〝依頼〟と〝ランク〟
レイモンド実はすごい人疑惑が浮上?
「私達はさきほどパーティー申請しましたので、すぐにでも依頼を受けることができます」
スズが依頼の受け方についてジェミナに説明すると、それに補足するようにレイモンドが一枚の金色のカードを取り出す。
「ジェミナ様たちも受け取ったと思いますが、これはギルドカードというもので、レベル、ランク、名前、性別などが書かれてて、身分証明書の代わりにもなります。俺はSSランクなので一番上の金です。最初は黒で、依頼を達成するごとに色が薄くなっていき、銀にあるとSランク、そこからギルドマスターとの模擬戦で許可が下りればSSランクになれます」
レイモンドのカードを見て感心したように目を輝かせているジェミナを見やり、スズが少し不機嫌そうにカードを二枚取り出す。その色は・・・
「銀、ですわね・・・」
「銀・・・え、銀!?」
仰天しているレイモンドにスズが、少し呆れたように
「金の貴方とパーティーを組んだので、貴方のこなしてきた依頼の半分が私達の功績になったのです」
「・・・ん?あー、そういえば、パーティー申請のついでにフェニックス13羽売ったなー。あれか?」
何でもないことのように言ってのけるレイモンドに、
「1つの依頼でSランクまで上がるとは、どれ程難しい依頼だったのでしょう・・・」
とジェミナが呟く。
「ま、何がどうあれ、とりあえずギルドにいきましょーよ。依頼、いいのあると良いですねえ」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
~ギルドにて~
「あっ、ジェミナ様!これなんてどうでしょう?」
レイモンドが手にした依頼書には、〝金竜討伐〟と書いてある。
「金竜・・・?」
ジェミナが怪訝そうにいうと、スズが
「その名の通り、金色の鱗を持つ竜であり、神獣として主を持つものもいます。また知能も非常に高く、意思疎通もできるとか」
そう告げたスズを、少し複雑そうな表情でジェミナが見やり、
「神獣の、討伐、ですか・・・・・・」
そうして考え込んだジェミナに、氷気が漏れ出るようなスズの眼で睨まれたレイモンドが慌てて
「あっ、いや、討伐しなくても、討伐部位だけ持って帰れば討伐達成が認められるから大丈夫なんで、あの、頼んだりすれば、たぶん・・・・・・そっ、それに、他の依頼もありま―――」
「この依頼にしましょう。スズ」
「すし―――えっ?」
「はい、ジェミナ様。・・・すみません、これを」
口を開いて固まっているレイモンドを傍目に、スズは依頼書をギルドの受付に提出し、ランクとパーティーメンバーの確認を手際よくすませ、再びジ承認を受けた依頼書を手に戻ってくる。
「では、決まりね。レイモンド、貴方に頼みたいことがあるのですけれど」
「えっ?あ、はい。何をすればいいんですか?」
「わたくしとスズで依頼に向かうので、その間に宿を取っておいてほしいのですわ。わたくし達はこちらの土地勘がありませんので」
「そのくらいなら全然いいですけど、依頼には二人で行くんですか?まあ、あなた方なら大丈夫だと思いますけど・・・」
「では、宜しくお願いしますわね。行きますわよ、スズ」
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