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賭け
「なるほど、そうきたか……」
朝いち早く入手した新聞。そこには私が二次選挙を通過したということ。そしてもう一つ、私以上にジェンキンスの支持率が上がり、対しサドラ・マシェリの支持率が急落したという情報が書かれていた。
「これはどういう事だい?」
「簡単なことだ。やつの目的は結局の所金儲けだったのだ」
暫く顎に手を当てて考えるレイモンドだったが、暫くの沈黙の後、手を横に上げ、降参を訴えた。
「私が躍進しているとはいえ、まだまだジェンキンスには遠い。それこそサドラと票を合わせても届かない程。だからこそ奴はジェンキンスに票を売った。私に訴えているのだ。私はこれだけの票を操れる。この票が欲しければ金を持ってこいと」
「どうするの? 金なんて……」
「ツテはある。だがそれでもジェンキンスの払った金額には遠いだろう」
賄賂を暴露しようにも、証拠を残すはずがない。
かといって正攻法で票を稼ぐにも、金を稼ぐにも、時間がかかりすぎる。となると──
「──力を示す必要がある。奴が小細工を仕掛けたところで無駄だと。私につくほうが都合がいいと」
「そんな方法があるの?」
「一つだけ存在する。ある種の賭けだがな」




