No.4「あれれ? こころ君ってこういうキャラだっけ?」
NO.4「あれれ? こころ君ってこういうキャラだっけ?」
嘆息する。
いきなりだけど、嘆息する。
「やっぱり恋愛っていうのは、シュミレーションが大事だと思うのよっ!」
「会長! それには、激しく同意ですっ!」
「そうねぇ…優ちゃん、それはあっているような気がするわねぇ」
「でしょでしょっ!? ていうことで、恵ちゃんが来るまでの間、恋愛シュミレーションゲームをし
ましょう!」
再び嘆息する。
4話始まってまだ340文字未満。
嘆息2回。
「で、恋愛シュミレーションゲーム。この部屋にありましたっけ?」
「それなら、僕が持ってきてますよ」
「何!?」
「おぉ! さすが信一君ね!」
「いやいやいや、普通に校則違反してどうすんですか! 生徒会でしょっ!?」
「いいのいいのーっ」
「ちなみに、パソコンならそこにありますから。これでできますね」
「こころ君、あなた、やりなさいっ!」
「えぇっ!? ていうか、恵ちゃん来るまでって…部活終わってからって言ってましたから、何時間もありますよっ!? まさか、全部ゲームに費やすつもりですか!?」
「そうよ」
「それに、こいつの持ってる恋愛ゲームなんて、どうせいけない描写とかが入ってますよっ!?」
「それなら大丈夫ですよ、なぜなら…全年齢推奨版だから!」
ん。まぁまぁ、まだそれなら救いようがある。これで18歳以上対象とか言われたらもうどうしようもない。
金谷にまだほんの少し残っている純粋さに救われた。
「なら…いいですけど。」
「よし! こころ君、やりましょうっ」
「僕が教えてさしあげますから、やってみましょう。」
「はいはい…」
嘆息する。3回目。本日3回目。
全く、僕はゲームなんて…
したことあるけど、健全なRPGやアクションしかやったことがない。
美少女系なんて…
オタクのするものだ。
金谷みたいな。
秋葉原系の人がするものだ。
だけど…仕方がない。やってやろう。
頼むっ! 恵ちゃん! 早く来てくれっ
「じゃぁ、スタート。」
「初めからを押してください」
「いやいや、分かってるってそれくらい。」
“はじめから”をクリック。
そしたらムービーに入り…
なんともかわいらしい。キャラクター!
という感じのキャラクターが出てきた。
赤い髪の毛を二つにくくり、長髪。
けれど、身長は小さくてロリ。
一応、高校生らしい。
会話パートに入ったらしく、その女の子が喋りだす。
《 「私の名前は紅伊 智美だよっ! よろしくねっ!」 》
選択肢が出てきた。
「初めての選択肢ですね、これで結構変わるんですよ。選んでみてください」
「ん、わかった。」
《 「よろしくお願いします」 》
《 「よろしくぅっ!」 》
《 「よろしく」 》
うわぁ…真ん中のは明らかにチャラ男だなぁ。
最初のは堅すぎる。となると、最後のやつが一番いいのかもしれない。
《 「よろしく」 》
「ナイスな判断ですねぇ。」
「うぅ…」
「最初のは堅いもんねっ。真ん中のはちょっと嫌だわ」
「そうです! 真ん中をクリックすれば…おそらくチャラ男というレッテルを貼られてしまうでしょう!」
「さすがこころ君ね、女心というか、そういうのがわかってるっ!」
「優ちゃんはそういうこころ君n…」
「はいっ! 早く進めましょっ!」
ん? なんだったんだ?
ちょっと聞いてみたかった様な気もするけれど。
覆いかぶさったということは、本人は言われたくないことなのだろう。
というわけで、追及はしない。
そしてしばらく会話をして…次の選択肢。
「ここで、何ルートを辿るかが決まります」
「ルート?」
「誰を攻略するか。ということです。まぁ、誰が彼女になるか、ですね」
「ふーん。」
ここから先はまずい。
いくらゲームキャラとはいえ…
僕には…
バン!
「遅れましたぁっ!」
「あ、恵ちゃん! 待ってたわよぉっ! ささ、こっちに来て!」
嘆息。4回目。
助かった。非常に助かった。
恵ちゃんが来るまで、ということだったので僕はセーブもしないで消した。
「生徒会の皆さん、本当に遅れて…」
「いいよいいよ、部活があるんだし。仕方ないよ」
「そうだよぉ、仕方ない仕方ない」
「そうそう! それより! 早速始めましょうよっ! 調査!」
…すごく乗り気だ。目が輝いている!
いや、乗り気なのはこの前から分かっていたけれど…ここまでとは。
結構面倒だぞ、恋愛相談って。
しかも解決だぞ、完全解決と言い張っているんだぞ、あなたは。
どれだけ大変なことか…
そして、この恵ちゃんの信用仕切っている眼差し…
これは後戻りできませんよ、優先輩。
「まず、相手の事をよく知らないといけないと思うのっ! …そこで!」
「そこで?」
「生徒会の特権を行使します!」
生徒会の特権。
生徒会が、この学校内で持っている特別な権利のこと。
普通の学校では、こんな特権存在しないのだけれど。
ここであげておこう。
〒±
――生徒会の特権――
壱.生徒名簿をいつでも見れる。
弐.職員の許可を得れば深夜12時までなら学校に残ってもよい。
参.生徒集会を生徒会の一存により開いてもよい。
四.全ての部屋の鍵を所持してもよい。
伍.あらゆることの承認権は生徒会にある。
六.行事の開催については生徒会に一任する。
七.校則の調整を職員との話し合いで行ってよい。
八.これらの権利を行使することを認める。
±〒
以上がこの学校の生徒会に認められている特権。
今回使えそうな特権は…壱と弐くらいか。
場合によっては参も使えるな。
「というわけで、壱を使って相手の事を知りましょう!」
「では、早速名簿を取りに行ってきます」
「まかせた! 会計!」
「それで、相手の事を知ったあとはどぉするのぉ?」
「積極的にアプローチよっ!」
うわぁ、普通だぁ。
でも、それが一番得策かもしれないな。
恋愛経験は豊富でないけれど、アプローチすることの大切さは知っている。
「特権弐も使えませんか?」
「どうするのー?」
「アプローチにはですね…やっぱり、肝試しでしょう。夜の校舎って怖いですからねー。二人で一緒に肝試しをするんです。もちろん僕達も参加でね。」
「なんで私たちまで参加するのよぅ」
「それはですね、見守る。というのもありますし、いきなり二人きりで肝試ししてくださいはおかしいでしょう? だから、僕達で今度肝試しするんですよ。一緒にどうですか? という風に誘うんです」
「それで、あの二人を一緒の組にする。というわけね」
「そういうことです」
「いい案じゃないのぉー、ねぇ? 優ちゃーん?」
「そ、そうねっ! いい案ねっ! 採用っ」
「アプローチの方法まで考えてくださって、ありがとうですっ」
素直でいい子だなぁ。っと…駄目だ駄目だ。
「いいんだよ、私達生徒会にまっかせなさいっ♪」
優先輩…調子に乗ってる。
でも、いいや。久しぶりに…
「名簿取ってきましたぁー」
「仕事が早いわねー」
「さぁ、見てください」
「どれどれ…」
金谷は、パラパラとめくって目的のページを開けると、胸を張る。
見てみると、美青年。
趣味はホラー小説を読むこと、怪奇が好き。
お、これは肝試しに誘いやすい。
そして、これは…
恵ちゃんがびっくりしてそれを宮野先輩が受け止める。
これはフラグが立つ。
それにしても…宮野先輩。僕と恵ちゃんからすれば2年も上かぁ、そろそろ卒業なんだなぁ。
2年上の人に恋するって、大変そうだなぁ。
1年上ってだけでも大変そうだけど…
「うぃーっす、お前らぁ。調子はどうだー?」
「んー? あー、はいー。」
「なんだこころその微妙な反応は!」
「あぁ、芝 里紗子先生ですか。」
「何故にフルネーム!?」
「調子はですねー、いつも通りですよー」
「何その私だけいつも微妙な扱い!」
この明らかにドMといった感じの先生は、生徒会顧問の芝 里紗子。
茶色の髪の毛。短髪。
大人の色気漂う美人先生と人気なのだけれど…
僕らにとっては「ただのふざけた奴。」
でしかない。
このひどい扱いをすることになった経緯についてはまた別の機会で話すことにしよう。
「まーたお悩み相談かぁー。」
「は、はい…ご無沙汰してますです」
「恋愛相談ですよ」
「はっはーん…キラーン」
ん? 目が光った!
キラーンっていった! しかも自分で!
「恋愛相談なら私におまかs…」
蹴り。蹴りを一発入れて、生徒会室から外へと追い出す。そして、鍵を閉める…
内側から。
「ふー。」
僕はパンパンと手を払い、嘆息して席に座る。あ、5回目。
「よかったんですか? その、先生ですよ?」
「あー、いいのいいの。あの先生には、いいんだよ」
「そうよー、恵ちゃんー。あの先生にはあれくらいがいいのよ」
「もっとも、追い出さなければここの空気が乱れていたでしょうからね。賢明な判断です。」
「そうなんですか…」
「じゃ、話の続きですけど…」
「それなら、さっきまで話してたことでおっけいよ、万事オッケイ! 明日から、声をかけていきましょう!」
「じゃぁ、次は…」
「文化祭のテーマについてねっ!」
「ちょっと待ってください、それは昨日二人で決めたんじゃぁ…」
「候補だけ決めたんだけどねー、どうやって決めるかっていうことで問題が生じたのよぉー」
「そういうことですか、では…候補はなんなんですか?」
「これよっ! このはくん! オープン!」
「オープンってなんすか! 何も用意してませんよっ? …コホン。えっと、第一候補・競争。第二候補・なんでもあり。」
「二つ目のは会長ですね」
「なんでわかるのよっ」
「ふふ…っ、性格出てるわよ」
「にゃわぁ…」
「大丈夫ですよ、優先輩っ」
「こころくん…」
「優先輩は、それでいいんです」
「何がっ!? 全然フォローになってないよっ!? こころくん!? そういうキャラだっけ? ちょっと最近Sになってきてないっ?」
「優先輩ぃー、脱線させちゃぁいけませんよー。会長なんですからー」
「いや、これは信一君の責任でしょうっ」
「違いますよね、みなさん。」
『そうそう。』(優先輩以外全員)
うん、やっぱり優先輩いじりは面白い。
僕が最近いじりキャラに目覚めて来たのは、半ば優先輩の影響なのだけれど…
これも今は話さないでおこう。
「…コホン、さぁ! 多数決を採りますっ! 1番がぁー、いい人っ!」
「はい」
「はい」
「はい」
満場一致…勝った!
「あわわぁ…」
「じゃぁ、文化祭のテーマは競争で決定ですね、書記取ってください。」
「い、いいもんっ! いいんだもんっ! 別に悔しくなんかないしっ」
「じゃぁ、先生に提出してくるわ」
「よろしくお願いします、利津先輩」
「なんか疲れたぁ~! こころ君―、私と恵ちゃんにお茶いれなさいー」
「はいはい」
僕はお茶の入っているポッドでお茶を入れると、二人の前に出す。
ちなみに熱い番茶。
職員室にあるようなポッドだ。
といっても、職員室に全く入ったことのない学生は分からないと思うが…入ったことある人なら分かるだろう。
「おいしぃ~! 番茶最高っ」
「おいしいですぅー」
「恵ちゃん、初対面の時とキャラ変わってない?」
「そんなことないですよー?」
「優先輩、ここに来ると誰でもキャラが変わるんですよ、きっと。いや、絶対」
「なにそれっ!」
「生徒会キャラ崩壊の法則、ですよ」
「いやいやいやっ! そんな法則ないからねっ! ていうかどんな法則よっ!」
「突っ込みが板についてきましたねー」
「最近…私とこころ君の立ち場、逆転してない?」
「気のせいです。」
僕はふと時計を見る。
時刻は下校時刻前だ、そろそろ帰らなければいけない。楽しいのに…
「そろそろ下校時刻ですよ、ほら、優先輩ぃー、みんなも帰りましょう」
〒±
というわけで、校門前。
「今日は本当にありがとうございました。これから、よろしくお願いします」
「うん、よろしくねぇー恵ちゃん!」
「じゃぁ、本日は終了!」
こころ君と優先輩のボケと突っ込みは
逆に!
いろいろあって立ち場がかわったんでしょうね
また別の話ですけど
この話。結構気に入りそう(自分で)
いいじゃないですかー
コメディ。
当初の予定とは少し方向転換したけれど…
僕って、お笑い要素含んだほうが
いいらしいです。
今日判明しました
部活で、いろいろ書いてたら
ふざけて書いたので
型物副会長を
笑わせましたよっ
一発オッケイもらいましたっ
でも、これは少し暴走しすぎかな?
と感じる点も…
そんなこんなで
生徒会、やっていきます。
感想くれるとうれしいです♪
ではっ!
http://playlog.jp/gzza/blog/