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α 第三話 『セリス、勉学に励む。其ノ壱』

α 第三話 『セリス、勉学に励む。其ノ壱』


孤児院の大広間に朗々とした声が響く。


「、、よって、魔術は事前準備が必要なのです。」


孤児達への生活魔術の授業。

講師として教鞭を執るのは若々しい女性である。

容姿の整ったその姿は凛としているのだが、、、


「センセイ!」


セリスが挙手する。


「何かな?セリスちゃん?」


セリスは周囲を見回し、苦笑して言った。


「ジュギョウハヤスぎてミンナネちゃいました!」


彼女、孤児達の魔術の講師こと孤児達に人気の

『グリム先生』は、額を抑えて嘆息した。


「やっぱり私、講師役は向いてないなぁ、、、」




孤児達への生活魔術の授業は九歳から始まる。

魔術は魔法よりも自由度が低いが、

魔法より速く、魔法より消耗を抑えて、

魔法より多くの結果に繋げられるのだ。

故に生活に密着しているのは殆どが魔術である。

その授業において最も速く講師のグリムから

魔術の才能が有ると認められたのは、セリスだった。


「センセイ!シツモンです!」


グリムは今年から雇用された講師である。

魔術の師に師事する事四年余り、

師には合格と言われ、体良く放り出された。

去年迄の講師は病で郷里に帰ったらしく、

前任の講師とは顔を合わせた事すら無い。

ので、、、教え方が判らない。


彼女は良くも悪くも研究者体質であり、

教えずとも良い事迄教えようとしてしまうのだ。

そんな彼女にとって最も教え甲斐の有る生徒こそ、

彼女と同じ、研究者体質(マッドサイエンティスト)なセリスだったのである。

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