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悪と善と妹(仮)  作者: 結城コウ
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最近の悪の秘密結社は電車通勤らしい

母の手紙にあった場所は地下鉄で三駅程離れた場所にあった。

歩いていけない事はないが、自分はまだ学生服のままという事もあり日の明るい内に行ったほうがいいと思い、地下鉄を利用した。

地下鉄を利用して拠点に向かう『悪』の者というのも中々シュールだと思うが、そんなものだろう。

なんとかライダーとか乗り物が支給されている奴らはともかくとして、他の連中は大抵の移動手段は交通機関に頼る事が多い、『善』だろうと『悪』だろうと。

わざわざコスチュームで乗る奴がいないだけで、たまたま同じ電車に乗り合わせていたとしてもおかしくはないだろう。

とはいえ、電車という移動手段は焦れる。

それが最速(転送装置を除く)と分かってはいても自力で出来る事がないのは如何ともしがたい。

何かをしていないと落ち着かない。

他の事で頭を一杯にしないと落ち着かない。

でなければ。

でなければ――

――――――――母をこの手で殺めた事実に押しつぶされそうになる。

母は言った。覚悟を持っていない、と。

その通りだ。

『悪』としての在り方は教えられてきた。

ただ、それはあくまで在り方に過ぎない。

価値観等の精神面までは染まりきっていない。

だから、罪悪感なんてものも抱く。

確かに日常生活を送る上でそういったものは必要だ。まともに一般社会に溶け込むには。

だが、そういったものがあるせいで覚悟が必要で、抱かなければならない罪悪感を抱く事になる――

母は、父は、なんの為にこんな、余分なものを残したのだろうか。

この気持ちさえも、計画の内の一つなのだろうか――


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