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閑話休題・やっぱり鬱陶しい
「あ、美味い」
「当ッ然!でしょ~」
初めてのミナコの料理は和食だった。
焼き魚にお浸し、きんぴらに漬物と味噌汁にご飯という和食の定番的メニューだ。
「いや、流石だな」
「ふっふっふ、もっと褒めてくれていいのよ?アクト様」
これが家事アンドロイドの実力か、と素直に感心しているとふと気が付いた事があった。
味付けが此方の好みそのままなのだ。
「……俺用ってこの事だったのか?」
「まぁ、ね。今回は和食だけど、他の料理でもアクト様好みに仕上げられるよ」
「それは結構だが、どうやって俺の嗜好を?」
「う~ん、それはヒ・ミ・ツ」
やっぱり鬱陶しい。
恐らくは若月家のシェフから好物の情報を得て、好みの味付けを想定した、という事なのだろうが、そこまでするような事なのかと少し疑問にも思った。
腹ごしらえを終え、再度拠点に戻る。
なんとなく見てしまうと、戻れない予感があった映像データだが、このまま見ないという訳にはいかない。
必要だから父は残したのだ。
観念して映像データを再生すると映し出されたのは写真でしか見た事のなかった父の姿だった。




