妖精スーパー銭湯
「ふぅ…」
徹夜ゆえ昼寝してから、
私は後宮大浴場に通された。
そういやドハワールドに来て、
始めて風呂ぽい風呂だが、
いきなりこれは豪華過ぎる…
どの温泉やスーパー銭湯より、
広く清潔で豪華だ。
「さ~か~え~し~こ~️」
このエルフ独特の、
栄子の読み方…女エルフか!?
しまったゴートが私を守れず、
文字通り丸裸なここで、
私を直接殺すつもりなのか!?
大浴場ゆえ血の処理も、
他よりは簡単だ!
振り向くとオーベロン王の隣に居た、
王妃と思われるエルフ女と、
第二王妃と思われるダークエルフ女。
並んでひそひそ話していた、
第三第四第五王妃とおぼしき、
沢山のハーレムのエルフ女達が勢揃い!
人間ぽいし恐い!
どんな呪術(物理)だ!?
人間女にいじめられた私が、
今度はエルフ女になのか!?
「も~怯えないで️
さっきまで呪ってごめんなさい、
今は解呪したわ️♥️」
「貴女が第二王妃の座を、
狙っているのかと危惧しましたが、
安心しました️♥️」
「第二王妃の座?
オーベロン王の横に居たし、
私に似たダークエルフだから、
貴女が第二王妃なのでは…」
「いいえ私は第二王妃候補の、
ダークラエリ嬢と言います、
以後お見知りおきを️♥️」
「私は第一王妃のオフィーリアね️♥️」
つまり奥さん一人だけ!?
王にしてはオーベロン、
随分と身持ち固かったんだな…
「私は娘!」
「私は母!」
「私は孫娘!」
「私は祖母!」
さすが不老不死のエルフ、
全員若々しい…
むしろ孫娘より祖母のが、
幼くすら見える…
「さあこれまでの呪いの、
せめてもの償いに、
私たちが洗ってあげる♥️」
「ちょ!えっ?あぁ///」
私は人型モンスターいまいち故
オーベロン王は勿論、
このエルフ女達もである筈だった…
しかしこんなに沢山の女の、
スタイル良い透き通る色白の裸体や、
アクセントに自分に近い褐色の裸体に、
見たり触れたりされると、
変な気分になって来る…
ブレそうになる…
サキュバスやカーミラも、
こんな風に数でゴリ押してたら、
危うかったのかも…
「ここは湯船やサウナも凄いのよ♥️」
「おぉ!?」
アダムワールド日本の、
温泉やスーパー銭湯の湯船で、
勢い良く湯を噴射する、
ジェットバスが有る。
エルフ大浴場は水の精霊ウンディーネが、
もっと決め細やかな水流で全身包むので、
気持ち良さは段違いだった。
サウナ内には、
サウナの妖精サウナトントゥが居て、
熱波師をやっている…
水風呂だけは、
アダムワールド同様きつかったが、
露天風呂は風の精霊シルフが、
良い感じの風を送るので、
たった一回で、
ととのう事が出来た…
そうか、私は同性の友達が欲しかったのかも?
サワイも大切な同性だがあくまで妹分。
若本はメイドだから従者。
厳密には下だから対等ではない…
このエルフ女達も厳密には、
凄い目上だろうが、
こんな風に対等な感覚で、
いっしょにはしゃぎたかったのか…
浴場に満足し、
脱衣場に行くと、
服飾職人のエルフ女が居た。
「怪物の魔女様の御召し物ほつれ、
修復と複製を依頼されましたが、
あまりに未知ゆえ、
研究させて下さい!」
あぁアダムワールド現代の衣服は、
ドハワールド中世では、
オーバーテクノロジーだったのか。
街並みや入浴施設は、
こっちのが進んでいたから、
気付かなかった。
「錬金術で複製出来るんじゃ…」
「そうですがそれでは、
服飾職人の矜持が許しません!
錬金術は量産時のみ!」
なるほどエルフは職人も、
誇り高いんだなあ…