サスカッチのノリ
暫く歩くと広大な空洞に出て、
道の両脇を沢山のサスカッチが、
並んでいた。
様々な種類の猿が居る。
「オッオッオッオッオッオッ!!!」
サスカッチ達は唸り声を上げ、
ドラミングや骨を鳴らしたりと、
既にテンションMAXだ。
ゴブリンの儀式を連想したが、
歌や曲とかでなく、
単に勢い任せで鳴らしている様だ。
やはり亜人よりは、
知能が低いのだろうか?
中央には舞台の様な広場が有り、
その上には玉座の様な、
段も有る…
ここがサスカッチ王室の、
謁見の間の様だ。
「キッキー!珍しい人間の雌だっキー!
いやワーウルフ?
とにかく良い雌だっキー!」
玉座段にはアルビノで白いゴリラ、
人間から奪った様な王冠を被る、
明らかに他サスカッチと、
違うのが居る!
「この方は我らサスカッチの王、
猿王セイゴクー様だっキー!」
「はじめまして、
私は怪物の魔女、
大倉栄子と言います…」
従者とおぼしきボノボが、
王の紹介すると、
一般サスカッチ達のテンションが、
更に上がった!
「王にオークラ!王にオークラ!
オーオークラ!クラクラ!オーオーオー!」
悟空か…確かに猿の王だ。
セイは斉天大聖と言いたいが、
よく見たら沢山の雌が抱き付いているし、
性や精みたいだな…
オーベロン王と違い、
分かりやすいハーレムだ。
「キッキー!オークラ!
このセイゴクーと、
交尾しに来たっキなー!?
欲しい物が有るなら言うっキー!」
セイゴクー王、
求愛ストレート過ぎる!
エルフと違ってオブラート包まない!
よく見たらサスカッチの雌だけでなく、
人間の女も何人か居るから、
私もそうだと思っている?
猿人ぽいのも居るから、
それが人間との子どもだろうか?
「白猿!何で姐御が人間に近い、
お前なんかと交尾するんだ!?
全員焼き殺すぞ!」
「サワイ、それ言う権利、
もう貴女には無いよ」
「ぐっ!?」
猿は獣モンスター中では人間寄りだが、
亜人程ではないのは良い…
私にはオーベロン王より、
セイゴクー王のがイケメンである。
しかし欲しい物くれるなら、
サスカッチは利用価値有りそうだ…
「そうね…私が欲しいのは、
全人類の首」
それを聞いて、
セイゴクー王も他サスカッチも、
驚き静まり返った。