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悪と善と妹(仮)  作者: 結城コウ
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指示-ゆいごん-

暫く、公園のベンチで放心していた。

放心したまま、母から手渡された物を見る。

父の遺したという転送装置と2通の封筒。

そういえば、『2』の封筒の詳細を聞いていない事に気付き、封を開けた。

中にはこれから住む場所の手配(此方の荷物や生活必需品はすでに後見人に送ってあったらしい)とこれからの立ち回りについて書かれていた。

どうやら、母が死ぬ事で保険金や父の遺産が手に入るので金の心配はしなくていいようだ。

また、若月光治郎氏に後見と護衛の仕事の世話も頼んであるそうなので、此方がとんでもない下手を踏まない限りは安泰だそうだ。

母の死についても全ては母の計画的な自殺(厳密には保険関係もあり、自殺未遂からの事故死らしい)として手を打っており、此方が疑われるようにはならないそうだ。

そうなにもかも都合よく済むと言うのはムシのいい話だが、今は信じるほかなかった。

手紙の続きには全ての内容を理解した後は指示が書かれている紙は全て処分するようあった

それらを読み終えた後、順番が逆になったが『1』の封を開けた。

母が言っていた通り、これから向かうべき場所への道順が記されていた。

ただ、その他にもう一枚手紙と何かの身分証のようなカードが入っていた。

手紙の内容はこれから向かう場所は『悪』の残党の拠点の一つでカードはそこに入る為に使うものだそうだ。

ただ、その説明自体は簡素なもので手紙には続きがあった。

まず、脱出に使った転送装置の説明。

一、転送装置は自分が行った・見た事のある場所を念じる事で使える。

二、転送装置は一度使用すると一定の冷却時間を必要とする。

三、冷却時間は直前に転送した距離に比例して長くなる。

四、冷却時間は水晶に映し出される。

五、転送した際に装置内のエネルギーが消費される。残量は水晶を見て判断しろ。

六、転送装置のエネルギーは専用の装置で補充できる。装置の手配は済ませてある。

との事だ。

試しに転送装置の水晶を見ると、00:00:13:38と表示されていた。

数字の動き方を見ると残りの冷却時間は十三分半程のようだ。

さらに、水晶を覗き込むと境界線のようなものが見え、水晶の中に液体が入っているように感じた。恐らくこれが、エネルギーの残量なのだろう。

エネルギーが満タンで境界線がなくなるとしたら、先ほどの転送で二十%程のエネルギーを使ったのだろう。

それを理解したところで手紙に視線をもどす。

次に書かれている事は何故、残党の拠点に行かなければならないか、だ。

理由は二つあり、一つは拠点には父の作った二神アクトにとって最適の武器を預けてあるそうだ。

もう一つは本格的に活動を始めるに辺り、単独で行動するよりは残党であろうと組織に属していたほうがいいだろうという事だ。

ただ、最後に気になる文章があった。

後は自分の思う通りにしろ、と。


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