曲やダンスを何度も聴いて何度もみた。
寝てても歌が聴こえてくる気がするし、夢でもダンスの練習してる自分にちょっと笑っちゃう。
幸い記憶力は良い方なので、覚えるのは得意だ。
ついにやってきたオーディション当日。
これが終わってもまだ三次審査があるらしいが、ここでだいぶ落とされるらしい。ネット情報だけど。
初めて人前でダンスや歌を披露するのは緊張した。
当たり前だけど、音楽の授業や体育の授業とは比較にならないくらいの重圧を感じる。
上手くやらなきゃ!っていう気持ちはひとまず置いておいて、アイドルになったらしたいことを昨夜改めて考えていたことを思い出すことにした。
マキちゃんの夢である日本一のアイドルを叶えるために。
私自身も日本一のアイドルになる。
マキちゃんのシンメになりたい。
マキちゃんと一緒にファンの人たちを笑顔にしたい。
最大の夢はマキちゃんのシンメだけど、マキちゃんに元気をもらった私としては、私のこともそう思ってくれるファンの人を作りたいな。
目の前の人をファンにする気持ちでパフォーマンスしよう。
二次審査の結果は2週間後に合格した人にのみお知らせが来るらしい。
三次審査はカメラの前で写真撮影するってさ。
2週間は毎日ソワソワしながら過ごした。
その間に肌のケア、少しだけダイエット、筋トレ、親との約束通り勉強もしながら頑張った。
もちろん、歌とダンスの練習もね。
合格の、三次審査のお知らせが来た時には思わず泣いちゃった。
親にも真剣にアイドルになろうとしてる気持ちが伝わってるみたいで、家族全員喜んでくれた。
三次審査もなんとか受かって。
四次審査は当日ダンスを覚えて披露するみたい。
当日までわからないのはきついけど、アイドル目指すって決めてからダンスの動画みてすぐ振りコピしてってやってたかは少しずつ覚えるのも早くなってきたし、不安だけど大丈夫。って自分に言い聞かせる。
当日、なんとかダンスを覚えてパフォーマンスしたけど、結果は何ともいえない。
ダンス未経験の中頑張ったよね、なんて言いたくない。
マキちゃんのシンメとして日本一のアイドルになるなら弱音なんて吐かない。
不甲斐ない自分にムカムカするけど、合格してることを祈って案内された部屋に行く。
そこで合格したらどんなアイドルになりたいかのインタビューをするらしい。
部屋に行くと、なんとマキちゃんがいた。
「えっ、えっ、…うっ…」
頭で処理できなくていきなり泣き出す私にマキちゃんは困惑気味に優しい声をかけてくれる。
「えっと…ミカちゃん…?どうしたの??」
「うううぅぅ…ずぎっ…でずぅぅ…」
絞り出した言葉は好きという言葉のみ。
「えっ!?えっ、ありがとう…?」
「うわぁぁぁん、推しが喋ったぁぁ!笑ったぁぁぁ!」
はにかんで笑うマキちゃんの笑顔の破壊力。
その後も泣いて叫ぶ私にちょっとマキちゃん引きながらも優しく声をかけ続けてくれる。
「推し??私のこと??えっと、まずは坪田未希さん、合格おめでとうございます!ここにはサプライズ合格発表ということで私研修生の早川真希が発表にきました!」
永遠と泣いてる私に他のスタッフさんたちが、マキちゃんのシンメになりたいって熱い自己PRをしたから今回の私への発表はマキちゃんにしてくれたらしい。
スタッフさんたちに感謝しながら、どうにか人並みに喋れる程度に回復して動画撮影は終了した。
「ま、まきちゃん…あ、早川さん…。」
ついいつもの癖でマキちゃん呼ばわりして引き留めたけど、芸能界では先輩。慌てて言い直した。
「マキちゃんでいいわよ。敬語でもなくていいわ。合格おめでとう。切磋琢磨で頑張りましょうね。」
「マキちゃん…かわいいしかっこいいし性格いいし聖母マリア様なの??大好きです!!マキちゃんのシンメになりたくて!!死ぬ気で頑張るので!!いや、マキちゃんと日本一のアイドルになるまで死ねないけど!!絶対マキちゃんのシンメになります!!」
「ふふっ。そんなに好きでいてくれて嬉しいけど、他の合格者はみんな経験者だったから、文字通り人一倍頑張らなきゃね。応援してるわ。あなた私好みの可愛い顔してるし、シンメになれたら私も嬉しいわ。」
「推しに可愛い…好みって言われた…」
この顔に産んでくれてありがとう両親。
しかも応援してくれるって、嬉しいって。
ここは天国ですか??
ボーッとしてるとマキちゃんが至近距離にいた。
「連絡先教えてくれないかしら…?」
照れ笑いでスマホをチラ見せしてくるマキちゃんにドキドキバクバクする心臓を押さえながら、「喜んで!!!」とスマホを差し出す。
頑張ってきた最大限のご褒美です、ありがとうございます。
「ありがと、じゃあ次は練習でね?」
手をひらひら振るマキちゃんも可愛くて心のシャッター押しまくり。
近づいた時いい匂いしすぎてダメだった、好きすぎて。
そんなことを考えていたらいつの間にか家だった。
どうやって帰ってきたんだろう、私。
「あらおかえり。その顔はどっちかしら?」
「あ、言うの忘れてた。合格しました、ただいま。」
「帰る前に教えなさい!パーティーの用意できないじゃない!」
親に合否連絡すっかり忘れてた。
バタバタと親がケーキ!!って言いながら出かけていくのを横目に自分の部屋に向かった。
「マキちゃん…」
マキちゃんの連絡先を眺めるだけで幸せ。
せっかく交換したからメッセージを送ろうか迷っていると、マキちゃんから連絡が来た。
「合格おめでとう。ミカちゃんが本当に私のシンメになってくれたら嬉しいわ。ミカちゃんが好き好き言ってくれるの嬉しいし、私もミカちゃんのお顔、好きよ。」
両想いでこれはいいのでは…????
スマホを胸に抱いて唸る。
いや、マキちゃん可愛すぎん??
こんなのさらに好きになっちゃうし、シンメになるためなら頑張れるよ!!!
「絶対シンメになってみせます!!マキちゃんだいすき!!!」
それだけ送って、気持ちを落ち着けるため、モチベアップのためのマキちゃんの動画漁り。
歌とダンスの練習するんだ!!
絶対マキちゃんのシンメになる!!
マキちゃんのシンメは私がいい!!
今回は女子小中学生によくいる〇〇ちゃん大好き!!!って気持ちを全面に出しました。