共鳴
衝撃があったが、墜落程度でどうにかなるパワードスーツではなかった。
だが、機能を放棄した鉄の塊ではただ、沈んでいくだけだ。
暗転していたモニターからは様々な情報が消えた代わりに、純粋な外の景色を映し出していた。海の中は静寂に満ちていた。
そのまま海の底まで堕ちていきたい衝動に駆られたが、まだ手元に手段はある。
機能が停止したのはあくまで武装全般に過ぎず、転送装置は生きている。
転送装置は行った・見た事のある場所に跳べる装置だ。
例えそれが陸地でなくとも……ならば、無人島の上の空に跳べばいい。
無人島自体に足を降ろした事はなくとも、先程の戦闘で無人島の上を通過した。
そして家の側まで転送するにはエネルギーが心許ない事を考えるとそれ以上の方法はないように思えた。当然、機能が停止している以上、また墜落する羽目になるのだろうが、他に手段はなかった。
ふと、視界にランスに挟まれたまま気を失っている真白の姿が見える。
挟み千切られかけたからか、或いは墜落の衝撃のせいかわからないが、真白の意識は飛んでいる。ならば、これで終わりだろう。
此方の意志に関係なく、転送装置は自身の身体と身につけている物、武装以外は転送されない。そして、真白は魔法を行使しておらず、その顔は海中に晒されたままだ。
――だから、転送装置を起動した
『転送反応!?』
玲の言葉の意味を理解するより先にこの身は海中から消えた。




