仕組まれし決勝
次の日、カイ、ダレン、リーフ、ルミナスで、組み合わせ表を見にいく。すると、次で戦う…はずだった相手の上に、バツ印が付けられている。隣の住人に事情を聞くと、
「どうやら、どこかへいなくなっちまったらしい。今、大会側が捜索してるが、行方知れずらしい」
とのこと。
リーフは、
「そんなことってあるの?昨日までいた人が急に消えるなんて…」
と言う。
ダレンは、カイをチラッと見ると、震えてるように見える。
「ん?どうした、カイ」
カイは、
「やられた」
と呟く。ダレンは、
「あ?どういうことだ?」
と困惑する。
「ライとアレンの対戦相手見てみろ」
と言われるままに、ダレンは、視線をBブロックの方へと走らせる。同じように、バツ印。
「…これがどうかしたのか?」
とカイに聞く。カイは、
「考えてもみろ。リーフが言うように、一夜にして4人が失踪なんて聞いたことがない。しかも、俺らとライ達だ。誰かが仕組んだに決まってる。…例えば悪帝とかな」
と言う。ダレンは息を呑んだ後、
「ライがやったとか…」
「ない。断じてない。俺はあいつらを信じてる。そんな奴らじゃ…」
「…なあ、カイ。このご時世、人をそう簡単に信じて良いのか?」
「…」
ダレンは続ける。
「お前の信念がそう言うなら、俺は止めもしねぇよ。だが、もし、お前が取り敢えずで信じてるような奴なら、俺はお前をぶん殴ってでも止める。…お前はどっちだ、カイ?」
カイは、暫く黙って、
「"あの時"以来、俺は人を信じることにしたんだ。これは思いつきでも、取り敢えずでも無い…決意だ。俺はあいつらを信じる」
とダレンに言う。ダレンは、ふっと笑い、
「なら良い。俺はお前を信じてる。俺の友達だからな」
と言い残し、どこかへといってしまった。
「人を信じる……昔は疑心暗鬼だらけだったのにな。変わったな、俺も…」
と呟き、近くの売店で水の入ったペットボトル(らしきもの)を買って飲んでいる。水と一緒に、過去の記憶が混ざった汚濁も飲み込もうとする。しかし、飲み込もうとすると、何故か左眼が熱くなる。
なんだこれはーーー、一気に飲み込もうした瞬間、
「おう!カイ!」
と声が聞こえ、ぶっと水を吹いてしまう。見ると、
ライとアレンが、何してるんだ、という目で見ている。
「あぁ…ごめん、びっくりして…」
と慌てて言い訳をする。
「ふーん…ていうか、僕たち、不戦勝で準々決勝まで行ったね。なんでか分からないけど、これも運命なのかもなー」
「そうかもな、まあカイ、お前らともし戦えるなら、手加減なしだからな」
カイは、そうだな、と相槌を打った時、ライの反応的に、ライが犯人だとは考えにくい、アレンにはそんなことできるはずもない、13、4くらいの少年が、人を失踪させるーー、そんなこと聞いたことがない。よって、ライ達は犯人では無いことを確信した。
暫く会話して、ライ達に別れを告げて、宿に戻って行った。
宿では、ダレン達が待っていた。
カイは、リーフを呼んで、隣の部屋に来るように言った。
「どうしたの?カイ?」
「いや…リーフに手伝って欲しい事があるんだけど…この大会どこかおかしい。何か別の力が働いている。恐ろしい力がな…」
「うん…」
「だから、リーフに、その元凶を調べて欲しい。試合中に限らず、日々、怪しい奴を見つけたら逐一報告して欲しい。俺とルミナスで調べる。」
リーフは頷き、
「任せて。ダレンと協力して、間違えてでもカイ達に指一本触れさせないよ」
カイは、頼んだ、と微笑んで、みんなのいる部屋に戻って行った。
ーー次の日、
「カイ・ルミナス 不戦勝」
「ライ・アレン 不戦勝」
ーーその次の日
「カイ・ルミナス 不戦勝」
「ライ・アレン 不戦勝」
恐ろしい事態に、住民も、驚きから恐怖へと変わっている。リーフは、
「僕ら、毎日街を歩いて、異変がないか探してた。
でも、すれ違った人、店の中にいる人、全員に異変は見れなかった。僕らがよく見れてないのかも知れないけど…それっぽく怪しい人はいなかった」
とカイに耳打ちする。
「気にいらねぇな。コソコソしてんのが癪に障るな。」
とカイが舌打ち。
決勝は、
カイ・ルミナス対ライ・アレン
となった。




