プロローグ
プロローグ
唐突ではあるが俺はガキの頃に少年誌を眺めていてふと疑問に思ったことがある。
『天使と悪魔』
漫画やアニメではいつも悪魔は悪役であるが、果たして本当に悪魔は悪い奴なのか?
大人になるにつれその疑問は深まっていくばかりだった。
しかし大人になるにつれわかってきたこともある。この世に光と影、太陽と月があるように正義がいれば悪も相対的な意味で必要になると。
ただし俺が疑問に思っているのは悪ではなく、悪魔なのである。現実的に悪魔が何か悪いことをしたの
か?
悪魔が仮想だと言うのであればそれまでだが少しだけ俺の話しを聞いてほしい。
仮に神や天使を聖なるものと例えよう。現実では正義という名のもとで争い事は起きている。そして苦しむ人々は聖なるものに祈る訳だ。
これっておかしいと思わないか?
明らかに矛盾していると思うが、人ってのは根本的には利己的であり、多くの大人達は各々の立場や建前ってのがあるのかもしれない。なのでこの問題は少々タブーな気もするのでここまでにしておこう。
まあ、つまり俺が何を言いたいのかというと、悪魔って意外にいい奴じゃないのか?
存在自体も怪しいが仮にいたとしても良い奴だって確信はないし、根拠もないが何となくそんな気がするんだ。いや、根拠はあるか。俺は悪魔と出会ったんだ。
あれは夢じゃなかった。確かに俺はあの日悪魔と出会ったんだ。