竜に肉を、エルフに短歌を
「ちょっとサワイ!
何やってんの!?」
「なんか肉喰いたいつったら、
ここに連れられたっす!
何の肉か分からないけど、
どれも美味いっす!」
なるほど王宮に肉持って来させるより、
ここのが沢山有るか…
「エルフ偉そうで、
今まで嫌いだったんすけど、
見直しました!」
なるほど国賓の私の連れだから、
敵対するワイバーンでも、
優遇せざるを得ないのか。
ドラゴンとエルフの対立根深いのか、
支払うメイドや店主や他客など、
エルフは全員白い目でサワイ見ている…
肉与えているハーフリングは、
そうでもないから、
他妖精はそこまで竜嫌いではないのか?
「姐御もどうっすか?
狼形態ならきっと、
生肉美味いっすよ♪」
「何言ってんの!
店やお客さんの迷惑でしょ!
帰るわよ…」
「ちぇー!
あ、でもこのベーコン頂き!」
切り分けてないベーコンの塊を、
喰いながらなサワイを連れ、
私は商店街を出た。
漬け物、肉、飲み物、パンなど値段見たが、
どうやら物価は平成レベルで、
賃金高いのは物価影響でもなかった。
てか妖精て消費税無いのか!?
ますます羨ましい…まさに魔法だ!
すると街頭で、
これまた見覚え有る龍が…
「先生!?」
なんと先生は街頭でゴザを広げ、
ポエム書いた色紙を、
路上詩人みたく売っていた!
しかもまあまあ売れている!
「先生!何やってんですか!?」
「路銀は幾らでも要るからな…
南蛮天狗どもは剣より詩を好むゆえ、
辻詠みしてみた…」
「そんな辻斬りみたいに、
言わなくても…
いや辻斬り側は私か…」
「しかも南蛮天狗どもにとって、
俳句や短歌は物珍しいらしいぞ」
「そういや詩て基本文字制限無しで、
五、七、五や五、七、五、七、七の、
文字制限珍しいかもですね…
いやそれよりそろそろ帰りましょう…
今は王族エルフ女は優しいですが、
長居したらまた私を怪しみ呪うかも…」
サワイに続いて先生も連れると、
町工場が並ぶ工業地帯に来た。
やはり技術指導している、
ゴートが居た。