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「もう少し尊敬の目で先輩を見なさい!」

   No.4「もう少し尊敬の目で先輩を見なさい!」



 「やりましたっ! ついに話しかける事が出来ましたっ!」

 「おぉー、やったねー」

 「その調子よっ! 恵ちゃんっ」

 「じゃぁ、次のステップですねー」

 「次は次はぁーっと…」

 「肝試しに誘う。ですよ、優先輩っ」

 「そうね…でも待って、もう少し仲良くなってからがいいんじゃないかしら?」

 「まぁ、確かに。いきなり誘うのは不自然ですからねー」

 「そうよねっ! よし、じゃぁ。もう数日間、積極的に喋りましょう! それで、きっかけをつかんで…肝試しに誘うのよっ」

 「それは名案だわ、優ちゃん」

 んー、ただ単に肝試しが怖いだけじゃないか。なんて疑問は口になど出せるわけもない。

まぁ、実際そうなのだろうけど。

 「打ちとければ、肝試しに誘いましょうっ」


 そして事態は数日後へとスキップされるのだ。





       〒±

 数日後、例のごとく恵ちゃんが報告にやってきた。


 「やりました! 今日、自然な流れで肝試しに誘えました!」

 「お、やったねー恵ちゃん。」

 「やったじゃないっ! で、肝試しはいつっていうことにしたの?」

 「明日です」

 「ふぇ?」

 「明日」

 「明日…」

 「ダメ…ですか?」

 「いいえ、そんなことないわ! 大丈夫!オールオッケイ、もーまんたいよ!」

 「ギャグ古っ!」

 「そ、そんなことはどうでもいいのよこころ君!」

 「じゃ、じゃぁ…明日の10時に校門集合ね! こころ君は私の家まで迎えにきてっ! 会長命令よっ!」


怖いのか。夜出歩くのも怖いのか。

それか、肝試し不安だから、か。

どっちにしろ、やっぱり怖いんだな優先輩は。

これは、おもしろくなりそうだぞ。

 その命令はもちろんオッケイというもので、いろいろ願ったりかなったりだ。


 「わかりましたぁー、迎えに行きますね」

 「では、我々は現地集合ということにしましょう。お二人は一緒に来るようですが」

 「そうね、そうしましょう。ね、優ちゃん」

 「宮野先輩には私から伝えといておきますねっ」


 よし、明日が楽しみだなぁ、いろんな意味でね。久しぶりに優先先輩の…

僕は一瞬の黒笑いを浮かべた。

もちろん、優先輩には気づかれないように。

利津先輩には、お見通しの様だけれど。



 「心君、」

 「はい?」

 「優ちゃんのあの姿久しぶりに見れるからってあんまり浮かれちゃだめよ? あと、一人で優ちゃんで遊ばないようにね、私も混ぜるのよ、いいね?」

 「わかってますよ、利津先輩」

 「そこ! なにひそひそやってるのよっ!」

 「特になにもないわよ?」

 「そうですよー、優先輩」

 「怪しい…」


 あの眼は…なにかを推理している時の目(ついたあだ名は目つき悪っ!)じゃなくて…あれは、疑っている時の目だっ!

怖い、少し怖いですよ優先輩! 


 「ほんとになんでもないですから、安心してください、優先輩っ」



僕はわざとらしいグッドポーズをとる。  

だけれど優先輩にはわざとらしいとは映らない。なぜなら…馬鹿だから。馬と鹿と書いて

バカだから。


 「ふふっ」

 「ん?」

 「あ、いや。生徒会の皆さん、面白いなと思って…ふふっ」



お上品な笑いだなぁ~、でも文字だとどう伝わるのだろう。不気味?

でも、本質はお上品。


 「さぁ、明日が楽しみですねっ」

 「そ、そうねっ。楽しみねっ。」

 「皆さん、作戦とか関係なく素で楽しんでくださいねっ」



というわけで、またまた翌日にスキップだ。






        〒±

9時45分に優先輩が僕の家まで迎えにきた。

懐中電灯を2本持参していた。

優先輩、実はとても怖がりで…(これまでの話で気づいた人もいるだろうけど。)

そして、夜になると…キャラが変わる。

甘えん坊さんになるのだ。

そしてそれを知っている僕と利津先輩は、今日とても楽しむだろう。

Sキャラに目覚めた二人で…


 「じゃぁ、行きましょうか。」

 「う、うんっ!」



僕達は家を出て、学校への道を歩きだした。

ん…なんか優先輩がぴったりとひっついてくる。

まさか…もう怖いのか。


 「優先輩、そんなにくっつかなくても…」


正直言うと、かなり恥ずかしい。

うれしくないわけではないんだけれど、恥ずかしい。女の子にぴったりとくっつかれているのだ。

しまいには手まで握られている。

どんな素的イベントだよ…


 「手…離しちゃやだよ…? こころ君…」

 「は、はい…」


破壊力! キャラ萌えとかそういうのじゃなく、リアルにこんな人が存在するのが脅威だ!

金谷が見たら発狂しそうな…


 「優先輩、今日大丈夫ですか?」 

 「大丈夫よ…? こころ君、先輩のこと馬鹿にしてるでしょ~。だめなんだよ? 先輩には尊敬のまなざしを向けなきゃなんだからねっ?」

 「尊敬は、してますよ。僕は優先輩のおかげで救われたんですからっ」

 「もう~、恥ずかしいじゃないのぉ…」

 「すいません」


僕はにっこりと笑顔を向けた。

そしたら、優先輩もにっこりと…笑顔を向けてくれた。

ものすごくかわいらしくて、愛らしい。

それでいて、綺麗。

僕は幾秒か見とれてしまった。


 「こころ君~?」

 「え? あ、はいっ」

 「学校、ついたわよ~?」

 「あ、そうですかっ。ははは…」

 「ん?」

 「や、な、なんでもないですっ。さ、行きましょう」

 「あ、優ちゃん! こっちこっち!」

 「利津先輩、もう来てたんですかぁ」

 「うんっ、もう来てたわよ。」

 『早く優ちゃんの夜のキャラが見たいからねー』

 『そういうことでしたら、オールレディですよ。』

 『なんで英語…? あぁ、だから二人…手をつないでるのね』

 『なっ…そ、それについてはなるべく触れないでもらいたいです…』

 『あ、心君赤くなってる…ふふふ。』

 『え、あ、いやっ。その…』

 『私には、白状しないと…』

 『なんでもないですってっ。』

 『ほんとに何もないの? …ちっ』

 『えっ?』

 『なんでもないわよ、さ。いきましょう』

 「さっきからなにこそこそ話してるのよぉ」

 「なんでもないですよっ。さ、みんなのところに行きましょう」

 「う、うんっ!」


優先輩…かわいいなぁ。っと…

利津先輩に殺されるっ。あの先輩は若干百合っぽいからな。

優先輩のことを好きかもしれn…っと。やばいやばい。

執筆過程を見られたら何を言われるか…


 「さてと、全員揃ってますよ」

 「どうも、生徒会の皆さん。」

 「あなたが、宮野先輩?」

 「はい、今日はよろしくお願いしますね」

 「宮野先輩っ! 行きましょっ」 

 「じゃぁ早速、肝試し始めますか」

 「では、生徒会の皆さん。先にいってますね」

 「あ、はいっ」


宮野先輩と恵ちゃんが二人で並んで学校に入って行った。

そして、数分たった頃。

僕らも行きますか、と歩いて合図。

学校に入るなり、非常口の緑色のランプが妖しく光っている。

それだけで、優先輩はびくびく震えている様子だ。

僕は優先輩の手をいまだ握ったまま懐中電灯をもう片方の手に持って、学校を探索。

なにもないのは明白だから、気軽~に進む。

僕も、どっちかというと怖いのは苦手。

だけど、何もないと分かっている肝試しくらいならどうってことない。

なにかあったら、別だけど…


 「そういえば会長」

 「な、なに?」

 「霊が出る時間帯って深夜12時ってされてますよね? あ、あと丑三つ時」

 「そうね、テレビとかでよくきくわよね優ちゃん」

 「でも本当は…」

 「本当は…?」

 「時間帯関係なく、出るらしいですよ。」

 「わふぅ~…」


優先輩がふらぁ~っと、僕に倒れてくる。


 「優先輩!」

 「会長?」

 「あらあら、優ちゃん…信一君?」

 「は、はい?」

 「優ちゃんいじめちゃだめじゃないの。」

 「優先輩は怖いのに弱いんだよ。あと、夜ってだけで怖くて性格変わるんだ。」

 「こころ君~…金谷君がいじめる…」

 「よしよし、大丈夫ですよ優先輩。」

 「そうよ、優ちゃん。出るわけないじゃない…幽霊なんて。」


利津先輩が怖い顔を作って言う。

完璧遊んでいるな…この人。

これじゃぁ逆効果じゃないか。


 「歩こぉよぉ…早く終わらせよぉよぉ…」

 「わかりました、立てますか?」

 「…手、握っててね?」

 「握ってますから、立ってください」

 「うん…」


優先輩がよろめきながら立って、僕の手を再び握る。

泣きっ面になりながらも、がんばって校内一周を目指す。

 それにしても金谷…知らなかったとはいえ怖がらせすぎ。

優先輩をこんなに泣かせたことは僕ですらないのに…

いじろうと思ってたけど、そういう場合じゃないな。支えようじゃないか。


 「でもまさか…会長にそんな癖があるとは…驚きでした。」

 「癖って…なんか変な言い方するなっ」

 「お、やけに真剣ですね。いつものいじりキャラは何処へ?」

 「こんな状態の優先輩をいじれるわけないだろ。」

 「こんな状態だからこそいじるんじゃないですか、それが真のいじりキャラというものですよ。」

 「いや、僕元々突っ込みキャラだから。ものすごく激しい突っ込みするキャラだから。いじりキャラは第二だから!」

 「残念ですね、貴方とは通じる所があると思ったのに…」

 「あんたと通じたくなんかなーわっ!」

 「そんな、ひどいっ! ひどいわっ」

 「追いかけなさい、心君も本当は…」

 「やめろよその本当は両想いなんだろみたいなの! しかもBLじゃなーかそれじゃぁ!」

 「えー。」

 「えーじゃないですよ、えーじゃ…しかも本当に走って行ったし。」


そして、金谷が走り去って行った直後。

何か物音がした。

そして、皆恐る恐るその方向を向いていると、真っ白な服を着た足の無い人が出てきた。

まさか…


 「出たあああああああああああああああ!」

 「きゃぁああああああああああああ!」

 「うわあああああああああああああああああ!」





        〒±

 「やりましたよ!」

 「…何が?」

 「先輩と付き合うことになりました!」

 「よかったじゃない」

 「はい! 美菜さんのおかげですっ」

 「いえいえ…」

全員ぐったり。

先日の事件のせいで皆はぐったりとしている。

幽霊…本当に居たんだ…


次回から、短編連作の形を取ります


そしてギャグ要素を磨いていきます


感想、お待ちしています

http://playlog.jp/gzza/blog/

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