オクリモノ
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君は、私と出会ったときのことを覚えていますか、私は、とても鮮明に覚えている。
君の瞳を見たときから、私は君を愛おしく思っていたのだと思う。今思えば、あの時の君は緊張していたのだろう…いや、私も緊張していたの、今知っている君とは全然違って、大人しく凛々しく見えた。
出会って、一緒に時を過ごしてきた中で、いろんな君を知った。大人しいかと思えば、無邪気な所があって、凛々しいかと思えば、案外怖がりだったりして。私に冷たいかと思えば、なんだかんだ肝心な時はそばにいてくれる。そんな暖かい君がね、私は大好きなんだよ。
私は、ある時を境に1つ、大きなものを失った。私にとって大切だったはずの人。もう帰ってはこない。私は、今いるここをどうにか守りたくて。失いたくなくて、ほんとに伝えたいことをうまく言葉にできなくなってしまっていた。なんで私ばかり。なんて思うことは今までに何度あったことか…。
いつも隠れて泣いていた。優しいのだと、頼れば聞いてくれるのだと、わかっていても母には打ち明けられなかった。
でもね、私がそんなうじうじとした気持ちになってしまった時、君がいたから私はいつの間にか笑えるようになっていた。本当にいつも、笑顔でいられるようになっていた。君が傍にいてくれたから私は…。
どれだけ君という存在が私にとって大きいものであるのか、君は知っているのかな。
君の先がもうそれほど長くはないこと、私は知っています。君を失う日がくる…。もしかすると、私のほうが先に、なんてこともあるかもしれない、どちらかがどちらかを置いていく、先か後か。それはとてもわかりきっていること。でも私は、君を置いていきたくはない。君は優しいからきっと私のために心を痛めてくれるでしょう。だから君を置いていっては、恩を仇で返すことになってしまうと思うから。
君を失えば、私は泣いてしまう。涙は溢れて止まらなくて、きっとしばらくは立ち直れないでしょう。でも、君に心配かけないように、きっと最後は君がくれた笑顔で見送ります。
約束する。君と過ごしてきた日々を大切にしていくと。君にもらった気持ちを、沢山の人伝えていくと。君の暖かさを少しでもたくさんの人に伝えていく、君が空の上で私を誇りに思えるような、ね。
最後の時間まで、少しでも多く君が笑顔でいられる日々を私は君に贈りたい。
君に少しでも、この想いは…届いていますか。
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